現実を知った
食事を終えたので次は何をしようか考えていると動物達の悲鳴が聴こえて来たので慌てて家から飛び出すとネズミの群れが動物小屋を襲っていました。
「っ!? レーザーレインッ!!」
光の矢の雨を降らせてネズミの群れを一掃し、動物小屋に入るとグズグズに溶かされた動物だった物がネズミに食べられていました。
「ファイアボールッ! ファイアボールッ!! ファイアボールッ!!」
炎弾を化物ネズミに向かって放ち、一匹残らず燃やし尽くそうとしましたが数匹撃ち漏らしてしまい、化物ネズミの口から体液を吐かれて咄嗟に避けましたが、体液の一部が私の太ももに掛かってジュワッと煙を上げ、見る見るうちに溶け出して来ましたが今は化物ネズミを殺す事が先決です。というかそれしか考えられません。動物たちを殺された怒りで頭がおかしくなりそうです。
「うぎいいいッ!? ああああああッ!! ファイアボールッ!!」
無我夢中で撃ち漏らした化物ネズミを倒して、ドロドロに溶けて骨まで見えている太ももにメガポーションをぶっ掛けて治し、蘇生スキルで動物たちを生き返そうとしましたが骨すら溶かされた後だったのでどうする事も出来ませんでした……。
「……アシッドラット」
鑑定スキルで化物ネズミの骨を調べるとアシッドラットというモンスターでした。
強酸性の唾液で一瞬にして獲物を溶かし捕食するネズミ型のモンスター。
「……クソッ」
穴を掘って土から出て来たようです。
ちょっとでも自然にしようと思って土のままにした結果がこれですか。
床を作って入り口も頑丈な物にしておけばこんな事には……。
「はぁ……つら……」
食用に買った家畜動物だし、僅かな時間しか触れ合っていないので愛着もそれほど湧いてませんけど、ツライものはツライです。
「……引っ越そう」
どんなに安全そうに思えても、いつ危険が迫って来るのか分からないという事がよく分かりました。
森は危険です。
しがらみはありますが人里が一番安全です。
街に戻ってどこかの空き地に家を建てて、そこで暮らそうと思います。
ストレージに必要な物を詰め込み、家を解体、錬金スキルで粉にしました。
畑も潰し、空き地にいくつかドングリを埋めてハイポーションと肥やしポーションを合成したハイ肥料ポーションで木を生やし、元の状態にして私が住んでいた一切の痕跡を消しました。
「これで良し」
私のせいで森の生態系を変えてしまい、ネズミに襲われてしまったのだと思ったのでそうしました。
最後に両手を合わせて動物達の来世を祈ります。
「次は私の胃袋に美味しく入ってください」
転移で平原の鉄小屋に行き、周りを確認してから外に出て街に戻りました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます