第12話
すっかり、私とミリー、ルーちゃんにソフィー、リリーの5人で集まるのが日常になっていた。学園生活で1番の癒しだね!
そのおかげで王子との噂も収まった……と思う。
「そういえば、みんな魔法の実習、誰と組むの?」
「私はまだ決まってないわ。皆さんは?」
「私はカイト様からお誘いがありましたわ。」
「私もアロイス様が誘ってくださって……」
「私はまだ決まってません。……シジュン様からのお誘いもありませんし。」
嬉しそうに報告するルーちゃんとソフィー。反対に、寂しそうに微笑むリリー。
いつも通りの表情で紅茶を飲むミリー。
やっぱりこういうのは婚約者とやるんだと思ってたけど………
ぶんぶんと顔を振り、話を出した理由を話す。
「私、実は決まってなくて………よかったら一緒に組めないかなって聞きたかったの。」
「あら、それなら余り物同士どうかしら」
ミリーが少し茶化しながらいうと、リリーもふっと微笑み、いつものように瞳を輝かせた。
「いいですね、私も参加しても?」
「もちろん!あれ、でも2人じゃなきゃなんだっけ?」
「………ええ、実際はね。でも、マリアは途中入学だし、例外として認めてもらいましょう。」
「それならいいと思います。早速先生方に書類を出しに行きましょう?早めに行かなくては殿下たちが来てしまいます!」
ええ?なんか嫌なフラグがたっちゃったんだけど………
「はい、問題ありません。例外ではありますが、認めましょう。正式に受理します。」
なんか簡単にできちゃった。もう少し揉めるかなと思ったけど、さすがプロ。困った顔をせずに笑顔のままで手続きしてたわ。私も見習わないと………
憧れの目線を彼女に向けていると、ミリーたちに呼ばれた。
「マリア、そろそろ戻りましょう?皆さんも待っているわ。」
「もう夕暮れ時ですし。寮へ戻った方がいいと思います。ルリィメリア様たちの寮は少し遠いですから。」
そうだね。と帰ろうと受付から離れていくと、私を呼び止める声がした。振り返ってみるとそこには、今、最も会いたくない、王子様とメガネがいた。
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