素敵なお話でした。是非読んでください。
良くありがちな設定だけど、いやだからこそ、この設定は真実に辿り着くまでそれを悟られないようにする技量が必要です。もうすっかり騙されました、上手すぎて。途中で出てくるコーヒーもこの作品の雰囲気を醸し出していていいですね。匂いを表面上 味を中身として一見だたの甘い物語かと、蓋を開けてみれば苦い思い出が。そんな感じで勝手に解釈させていただきました。
ちょっと泣けるお話でした!いや、かなり泣けるお話でした!
悔しくなるくらいのテンポのよさで繰り出されるセンスのある言葉たち。オシャレと評したのはその言葉使い。作品自体は繊細で美しくて、少しだけ幸せで、少し悲しい。絶妙なバランスで描かれる4年に1度の物語。わからないけれど、4年後もまた、美しい薔薇の花束とともに……
※ネタバレありです※「四年に一度」といえば何を思い浮かべるだろうか?今年2020年のビッグイベントでもあるオリンピックが一番に浮かんできたり、あるいはこの企画のきっかけと同じくうるう年の記念日を思い浮かべてみたり……。でももし、2月29日が「命日」だったら?本作はそんなテーマから着想を得た、切なくて、でもどこか爽やかな恋愛物語。願わくば、いつまでも天国の事務手続きミスのままでありますように。