第7話 1枚目:イベント確認

「キュゥ(ステータス)」



[Name:ルミル

Talent:ノーエレメント・ドラゴン・パピー・ゴーストLv55(next:2)

Skill:*【魔力耐性貧弱】Lv19

   *【属性耐性虚弱】Lv3

   *【物理耐性脆弱】Lv10

   *【貧弱魂質】Lv7

   *【意志薄弱】Lv11

   *【影響力低下・中】Lv22

   *【環境耐性低下・極】Lv20

   *【霊体】Lv9

    【浮遊】Lv13

    【非実体】Lv6

   [*【偏食・宝石】Lv30]Locked!

   [【大食】Lv10]Locked!

   [*【虚弱体質】Lv15]Locked!

   【竜の血脈】Lv3

   [【生命力・極】Lv0]Locked!

Inactive:【鑑定】Lv0

     【採取】Lv0

     【格納】Lv0

     【錬金】Lv0

     【絆】Lv0

     【成長強化】Lv0

     【共通言語】Lv0

     【魔物言語】Lv1

     [【人化】Lv0]Locked!

     【心眼】Lv0

     【魔力感知】Lv0

     【魂体操作】Lv0

     【魔力制御】Lv0

     【暗視】Lv0

     【霊視】Lv0

     【瞑想】Lv0

     【魔力回復強化】Lv0

     【威嚇】Lv0

     【体力回復強化】Lv0

     【隠れ身】Lv0

     【忍び足】Lv0

     【精密動作】Lv0]



 そして、イベント当日のステータスがこちら。大体予想してたけど、まぁうん、マイナススキルの解消は無理だったよ……。


「ピッキュ、ピキュ、キューゥ?(脆弱が虚弱のレベル30相当とか、虚弱が貧弱のレベル20相当とか、流石にちょっと酷くない?)」


 ランク分けの極に至っては大のレベル50相当で、大は中のレベル40相当だった。この分だと、小・弱の下があるな。無印なのか微なのかは知らない。両方か?

 しかしそれにしても、種族レベル50越かー。種族レベルだけでいえばトップクラスなんじゃなかろうか? 未だに周囲も良く見えないし何かにぶつかったら死に戻る貧弱さだけど。

 あ、種族レベル40でメイン入り(自動)した【竜の血脈】は、このスキル以外で種族レベルが5上がるたびに1上がるらしい。効果は……血の流れる体が無いから、今のところ不明だ。


「キュ、ピッキュー……(やっぱり、進化は種族レベル以外にも特定スキルが必要かー)」


 ベータテスト情報だと種族にある「パピー」は種族レベル30で外れる筈だ。しかしそれがそのまま、という事は、やはり種族名「ゴースト」と【霊体】スキルが悪さをしているのだろう。

 ……下手をすると、アンデッド種族の象徴である部分が完全に外れない限り、成長できないのかもしれない。先が長い。というか、見えない。

 【非実体】スキルが地味に育っているが、これは無効の範囲の強化と倍加部分の軽減だ。正直、他のマイナススキルの事を考えると全く嬉しくない。いずれゴーストでは無くなる身としてはもはや経験値の無駄とすら感じる。


「ピプー(まぁそういうところに意外な落とし穴があるんだろうけど)」


 とりあえず種族レベルが上がってスキル枠は増えるのでそれで良し。育った先に何か意外な使い道があるかもしれないじゃないか。

 それはそれとして、と、ようやく雑ながら動かせるようになった尻尾で魔力の塊をべしべしと叩き、その反動でダメージを自分に入れながらイベントの詳細を確認する。



 そもそもフリアドのメインストーリー的な背景は、一言で言うと典型的な異世界勇者召喚だ。

 何故か人間種族に対してやたらと敵対的、かつ話の通じない魔物モンスターという種族の大量発生。それによる生活・交流圏の縮小と分断。種族ごとに世界にバラバラに散る事になり、それによって文明が衰退。

 このままでは滅んでしまうので、神に祈る大儀式を行い、その結果として使わされたのがプレイヤー。なので、プレイヤーは異邦者、あるいは召喚者と呼ばれ、魔物モンスターを倒しつつ各種族の交流の復活、出来れば魔物モンスター大量発生の原因を探し、解決するのが最終目標となる。

 なので今回の戦闘イベントは、本当に召喚者プレイヤーが戦力的な意味で役に立つのかどうかをお披露目する、という趣旨だ。なので、現地の強者……NPC勇者や英雄も参加するらしい。



「キューゥ(まぁ弱体化が全然解けない時点で関係ないんだけど)」


 そこまで確認して、ちょっと遠い目。いや、参加できても戦闘が苦手だから参加はしないだろうけど。

 まぁこれはあくまでメインクエスト、あるいはワールドクエストと呼ばれるものに関する情報なので、遺跡が好きなら衰退した文明の跡を探索するもよし、農場を作ったりして生産三昧をするもよし、魔物を集めてダンジョンを作る事でフリーの魔物を減らすもよし、とやれること自体は大変自由である。

 魔物プレイヤー特有の楽しみ方で言えば、魔王を目指して魔物を統治することで事態解決を目指す、というのも可能だ。


「キュ、ピッキューゥ(で、そういう生産向きのヒトの為に見学専用エリアが用意されてると)」


 私としての本題はここだ。

 見学専用エリアでは現地に居るのと違って賭け事への参加や屋台での買い食いが出来ない代わりに、仮の姿で参加することが出来る。で、その仮の姿というのは自分で作るほか、マイナススキルがある種族に限り、マイナススキルを全て克服した状態の姿を選ぶことが出来るのだ。

 当然その間の経験値は入らないし、服装は初期装備になってしまうが……これはもう、それだけで参加するしかないだろう。だって自分の未来の、あるいは本来の姿だぞ? そんなの見たいに決まってる。


「ピゥ、キッキキュ(それに、掲示板の魔物プレイヤーも来るって言ってたし)」


 あまりにも単純作業が続いて暇だったので、実は公式掲示板の内、魔物プレイヤー専用のスレッドにも顔を出していた。その時にまぁ色々とあり、現在そこで私が得た固有名詞は「第三候補」だ。いや、上には上がいるものだね。

 イベント開始は現実時間で昼の12時から。今は現実時間10時半。この確認が終わったら一度ログアウトすれば、1時間のログイン制限を回避できる。そしてイベント自体は、元々4倍の時間加速を更に加速させて、16倍にしたうえで2時間の開催。

 途中ログアウトは可能。だけどまぁ、連続ログイン制限の事を考えると実質無理だろう。そして、この2時間は1日の合計ログイン時間には含まれない。


「ピッ(あっ)」


 とか考えていると、うっかり加減を間違えて死に戻った。

 ……キリもいいし、ここでログアウトしておこう。

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