ロリコンさんに聞いてみた
「あれ、今日は早いのね」
「荷物を取りに戻っただけですよ。すぐ出掛けます」
お姉さんの顔は見ずに部屋に戻って荷物をまとめて出掛けます。
まだお姉さんの顔は見れそうにないですね。平常心を取り戻さねば。
市場に出向いて魔道具店に入ります。
「いらっしゃい。好きに見ていきな」
店員さんはお婆さんです。私の許容範囲外です。
店内には禍々しい魔道具が綺麗に陳列されており清潔感があります。
「妖精の羽、ネズミの尻尾、トカゲの丸焼き、エーテル結晶の杖、ドクロの水晶、グリフォンの鍵爪」
色々置いてあって品揃えが良いですね。
目立つように壁に飾ってあるミスリルの剣の値札に1000万エルと書かれてますが、売る気は無さそうです。自慢かな?
「ピーンと来た!」
ミスリルの剣を見て唐突に閃きました!
何も私が魔法を使わなくても魔道具を合成すればどんな魔法も使える指輪とか作れそうじゃないですか?
早速、装備するだけで魔法が使えるようになるアイテムを買い漁って行きましょう。
商品説明だけだと心配なので鑑定ゴーグルを装着して見て行きます。
これ着けていると視界が文字だらけになって鬱陶しいんですよね。
魔法効果が発動出来るアイテムはどれもこれも高い物ばかりです。
回数制限もあったりして、これではいくらお金があっても足りませんよ。
素直に購入を諦めました。
「魔力が溜まってそうな場所? 瘴気の谷とかかな。あ、行っちゃダメだよ」
「あそこなら良いんじゃない? エーテル湖とか」
「妖精の森も良いと思うわよ?」
「なるほど」
現在、冒険者ギルドで魔力の多そうな場所の情報収集をしています。
「おや、君は確か……えーっと、ロトルルちゃんだっけ?」
「あ、ロリコンさん、じゃなくてシシドウさん」
見事にズッコケましたね。お笑いのスキルを持ってそうです。
「誰だい? この子に変な事を吹き込んだのは?」
変な事は誰にも吹き込まれていません。前世がオタク君なだけなのです。
「私達じゃ無いよ。今、この子から魔力の多い場所を聞かれたからどこが良いか話していた所だからね。ロリコンさん」
「僕はロリコンじゃないと何度言えば……」
「大丈夫です! 恋に年齢は関係ありませんから!」
「そう言う事じゃ無いんだが……」
ロリコン疑惑は置いといて、どこか良い場所はあるかシシドウさんにも聞いてみました。
「そうだな……マナの大森林とか、アルスの空中庭園とかかな」
「ここから近いですか?」
「ゲートを通ればね。通行料が往復で10万エル掛かるけど」
「なるほど。一人で行っても大丈夫でしょうか?」
「空中庭園なら観光地として賑わっているから大丈夫だと思うよ」
「分かりました。空中庭園に行ってみたいと思います。皆さん色々教えて頂きありがとうございました」
善は急げってね。今から行ってみよう。
「ちょっと待って! 今から行くつもりかい?」
「そうですけど?」
「ゲートのある隣街まで今から馬車で行っても着くのは夕方ぐらいだから、明日の朝が良いと思うんだけど」
「そうですか。それでは隣街の宿に一晩泊まってから行きたいと思います」
「その口振りだとお金はあるみたいだね」
おっと、いけない。
10歳がお金を持ってるなんてバレるとマジックバッグの二の舞になりかねません。
この人達は大丈夫でも、どこで悪党が聞き耳を立てているか分かりませんからね。
と言っても服装を見ればバレバレでしたね。オシャレも程々にしないと……。
「優しいお姉さん達が良くしてくれているので」
嘘ではありませんし、良くしてもらってるのは事実です。
「そっか。良い人に巡り会えたようで安心したよ」
シシドウさん、私の事気に掛けてくれてたのかな? ……キュン。
一応、10歳の女の子なので簡単に恋に落ちます。
前世の記憶が無ければ危なかったかも。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます