第23話 3枚目:イベント開始
そして、イベント当日。金曜日に始まり日曜日に終わるその最初の日、もちろん学生である私は出遅れた。ログイン時間にして6時間、ゲーム内時間で24時間、つまり丸一日だ。……と、考えるとなかなか大きい気がする。
まぁ平日は学校がある以上、ログイン回数自体が3分の1になってしまうのだが。それは社会人のプレイヤーも同じ(筈)なので、速やかに諦めて建設的な事を考えるとしよう。
という訳でさっそくログイン。
「コッ、コツ(えーと、使徒NPCでのイベント参加申し込みはと)」
再びちかちかと自己主張をしているメールアイコンに視線を向けて、一覧を最新のところまでスクロールする。そしてそこに『イベント:迷宮に齎される神意 NPC使徒作成申請』と書かれたメールを見つけた。
わざわざこんなメールが来るって事は、やっぱりあの救済措置は魔物プレイヤーががっつり対象内か……と思いつつメールを開き、注意事項を読んでいく。事前に公式から確認できた分と何も変わっていないので、一番最後についていた「申請する」というボタンをタッチした。
すると、今度は枠が2つある入力窓が現れる。説明には『あなたの信仰する神の名前と、対応を望む眷属の名前を入力してください』とあった。
「コツコツ。コツコッ(えー神様の方が“神秘にして福音”の神ボックス様。眷属の方が“ナヴィ”(真名:ナヴィティリア)さんと)」
そいっと入力して決定ボタンを押す。
……押してから、もしかして敬称は名前に含まれないのでは? と思い至った。ボックス様様とか“ナヴィ”さん様とかになる可能性が……。
「コッ……(これはもしややらかしたのでは)」
呟いている間に、ふわっと光が差した。…………気がする。相変わらず視界が不自由だから……。
……ちょっと待って。ナヴィティリアさんの話す方法って確かあれ。文字表示。だから、つまり、実質筆談。
あっれぇこれ視界が無い状態だと詰んだのでは!?
『意思疎通方法を変更、音声での案内に切り替えます。
お久しぶりです、ルミル様。生きておられますか?』
「コツ!(やっぱりボックス様最高ですよ生きてます!)」
『以前お話しいただいた通り、お元気そうですね』
「コツ!(ここからほぼ一歩たりとも動けていませんがなんとか!)」
目が見え無さそうだと判断するなり音声に切り替えるとか、最高かよ。最高だったわ。
『さて、ルミル様は使徒に力を託して試練に立ち向かう事を選択されましたね』
「コツ(はい)」
『それでは私“ナヴィ”、真名、ナヴィティリアが、ルミル様の祈りの具現たる使徒作成の儀を執り行わせて頂きます。
よろしくお願い致します』
「コツコツ(よろしくお願いします)」
頭が取れない範囲で、ナヴィティリアさんの声が聞こえる方へ頷きを返す。大分力加減は出来るようになった。
さてある意味本題の、現在の私のステータス(スキル)はというと。
『それでは、ステータスの開示をお願いします』
「コツ。コツッ(分かりました。ステータス)」
[Name:ルミル
Talent:ノーエレメント・ドラゴン・パピー・スケルトンLv51(next:4)
累計Lv [145]
Skill:【魔力耐性】Lv9
【属性耐性】Lv6
*【物理耐性貧弱】Lv17
*【弱化魂質】Lv6
*【意志薄弱】Lv4
*【影響力低下・微】Lv3
*【環境耐性低下・極】Lv20
*【骨体】Lv33
[【浮遊】Lv15]Locked!
【半実体】Lv9
*【偏食・宝石】Lv24
【大食】Lv11
*【貧弱体質】Lv19
【竜の血脈】Lv19
[【生命力・極】Lv5]Locked!
[【人化】Lv5]Locked!
【成長強化】Lv11
【体力回復強化】Lv18
【魔力回復強化】Lv13
【瞑想】Lv11
【心眼】Lv6
【精密動作】Lv19
Inactive:【鑑定】Lv5
【採取】Lv5
【格納】Lv0
【錬金】Lv0
【絆】Lv0
【共通言語】Lv5
【魔物言語】Lv5
【魔力感知】Lv5
【魂体操作】Lv0
【魔力制御】Lv5
【暗視】Lv5
【霊視】Lv5
【威嚇】Lv5
【隠れ身】Lv5
【忍び足】Lv5
【可食・鉱物】Lv0
【可食・鉱石】Lv0
【可食・魔力】Lv0
【悪食】Lv0
【消化強化】Lv0
【魔力吸収】Lv0
【魔力転化】Lv0
【部位破壊耐性】Lv0
【致命傷耐性】Lv0
【即死耐性】Lv0
【蛮勇】Lv1
【最期の意地】Lv1]
累計種族レベル145だぞ。8割になったとしても100オーバーだ。スキル最大値に至っては影響力低下を克服寸前までもっていって、157。どっちも3桁に乗っているのだ。
あぁ、スキル枠の増え方は100を越えてからは20ごとになるらしい。だから今のスキル枠は合計22枠。200を越えたら更に伸び辛くなるのかな。
どうやら情報サイトを見る限り、現在の人間種族プレイヤー上位者、攻略組と呼ばれる集団で種族レベルは60そこそこ、平均値に至ってはその半分程度。……ま、普通に考えればダブルスコアどころではない戦力差だ。
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