第三話 集まったひとびと

 虚をつかれてクリスは、キョトンとなった。

「小人とか、トカゲ人とか、妖精とかを連れていくんですよ」

「……それはいいけど、報酬はどうするんだ? 相手は人間じゃないんだ、ふつうの報酬じゃ、手助けしてくれないだろう」

「それは、任務が成功してから考えましょう」

「行き当たりばったりだなぁ! ぼくが成功しなければいいと思ってるんだろう」

「そうですよ?」

「ぼくは王位継承者だぞ! もっと大切にしてくれ!」

「でも、叔父の国王に子どもが生まれましたからねえ」

「つまり、ぼくを厄介払いしたいわけか……」

 ひどいとは思ったが、ラボス国が危機に瀕していることは事実であった。クリスは気を取り直した。彼の苦境を楽しんでいるサマエルといっしょに、国中にふれを出して小人、妖精、トカゲ人を集めた。

国王はにがりきっていたが、今さら自分でつけた条件を変えることはできなかった。集まってきた3人の小人や妖精、トカゲ人たちは、歌を歌ったり、踊ったりしながら、モンスターの大群が現れる火山に向かって歩き出した。

「すごく楽しみだわ。モンスターって、カッコイイんでしょう?」

 妖精のトビーは、虹色の羽根をキラキラさせながら、飛びまわっている。

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