第25話 サマンサ王国国王デカンとその大臣ヘキサン

 ケトンとミクはサマンサ王国の許可書を城の門番に見せ、サマンサ王国の城へ入った。ケトンとミクはさっそくサマンサ王国国王デカンと会った。

デカン:ケトンよ。ようこそわが王国サマンサにこられた。聞いておるぞタンタル町の武道大会で優勝したとか。

ケトン:そうです。

デカン:あと、カイン王国では人騒動を起こしたとも聞いておる。

ケトン:人騒動?

デカン:ケトンは知らんのか?カイン王国では復活した国王がケトンを殺そうと、懸賞金付きのお尋ね者になっているのだぞ。

ケトン:何?

ミク:ケトン。これじゃあ、カイン王国へは戻れないどうしよう。

デカン:カイン王国へ戻るつもりだったのか?では、一体ここへ何しに来た?

ケトン:デカン国王へカイン王国へ攻めるのを止めようと思ったのだが・・・。

デカン:なぜだ?

ケトン:実は賢者の宝石を探していて、その宝石をウランに渡して、ローラ王女の呪文でウランの封印を解いてあげなきゃいけないんだ。

デカン:ウランの封印を置くのが目的だと?

ケトン:そうです。

デカン:なるほど。なら、封印を解く呪文を唱えられるのはローラ王女だけはない。大臣もできる。大臣を呼ぼう。誰か。ヘキサンを呼んで来い。

部下:はっ。

 と、そこには大臣のヘキサンがやってきた。

ヘキサン:王様お呼びで。

デカン:ヘキサンよ。今ここにいるのが噂のケトンだ。

ヘキサン:おお。あなたがケトンか。以後よろしく。

ミク:ヘキサン。カイン王国へ攻めようとしたのはヘキサンさんでしょ。

ヘキサン:こちらのお嬢様は。

ケトン:俺の連れだ。ある意味俺より強い。

ヘキサン:ある意味とはどういう意味で?

デカン:男は、女に弱いものだ。そう言いたいのだろう。

ミク:ねえ。答えて。

ヘキサン:確かに私だが私は、カイン王国は悪と思っている。

ケトン:ミク。ローラ王女は善だが、カイン国王は悪だ。俺はお尋ね者にされた。

ミク:じゃあ、どうするの?

ケトン:そうだなあ。まずは、アインを探すか。

デカン:アインとはアインシュタイン博士のことかな。

ケトン:よくご存じで。

デカン:アインシュタイン博士は、われわれも探している。

ミク:ケトン。アインなら、ローラ王女が場所を知っているって言ってたでしょ。何が何でも会わなきゃお金はあるんだし。

ケトン:でも、アインなら、お金無しで会ってくれそうな気がするんだけどなあ。

デカン:では、これからどうするつもりかね?

ケトン:ここで立往生するわけにもいかないし。

ミク:ケトン。私たちはもう一回ローラ王女へ会いに行きましょ。

ケトン:そうか。

ヘキサン:ローラ王女の元へ行く必要はないのでは?封印を解く呪文は私が知っている。ケトンよ。共にカイン王国を倒しに行かないか?

ミク:ケトン。ローラ王女を見捨てちゃダメよ。この世を収められるのはウランとローラ王女だけなんだから。

ヘキサン:ミクとやら、あなたがケトンのお連れさんでなければ、今の言葉で捕らえてましたよ。国家反逆罪で。

ケトン:ヘキサン。捕らえるとは言いすぎだ。ミクはこの世界を知っているだけだ。

ヘキサン:どう知っているのだ?

ケトン:まずは俺とミクの事を話そう。俺とミクはこの世界の人間ではない。他の世界からやってきた。この世界は他の世界からの本の世界なのだ。で、ミクはこの世界の本を全部読んだのだ。つまり、この世界の事をすべて把握している。大魔王の倒し方も把握しているのだ。

デカン:それはまことか?

ミク:はい。

ヘキサン:で、ケトンはこの世界の事は知っているのか?

ケトン:俺は知らん。俺はこの世界の本を読んでいない。

ヘキサン:なるほど。よくわかった。とにかく今日は宿はどうするんだ?

ケトン:考えていない。

ヘキサン:じゃあ、城で泊まるといい。

ケトン:ありがとう。

デカン:ケトンよ。この世界へ来た目的は何だ?

ケトン:大魔王を倒すための冒険だ。

デカン:わかった。では、この城でゆっくりとされるが良い。

ケトン:ありがとう。

 と、ケトンとミクは部屋を出た。

 デカンとヘキサンが何か話していた。

ヘキサン:王様。話があります。

デカン:なんだ?

ヘキサン:あの2人は危険なのでは?

デカン:どうしてだ?

ヘキサン:ローラ王女の味方ですぞ。

デカン:だが、ケトンはカイン王国のお尋ね者ではないか。

ヘキサン:そうでしたな。まあ、ケトンはいいとして、ミクという女はわが国に危険をもたらすのではないでしょうか?

デカン:ヘキサン。ケトンの連れだ。妙な事をしたら許さんぞ。

ヘキサン:これは失礼しました。

デカン:で、ヘキサンよ。私としては、ケトンをわが国の戦士としたい。何か策を考えよ。

ヘキサン:はっ。





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