第八話 食事の話・どんな食事してるの?


 その会話がきっかけになって、芸人たちがどんな食事をしているのか、という話になった。モンスターの王は、その話をしたがらなかった。

「モンスターの食事というのは、ブタが食べるようなもので、あまり見せられるものではないのだよ」

 カインは、目をそらしながら、言った。

「じゃあ、芸を披露して働いて、お金を稼いだ後は、めちゃくちゃ食べるってことですかね」

 小人は、羊皮紙にメモを始めた。

「人間に変身できる能力のあるものが、お金を持って村へ行き、そこで食料品を手に入れるんですな」

 カインは、いかにもざっくり、というふうに説明した。

「役としてやるなら、人間だろうとモンスターだろうと、なんでもやるもんです」

「ということは、あなたもお金を持って村へ?」

「もちろん」

「ドラゴン相手に商売、ねえ……」

「化物が相手では、商売にならないとでもいうのですか。あなただって、痩せぎすの骨人間と言われたら、気に障るでしょう」

 カインの言葉に、クリスは代わりにすぐに謝った。いま、ここで竜と戦って、勝てる自信はない。それに、思ったよりカインは友好的だった。問題は、なぜ誤解があるのか、そこのところがわからない、という点である。

 小人のルフナが、鋭い質問をした。

「食料品というのは、主にどういうものを買うのでしょうか」

「そうだね、鶏とか、豚とか、贅沢品なら、馬も買うね」

「みんな、料理をして食べるんですね」

「そりゃそうですよ」


 

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