第4章 第5話

『command use item slot no1 end』

若干にらみ合いの時間となった隙にポーションを使い、減ったHPを回復する。


視界の端で、目くばせし合うパーティーが3つ。

「スピ。こっちから2パーティーくらい同時に来そうよ。」

背中合わせのSeregranceからフレンドチャットが届く。

『こっちも3パーティーくらい来ると思う。』

「実践で使えるかどうか分かんないけど、

 対バトロワ用のコンビネーション試してみない?」

『あれかー…本当にやるの?

 当たらなかったら、かなり恥ずかしいと思うけど…』

「そりゃもうギリギリまで引き付けるのよ。

 ほらほら、団体さん来ちゃうわよ。」

『分かった。じゃぁセレは武器変えてね。

 多分その瞬間に飛びかかって来るから、俺から始めるよ。』

「オッケー!」


Seregranceが、周りを取り囲むプレイヤーに見せつけるかのようにメニューを操作する。

これで装備が変わった瞬間に火蓋が斬り落とされるだろう。

自分もSeregranceと背中合わせ同士の背中の隙間に両手を潜り込ませ、装備切替の準備をする。

『command equip wepon slot no2』

音声コマンドを入力しながら同時にメニューも操作し、発火能力スキルの発動させる。


「じゃ、いくわよ。」

シュワン

Seregranceの武器が切り替わったのだろう。

それを見た瞬間、後ろにいたパーティーが飛びかかってきたのが分かった。

一拍遅れて正面にいたパーティーも一斉に向かって来た。


この人数を一気に処理出来ればバトルロワイヤルのゴールも見える。

出来る事なら逃げられることなく、ここで片付けてしまいたい。

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