02.08 「どうしよう……」
ブートキャンプで訪れるのは自然あふれる長野の田舎。流石に全クラスというわけにはいかないから、今日は1組から4組までの100人。先に学校に行った
「
声を掛けたんだけど、私を避けるように遠くに行ってしまう。
目的地まではバスで6時間。
「
「昨日眠れなかったみたいだから、このまま寝かせておいてあげたいかな」
「
目的地に着いてからも同じで、班ごとの昼食も
「ねえ、
「……」
話しかけても無言で立ち去ってしまう。でも、これって私がずっと
夕食は飯盒で御飯を炊いて、カレーを作るんだけど、料理が得意なはずの
担任が気付いてくれたのか、
夕食後の入浴は気の合う者同士が誘い合っていっている。
「心配だね、
「
「
「あら、どうしたの? 一緒に入りたいのかしら?」
「そうじゃないさ。
「まあ、そういうことにしておいてあげるわ。彼女には確認しておきたいこともありますから」
「確認?」
「ええ。女の子としてね」
「彼女を追い込むようなことは――」
「そんなことしないわよ。解ってるでしょ? 私のこと」
「そうだね。じゃあ、頼めるかな」
「ええ。任せておいて」
そう言い残して
「
「ああ。少なくとも君と同じぐらいには、ね」
「私は別に……」
家族として心配なだけ。それ以上でもそれ以下でもない。
「確認させてもらってもいいかな」
「えっ、何?」
「君と
「う、うん。勿論」
「それ以上の関係では無いと」
それ以上の関係って……
「ない、ない。絶対ない」
「そうか。良かった。気になってるんだ、彼女のこと」
「そんな気はしてたかな」
「といっても、今の彼女じゃなくて、初めて会った時の彼女にだけどね。誰にでも笑顔を振り撒く太陽のような存在に。だから、彼女の笑顔を取り戻したい」
「もっとも、警戒されてるみたいで近づくことも出来ないんだけどね」
「同じだね。私もなんだか避けられてるみたいで」
まあ、先に避けたのは私なんだけど。そんなことより――
「どうしよう……」
「どうかした?」
「いや、何でも」
「ほんとに? 顔色悪いみたいだけど」
「う、うん。大丈夫」
大丈夫じゃないよ、
それに、女の子同士なんだし、間違いは起こらない、よね? 間違い? 間違いって何? 女の子同士でもそういうのって……
ううー、どうしよう
何だろう、この気持ち。
「
「えっ、何?」
「心配事があるなら力になるけど」
「うん、大丈夫」
流石に
一緒に女風呂を覗きに行く? ないない。だめだよね、うん。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます