誕生日の日の夢
俺はその日の夜、不思議な夢を見た。
気が付くと俺は花畑にいた。姉にあげたグラスの様に綺麗な発色の青い小さな花に囲まれている。なぜかその花を「勿忘草」だと分かった。四年に一度に訪れる2月29日の誕生花だ。夢の中の自分は時々、自分が知らない感覚、知識を知っている。
ここはどこだろうと散策していると、なんと俺の夢に姉がいたのである。
「姉貴。ここでなにしてるんだよ?」
俺は率直に聞いた。姉は答えない。ただ眠っている。
ゆすっても起きない。首元に、あざが出来ていた。なんだこれ?そう思っていると、突然、姉貴の下に大きな穴が空き、落ちていった。俺は寸前の所で回避して、落ちなかったが姉は落ちていく。
「姉貴‼」
手を伸ばしたけど、届かなかった。穴の底は煮えたぎった血の池。底まで距離があるのにもかかわらず、熱気がこっちまでつながってくる。まるで地獄だ。その熱さにも負けずに、必死に手を伸ばす。
「姉が、姉が、何をしたって言うんだよ!」
夢から目を覚ますと俺は空を掴んでいた。
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