非実在分身体

 気が済むまで変態行為に勤しんだロトルルたちは現在、川辺で岩や石をストレージに収集中です。


「エアロアダマンタイトは私の体から取り出して岩や石に合成すれば良いだけですから楽ですね」

「だね」


 十分な量を確保出来たので、ストレージから地面へ一纏めに置いて、髪の毛を一本抜き……抜けないので液化切断して、石粒と合成。

 エアロアダマンタイトシリコーンタンパク質の粒になったので調合スキルでシリコーンとタンパク質成分を取り除きました。


 次にエアロアダマンタイトの粒を石に合成し、拳大のエアロアダマンタイトを作成して岩に合成。

 エアロアダマンタイトの塊が出来たので、これを液化して一気に纏めておいた岩や石に合成してエアロアダマンタイトを量産しました。


「次は木材集めじゃ」

「おー」


 その辺に生えている木々を、切り株が残るように液化切断してストレージに収集しながら、残った切り株にハイポーションをぶっ掛けて再生させていきます。


 1000本ほど集め終わったところで伐採した時に折れた枝を数本、錬金スキルで木粉にして、セーラー服風の上下セットを作成。

 セーラー服風の上下セットを調合スキルで脱色し純白にして、その辺に生えている薬草からポーションを作り、錬金スキルで粉末にして襟全体を水色に染め、スカート中央部分をぐるりと一周、水色一本線に染めれば。


「やる気100倍! がんばロトルル! 今日も一日頑張るぞい!」

「ぞいてなー!」


 元々着ていた服には伸縮スキルが合成されていたので、液化してセーラー服風の上着とスカートそれぞれに合成しました。


「ついでにパンツも純白にしておきましょう」

「ムフッ、活発系清楚美少女良いですぞ〜」


 分身体の視界共有でがんばロトルルの姿を堪能し、ムラムラしてきたので抱き着いて体全体をさわさわもみもみしまくりました。


「そろそろ戻らないとセイラさんたちが待ちくたびれちゃいますね」

「……また私を消すの?」

「ええ、お前はもう用済みなので消えてください」

「そんな言い方……ひどいよ……あぁ……消えていく……また、私が消えて……」


 私の迫真の演技、中々のものでしょう?

 演技なのでかわいそうな分身体ちゃんは実在しませんので安心してください。


「とりあえず、小指をポーション化してと……ぐぎいいいい!」


 素早くストレージからメガポーションを取り出しぶっ掛けて小指を再生させます。


 次にロトルルポーションから不必要な眷属やら不老不死などの成分を調合スキルで取り除き、ブドウの種に合成、地面に植えて、メガポーションを2本取り出して合成し、エクスポーションを作成、地面に植えたブドウの種に振り掛けてみました。


「おぉ、流石に成長が早いですね……というか大き過ぎません?」


 ブドウというかグレープフルーツと言った方が良いかもしれない大きさになってしまいました。グレープだけに?


「ちょっと味見をば」


 たわわに実ったブドウの実を1個もぎ取って食べてみました。


「シャリシャリシャリ……うん、美味しい」


 味はブドウのままでしたが皮が薄く、まるで梨でも食べているのかぐらいのシャリシャリ食感で、人生のフルコースに入れても良いレベルで大満足です。ちなみに梨は皮ごと食べる派です。冷凍庫に入れて凍らせてから冷蔵庫に入れて解凍させた、ぶにゅぶにゅ食感も好きです。お試しあれ。


 それはさておき、さっさとスキル集めをしちゃいましょう。


 前回と同じような派生系スキルが多く見られますが、家事系スキルと運気系スキルはさすがに見当たりませんね。包丁さばきスキルぐらいでしょうか?


「うーん、ルリコさんの小指を分けてもらいましょうかね?」


 ルリコさんには悪いですが、ちょっと天井のシミでも数えててもらいましょう。


 そうと決まればブドウの実をストレージに仕舞い、残った木は液化処理して後片付けをしてから、ルリコさんたちの居る宿屋へ、転移事故で悪魔合体なんて事にならないようにゲートを開いて転移しました。

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