ポーション作ってお姉さんをからかってみた
好きな仕事が見つからない、ならば自分で作ればいいじゃない。
という事で街の近くにある森にやって来ました。
子供も遊びに来る森なので、奥に行かなければ安心安全です。その分レアアイテムなんてありませんけど。
とりあえずスキルレベルを上げて、作ったアイテムを各種ギルドに持ち込めばお金は稼げるので当分はそれで生活したいと思います。
まずは雑草を集めてポーションもどきを作りましょう。
「えっさ、ほいさ」
過疎っていたアイテム生成ギルドに登録した時に貰った簡易ポーション生成キットに雑草を投入。
ハンドルを回すと使用者のスキルレベルに見合ったポーションが出来上がるらしい。
ポーションを作れるスキルが無い者が使うと青汁ポーションが生成されるみたいです。
ちなみに薬師ギルドと錬金ギルドの製法で作られたポーションはスキルレベル以上のポーションも作成可能なので使い所がイマイチ無さそうなアイテムですね。
あとレベル10以上のポーションもこの生成キットでは作れないとか。
よく聞いてなかったけど。
ジューサーよろしく、緑色の液体がポーション瓶に注がれ謎のポーションが出来上がりました。
簡易鑑定虫眼鏡(これもアイテム生成ギルドで貰った)で効能チェック。
それとなく回復ポーションが出来上がっていました。
この調子でどんどん作ろう。
ちなみにポーション瓶なら錬金スキルで土さえあれば無限に生み出せます。便利。
ポーション瓶の買取があれば良かったのになぁ。
その後もせっせとポーションを生み出して、ある程度貯まってきたら同じ効能のポーション同士を合成スキルで合体、より効能の高いポーションを作っていきます。
たまに回復効果と毒効果の混在するポーションが出来上がっていたので調合スキルで効能の高い方を残して作成していきました。
「おぉ、死者も復活するかもしれないポーション! こっちは神をも殺すかもしれない毒ポーション!」
あくまで簡易鑑定なので、いいところ部位欠損回復ポーションと、飲んだら死んじゃう猛毒ポーションぐらいでしょう。自分でも適当言ってますけどね。
という事で早速売りに行こう。
ポーション作りは体感30分ぐらいだったので日もまだ高いです。
せっかくなので過疎っているアイテム生成ギルドに売る事にしました。
過疎っているので高値は付きそうに無いですがこういうのは記念ですよ、記念。
「すっごいポーション出来たので買取お願いします!」
「あら! あなたうちで仕事してくれる気になったの!」
「いえ、ただの御礼です」
「そ、そう……でも良いわ! どんなポーションを作ってくれたのか確認するわね!」
受付の行き遅れたお姉さん(38)が自分の持っている簡易鑑定虫眼鏡よりも豪奢で金ピカな虫眼鏡を取り出し、目を見開きました。顔怖い。
「凄いわ……! レベル10ハイポーションに、こっちはレベル50ポイズンポーションなんて……一体全体どうやって作ったのかしら!?」
教えたらめんどくさそうなので言いませんよ。
それよりも金じゃ! 金!
「お値段はいかほど?」
「そうねぇ。100万、と言いたい所ですけど、うちで出せるのは50万がせいぜい、30万にしてくれると助かります!」
頭下げられちゃったよ……。
買取で値切られたの前世でも初めてなんですけど……。どんだけ財政難なのか気になるレベル。
「良いですけど、この簡易キットと虫眼鏡よりも良い物くださいな」
「はい! よろこんでええええ!? 良いの!? 本当に!?」
「お姉さん美人ですし、喜ぶ顔が見れただけで儲けものです」
「……結婚して」
「良いですよ?」
「え……?」
「ふふ、ウソです」
鳩が豆鉄砲顔頂きました。
「ウソって、買取も……?」
「それは本当、ちなみに結婚も将来的には、あるかも?」
「は、え、あ、冗談なのね! お姉さんをからかうなんていけない子!」
「え、本気ですよ? 冗談なんて思われちゃうなんて……悲しいわ……しくしく……」
「え、あ、ごめ、ごめんなさい! 謝るから泣かないで!」
わざとらしくあざとい泣き真似をしたのに、お姉さん真に受けちゃいましたよ。フヒヒ。
「ふふ、お姉さん可愛い」
「あ、もう! お姉さん本気で怒っちゃうぞ!」
「きゃー、こわい」
なんてやり取りをあと10往復ぐらいして、お姉さんがガチ泣きし始めた所でやめてあげました。
お姉さんいぢめめっちゃ楽しいいいいいい!!
人を弄ぶ事がこれほどの愉悦を得られるなんて思いもしなかったな。ニチャァ……。
「30万エルと何でもポーションキット、それと鑑定ゴーグルね」
「ありがとうございます。あ、お金は預けておいて良いですか?」
「ええ、良いわよ。カードに記帳しておくわね」
どのギルドでもお金を下ろせる銀行カードになって超便利。この魔法システムを開発した人は天才だね。
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