第4話約束は一杯の桜花
愁いを知らぬ愛に近づく
記憶を踏みつけて鳥のうた
記憶を知らぬ愁いに踏みつけて
愛の鳥に近づくうた
おばあちゃんを見つけたのは偶然だった。喧嘩してるカラスを見つけて、窓の外ばっか見てた高校時代を思い出した。鳥になりたかった。普通がいいのに普通が嫌で、私じゃない何かになりたかった。
すれ違うことは出会ったことにならない。誰しもが自分の事情で歩いたり走ったりしている。誰にも会いたくないなんてしあわせのあおいとりで呟いてみるけど、結局すぐ寂しくなった。だけど今さらどうしようもない。
山の上に行けばスランプから抜け出せるはず、そうしてつぼみの桜をスケッチしながら歩いていたら出会った。
メモを握りしめて次の日も山登りする。おばあちゃんはそこにいて、私は一心不乱に描いた。やっぱり眠っているように見える。最後も結局声はかけられずに、自販機でホットのお茶を買っておばあちゃんのそばに置いた。桜は昨日よりも咲いていた。
○○○○○○
人魚の一日なんてつまらないわよ。プカプカ浮かんで消えていく雲を眺めてたり。落ちてきた焦げたチキンが恐ろしいって話したり、失踪したり姉さまの話したり、火に驚いたり、
愛してたけど、恋じゃなかったんでしょうね
魚は足がないけれど、人には足があるから記憶も踏みつけられる。私のは後付けだから中途半端ね
ペットは飼わないことに決めたの。あとロボットさんね、頼らないことにしたんです。だっていつか私も死ぬから
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