第四話 個性的な仲間たち


「あの肉が旨いという評判だな」

 トカゲ人リザードグラムは、ギザギザの口からヨダレを垂らしている。

「モンスターの大群が火山から出てくるには、なにか理由があるのでしょうか。四年に一度というところに、疑問を感じます。火山をもっと、調べた方がよいと私は提案します」

 小人のルフナが、メガネをずりあげてもっともらしい口を利いた。

  一行は、その案を受け容れて、火山の周辺を調査し始めた。火山はひどい硫黄臭がしており、生きものの姿はまったく見えない。もちろん、モンスターの姿もない。

「静かだね」

 クリスは、ビクビクしながら言った。

 途中で一匹のサラマンダー(火トカゲ)を見かけた。小さな目も、身体も、すべて燃えている。興味深そうに、ゴツゴツした溶岩のかげからのぞきこんでいる。リザートグラムは、すぐに弓に矢をつがえ、放った。狙いは違わず、火トカゲの背に突き刺さったが、矢はすぐに焼けて燃え尽きた。火トカゲは、かゆそうに足で背中をかいている。

「ウォーター!」

 サマエルが、水の魔法を放った。火トカゲは、ゴキブリよりも素早く、岩から岩へと移動していった。

「やめてください。わたしは、敵ではありません」

 なんと、火トカゲが口を利いた。一同はきもを潰した。

「敵ではない? さんざん、国民を苦しめておいて!」

 クリスは逆上し、妖精のトビーは頭を振った。

「そっちなの?」

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