魔法を覚えるついでにお姉さんをからかってみた

 手ぶらで出て来てしまったので、今日は錬金ギルドの図書室で魔法を覚えられる薬が無いか調べてみようと思います。


「魔法、魔法、ま、ま、ま、あった」


 ギルド員なら誰でも閲覧可能なのは良いですね。


「魔法使いの薬液、魔獣の体液、エーテル、魔薬草、ふーむ」


 大体分かった。

 とりあえず魔力の宿った物をなんでもポーションキットにぶち込めばいいんでしょ?


 全然分かってない。


 とにかくポーションキットを取りに帰るのはもう少し時間が経ってからが良いので正攻法の魔術師ギルドに行ってみますか。



 やって来ました魔術師ギルド。早速登録しちゃいましょう。


「登録お願いします」

「はいはい、はい、登録完了です。頑張ってね!」


 ふむ、魔術師ギルドのお姉さんも中々……。

 港、港に女を作るように、ギルド、ギルドにお気に入りのお姉さんを作るのもありかもですね。からかう相手は多い方が楽しいですしね。まさにクズの発想!


「魔法を覚えたいんですけど、どうすれば良いですか?」

「それでしたら、無料で開催されている講習会に参加するか、お金を払ってボードに依頼を張り出すか、図書室で自主勉強、あとはアイテムなどで覚える事が出来ますよ」

「お姉さんは教えるの得意ですか?」

「私!? 私は、ほら、受付の仕事がありますから! 他の方を探してくださいね!」

「……魔法、下手なんですか?」

「下手じゃないです!」

「下手だから受付なんですね……」

「違います! 下手じゃないです! ちゃんと魔法使えます!」

「それじゃ、何か見せてくれませんか?」

「え、っと、ここだと、ちょっと、危ないかなって」

「そうですか、残念です……」

「そういう事ですから、他の方をあたって――」

「お姉さんが暇な時で良いので見せてくれませんか?」

「くぅぅ! う、受付の仕事が忙しいので! ごめんなさい! 次の方どうぞ!」


 あぁん、まだまだこれからなのにぃ!

 並んでいる人の邪魔になってもいけませんし、仕方ないので図書室に行ってみましょうか。


 人多いな。

 魔術師ギルドの図書室は人で溢れ返っていました。

 人混みは苦手だけど魔法書は読んでみたいので空いている本棚へと足を運びました。


「闇魔法に対する光魔法の考察。生活魔法における魔力消費量の軽減法。猫でも分かる消音魔法。右手からからあげを出す魔法を使うには。尻から出る攻撃魔法を止める10の魔法」


 からあげが気になったので読んでみたら妄想話でした。がっかりだよ。

 他にも色々読んでみて、一番分かりやすかったのは基礎魔法辞典。

 ファイア、火が出る。ウォーター、水が出る。ウインド、風が吹く。

 という感じで、文字が読めれば誰にでも分かるように書かれています。

 試しにウインドの呪文を唱えてみたけど何も起こらなかったので、唱えるだけでは駄目らしいですね。

 この世界にどんな魔法があるのか大体分かったので良しとしましょう。


 時間もいい感じに経ったのでポーションキットを取りに一旦帰りましょう。

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