第28話 ジゼトルス攻防戦

俺の前で大剣と大盾を片手で持っている大男。どうやら俺がやらないといけないらしい。隊長らしいことをするとしよう。


「トードニー。」


「はい!」


「ここは俺に任せろ。他に行け。」


「ですがお独りでは!」


「任せとけ。」


「…………分かりました。ご武運を!」


俺の指示に従ってその場を去るトードニー。ここに二人居ては他の場所で押し込まれてしまう。それだけは避けるべきだろう。

それに、俺としては沢山いた方がやりやすい。


「武勇と無謀は違うぞ若造。」


「無謀かどうかはやってみなきゃ分からんだろ?ちょっと若造の力…見せてやるよ。」


腰を落として刀の柄に手を添える。

あまり使い所の無い技だと思っていたが、まさかこんな所で使う事になるとは…


龍封陣りゅうふうじん。」


足に力を込め壁へと飛ぶ。辛うじて目で追えるスピードだろう。あまり力を込めすぎると地面や壁が壊れてしまう。

壁を蹴りまた飛ぶ。それを連続で繰り返していると次第に目では追えなくなり、俺の姿を見失う。

そしてこれだけ密集していると、誰かの後ろに現れても気が付かない。


「がっ!!」


「なんだ?!どこだ?!」


「壁を蹴って飛んでおる!」


「そんなのどうしろって…ぐあっ!」


時間と共に数が減っていく国軍。


洒落臭しゃらくさい真似をしおって!!

ふんっ!!!」


見えていたのかどうかは分からないが、大剣が振られた場所はちょうど俺の軌道上。


体を回転させて大剣を避ける事は出来たが、足は止められてしまった。


「出てきたな若造。」


「流石に全部は無理だったか。」


「ふんっ!」


大剣が振り下ろされ、ズンッと激しい土埃を上げて地面を穿うがつ。

馬鹿力には自信があるらしい。


「どれだけ速く動こうと関係の無い事よ。」


「なんで兵士ってのは自分の防御力を誇るんだ?流行りなのか?」


「なに?」


「何でもいいけどよ。実は俺も力自慢でよ。悪いがここで退場してもらうぜ。」


「ふん。この鎧は斬れぬわ。」


ガンガンと鎧を叩き防御力を示してくる。別に斬るとは言ってないんだがな…


「オラァ!」


ゴンッ!斬りかかってくると思っていたのだろう。盾を構えていた大男の盾を思いっ切り

ベコッっという気持ちのいい音がすると盾がへしゃげて大男ごと通路の奥へと飛んでいく。

後ろに控えていた兵士達も巻き込めた。なんかこんな遊びがあった様な…


「あ!ストライーク!!」


仰向けに倒れる大男の盾はくの字に折れ曲がり、鎧も完全に凹んでいる。ぐったりとして動かなくなった大男を見て周りに残っていた兵士達が青い顔をする。


「さてと。次…行こうかね?」


「ひぃー!勝てるか!あんな化け物ー!」


剣を捨てて一気に引いていく国軍。


「ケン様がやったぞ!」


「うぉー!!」


ここぞとばかりにトードニーが戦果を大声で叫ぶと、残っていた兵士達も引いていく。

隊長らしき男の顔は無かったし、ここには来なかった様だ。他の部隊が上手く対処しているだろうし俺達は俺達の仕事をしよう。


「まだまだ第一陣を押し返しただけだ!さっさと位置を変えて第二陣に備えるぞ!」


「うぉー!」


ーー・ーー・ーー・ーー・ーー・ーー・ーー



「リン様!そろそろここも厳しくなってきました!」


「そうですね。そろそろ場所を変えましょう。」


私に声を掛けてきたのはシェアさんの部下の一人、エリル-イニトルさん。短めの白髪をした女性ハスラーの兵士。この第二部隊の副部隊長。


筋肉バカが奇襲を終えて路地に第一陣を引き込んだ後、直ぐに第二陣がやって来てその対応をしていたけれど、そろそろ私とリーシャの部隊だけでは抑え切れそうに無い。


無理をしてこちらの戦力を削られるより場所を変えて次に備えた方が良さそう。

真琴様の話では無理をせずに少しずつ後退しながら対処する様にという事だったし、後ろに下がろう。


「エリルさん!下がりましょう!次の地点に移動です!」


「はい!皆!下がって次の地点へ!」


指揮を取ったりするのは苦手。でもその辺はエリルさんがサポートしてくれているからなんとかなっている。そこでは楽をさせてもらっちゃっているわけだし、私はその他の所で力を使おう。


「出来る限り私が抑えておくので移動を急いで下さい!」


「リン様!私も!」


「エリルさんは皆さんに指示をお願いします!私も直ぐに合流しますから!」


「わ、分かりました!」


エリルさんは皆に指示を出しながら下がってくれる。


私は魔力量も少ないし、ここで無理をして後は役立たず。なんて事にはなりたくない。

私の魔力をあまり使わずに足止めを上手くできる方法を使わないと。


「ペインパドル。」


第三位虚構水魔法、この魔法は水溜まりを作る魔法。ただしその水溜まりは普通の水溜まりではない。水が付着すると皮膚ひふから入り込み皮下ひかを刺激する。

刺激すると言っても痛みはそれ程強くは無く本当に足止め程度のもの。それでも足止めにはなる。


「痛っ!」


「な、なんだ?!」


「いたた!足が痛い?!」


この魔法の足止め性能は高い。魔法によって痛みの原因となる魔法を取り除こうとしても効果が出ているのは皮膚ではなく皮下。ハスラー達が気が付くまで時間が稼げる。


「魔法か?!これ?!」


「おい!ハスラー!なんとかしろ!」


「やってるよ!でも効果が!」


「良いから早くしろ!前に進めないだろ!」


「そんな事言われたって!」


なんとか足止め出来そう。私もさっさと皆に合流しよう。


「これはこれは!誰かと思えばあの出来損ないではないか!」


皆に合流しようとしていた私を引き止めたのは何処かで見た事がある…気もする様なしない様な人。


「………誰ですか?」


「き、貴様私を覚えていないとは出来損ないにも程がある!ハムス家の嫡男イル-ハムスだ!」


青髪長髪。いかにも貴族の子供といった顔立ちに傷一つない綺麗な鎧とミスリルの直剣。多分今日が初陣ういじんで男を上げるまたとないチャンスだとでも考えたのだろう。

昔貴族の集まりの時にいた子供の一人…だろうか?覚えていないけれど…


「それで……何か用ですか?」


「なっ?!」


「私は貴方に用はありませんので失礼しますね。」


「貴様!」


スラリと抜き放ったミスリルの直剣が太陽の光を浴びてギラリと光る。


「私への侮辱許さぬ。だが安心しろ。殺しはしない。お前を飼ってやる。」


舌を唇に這わせ背筋がゾクッとする様な目を向けてくる。気色悪い。


「気色悪い。」


「なぁっ?!」


「あ。つい口に出てしまいました。あまりにも…あれだったので。」


「あれとはなんだ!?あれとは!

くそっ!馬鹿にしやがって!出来損ない如きさっさと片付けてやるわ!」


直剣に水弾を纏わせるハム。ん?イル?なんだっけ……ハムで良いか。

水弾を操り、それを攻撃のかなめとする戦い方。ただ、その水弾はあまりにもつたない制御で作られていて今にも消えそう。

今まで少し出来たからとめそやされて生きてきたのだろう。私とは正反対も良い所。

でも、そのお陰で今初めて思う事が出来た。


と。


出来損ないであればこそ努力してきたし、虚構魔法を使いこなす事も出来た。足掻いて足掻いて足掻ききった。

その結果が私とこのハムの差だ。


「どうした?!怖気付いたか?はっは!今なら特別に許してやっても良いぞ!一生飼ってやる!はつはっは!」


パンパンパンッ!


ハムの水弾が全て弾け飛ぶ。

大きな口を開けて止まるハム。自分の魔法に何が起きたのかさっぱり分かっていないらしい。


「どうしました?面白い顔で笑わせて油断を誘っているのですか?」


「な、何をした?!」


「普通に魔法で水弾を撃ち落としただけですが?」


「そ、そんなはずは無い!出来損ないに私の魔法を撃ち落とすなど!」


「貴方には虚構魔法など勿体ないですね。普通の魔法で十分。いえ。それですら贅沢かもしれませんね。」


「はっ!水弾を落としたくらいで調子に乗りやがって…うおぉぉ!!」


直剣を振り被って走ってくるハム。子供のお遊戯会かと思う様な剣技。完全に直剣に振り回されていて切っ先がフラフラと揺れている。

せめて自分の腕力に合う物を選べばマシになっていただろうに。


「うぉ?!」


走ってくるハムの足に木の根を絡ませるとビタンという擬音が聞こえてきそうな倒れ方をしてうつ伏せになる。

身の丈に合わないミスリルの直剣はカラカラと音を立てて私の足元に転がって来る。


「下さるのですか?ありがとうございます。」


「な、なにをっ!くそっ!離せ!」


水刃すいじんを作り出し木の根を切ろうとしているのだろうけれど、な魔法で私の木の根を切れるはずもなく、完全に無駄な足掻きとなっている。


「大人しく自分のテリトリーの中だけで生きていれば良かったものを…」


「ぐっ…くそっ!出来損ないのくせに!」


「安心してください。私に貴方を飼ったりする趣味は無いので、一瞬で終わらせてあげますから。」


「終わらせるって………い、嫌だ!死にたくない!やめてくれ!助けてくれ!」


「死ぬ覚悟も無いのに戦場に赴いた自分を恨んで下さいね。では。さよなら。」


私の作った水刃がハムの首を刈り取る。最後に何か言おうとしていたみたいだけど聞いてあげる義理も無い。


「リン様!皆引きました!」


タイミング良くエリルさんが後ろから移動完了の報告をしに来てくれた。


「行きましょう。」


「はい!」


下がっていく最中武器を捨てた兵士達が撤退していく所が見える。どうやら筋肉バカは上手くやったみたい。


負けてられないし第二陣の処理を始めよう。


第一陣からの情報を得た第二陣はそこまで容易に崩せない。となるとバリケードはどちらにしても壊されてしまう。

私達はバリケードを壊された先、大通りを東門の方へと下がった場所で待機する。

この大通りにはいくつも足止め、撃退する仕掛けを施してある。


大通りの防波堤は全部で三つ。第一の防波堤はバリケード。第二の防波堤は…


「リン様…あれって……」


「真琴様が呼び出した精霊。木の上級精霊のドライアドですね。」


「上級精霊…流石は漆黒の悪魔の異名を持つお方ですね…」


「当然です。」


「リン。こんな所におったのか。」


「はい。」


「マコト様からここの守りを仰せつかっての。わらわはここに来る兵士達を通さぬ様にすれば良いのだな?」


「はい。私達も近くに待ち伏せていますが…あまり必要無いかもしれませんね。」


有象無象うぞうむぞうの相手など、妾一人で十分。上手く働いてマコト様に褒めてもらわねばな!」


まったく!真琴様はまったく!なんで真琴様はいつも!上級精霊にさえ好かれるなんて!

まぁ真琴様の凄さはそんなものでは無いという事くらい分かっていますが!


「リン様?」


「…なんでもありません。私達は次の配置に着きましょう。」


「はい!」


エリルさんと共に配置に着く。バリケードもそろそろ限界。


ガラガラと音を立てて崩れるバリケードの奥に見えるのは第二陣の国軍。数は…数えるのも面倒な程にいる。その前に立っているのはドライアドただ一人。


「はっ!相手はたったの一人だと?!舐められたものだな!」


「人がいないだけでしょ!女ですよ女!ははは!」


「まぁ一応気を付けろよー。一応なぁー。」


「はーい!ははは!」


第一陣がほぼ壊滅している状況で何故そんなにも楽観的でいられるのか、私には謎でしかない。


「はぁ……マコト様……」


「だ、大丈夫なんですか?あれ…何か呟いていますが…」


「真琴様が指示を出している以上間違いはありません。安心して見ていて下さい。」


「はい…」


ドライアドは遠い目をしてなにやら呟いているみたいだけれど、仕事はきっちりこなしてくれるはず。


「はーい。前身前身ー。」


笑いながらダラダラと進んでくる兵士達。バリケードを越えてドライアドの方へと進んでくる。


「ふむ。やっと来たの。では始めようかの。」


ドライアドが掌を上に向けて上げる。


ズズズッと音がして第二陣を真っ二つに割るように大きな木の壁が出現する。

当然魔法は効きにくく物理攻撃で破壊しようにも数メートルに渡る厚さの木の壁をどう壊したら良いのか分からないだろう。


魔法部隊や弓兵等の後衛は完全に壁の外に分離された状態。これでは前衛に支援など出来ようはずもない。後衛陣は私達に任せたと言わんばかりの壁の作り方。真琴様の入れ知恵かな?


「私達は後衛部隊を叩きます!続いて下さい!」


「はい!」


国軍第二陣の前衛陣には多少同情する。上級精霊と同じ空間に置き去りにされ、しかもその上級精霊は敵だと言うのだから。


ドライアドが魔法を放つ度に悲痛に嘆く叫び声が壁の向こう側から聞こえてくる。真琴様がこの第二の防波堤は恐らく破られることは無いと言った意味がよく分かる。人の手には負えない存在という意味ではドラゴンとあまり変わらないのかもしれない。


「位置を変えつつ攻撃を続行して下さい!」


「分かりました!」


ーー・ーー・ーー・ーー・ーー・ーー・ーー



「シャーロット様。」


「ケン達の状況はどう?」


「第一陣に打って出た後奇襲にてリン様とリーシャ様が敵兵力に多大な損害を与えた模様です。」


「そろそろ来るかな。」


「ですが…本当によろしいのですか?シャーロット様をおとりにするなど…」


「大丈夫。私は死ねないから。」


「それは聞いておりますが…」


「心配いらない。そもそも怪我を負うつもりも無いから。」


私の事を心配そうに眉尻を下げて見ているのはポリエル-ナンタリム。私の統括している第三部隊の副部隊長をしている。黒髪セミロングの細剣使いの女性兵士。

私が吸血鬼と聞いても眉一つ動かさなかった彼女が、私が囮になると言ってから既に三回は大丈夫かと聞いている。

言葉遣いや態度は堅苦しい所も多いけど、自分の事よりも人の事を心配する姿はどこかテポルを思い出させる。


「ポリエルさーん!シャーロット様ー!第一陣が来ます!」


「分かりました。それでは配置に着いてください。私とシャーロット様はこのまま囮になります。」


「ポリエル。ダメ。あなたも下がって。」


「ですがシャーロット様お独りで矢面やおもてに立たせるなど!」


「ポリエル。私にあなたを守らせて?」


「シャーロット様……」


「もう二度と優しい人を目の前で奪わせたりしない。」


「……分かりました。ですが、何かあれば直ぐに駆け付けます!」


「ありがとう。」


何かを察してくれたのか、ポリエルはきびすを返して私から離れていく。


「突撃!突撃ー!」


大通りの方から声が聞こえてくる。私は戦闘に備えて体の魔力を操作し、大人の姿に変わる。

最初はあんなにも苦戦したいたこの魔力操作にも大分慣れてきた。


「隊長!人がいます!」


「ここに居る者は全て敵だ!斬れ!斬り捨てろ!」


「はっ!」


私がここの住民だったとしても多分同じ命令を下していただろうと思う態度。

抗う力の無い人を力でじ伏せるやり方には本当に腹が立つ。

いつも強者は弱者を潰そうと必死になり、弱者は強者から目を付けられない様にひっそりと身を隠す。それはいつの時代も、どんな種族でも変わらない。


唯一そのことわりから逸脱いつだつし、弱者の為に泣く強者。それがマコト。

そのマコトの事を散々蔑んで来た人達が、今、マコトと正面を切って戦っている。

騙し、陥れ、虐げてきた者達が今目の前にいる。

ならば何を躊躇うことがあるというのだろう。私に生きる価値を与えてくれたマコトの敵は全て私の敵だ。


バチバチと爆ぜる赤雷せきらい。ギーギーが教えてくれた本当の雷魔法。


「なんだ?赤い雷魔法?」


「赤かろうが青かろうが関係ない!相手は女ただ一人!突撃ー!」


「うぉー!」


馬鹿の一つ覚えの様に突撃突撃。あの隊長に従う兵士達も可哀想に。でも、手加減はしない。


一層バチバチと激しく爆ぜる赤雷が大槌の形へと姿を変える。


第八位雷魔法、赤雷の大槌おおづち。単純に赤雷が大槌の姿を型どった物だけど、その威力は尋常とは言えない。2mは有ろうかと言う巨大な大槌がどこかに振り下ろされたその瞬間、付近に波及はきゅうする赤雷に触れても、簡単に命を奪う。


「あががががっ!」


ビクビクと体を痙攣けいれんさせる兵士達。直撃した者は声も出さずに死んだ。


「なんだあれは?!」


「隊長!どうしたらいいのですか?!」


「と、突撃だ!それ以外に道はない!」


「そんな…あんなのに勝てるわけ…」


「敵前逃亡は死罪だ!分かったらさっさと数で押さえ込め!」


「今です!」


「なんだ?!伏兵か?!」


「ぎゃぁ!」


「くそっ!騙したな!?」


「誰も仲間がいないなんて言ってない。それにそんな事も想像できない残念な自分の頭を恨むべき。」


「ぐっ…言わせておけば…

行けぇ!構わず突撃しろ!」


「う…うわぁーー!!!」


バチバチッ!


策も無いのにただただ突撃してきても一度目と同じ結果に終わるだけ。一気に兵の数が減り、残るは数人と隊長とかいう男だけ。


「……おい!お前!足止めしろ!我々は第二陣に援護を求めてくる!」


「私ですか?!そんなっ!」


「ええぃ!良いから早くしろ!」


馬上から兵士の一人を足で蹴りつけて前へと蹴り出す。

隊長からの死刑宣告という事らしい。


「は……はは……無理だ…そんな事俺には…」


「残念だけど逃がすつもりは毛頭ないよ。」


人差し指を逃げようと必死な隊長様に向け、サンダーペネトレイトを放つ。


バチッ!


「ぐあぁあぁあぁあ!!」


目の前にいる取り残された兵士の横を光速で走り抜ける赤雷。隊長は全身鎧を着ているから全身隈無くまなく感電する。馬は可哀想だったけど隊長とやらを逃がすわけにもいかない。

隊長と共に逃げた連中も私の部隊がしっかりと仕留めた。


「あなた。まだ戦うの?」


一人取り残された兵士に問う。


慌てた様に武器を地面に落とすと降参とばかりに両手を挙げる。膝はカクカクと笑って既に戦意は無い様子だ。


捕虜ほりょになるけど死ぬより良い。素直にポリエルに従ってくれれば殺したりしない。」


首をコクコクと縦に振った兵士はポリエルの指示の元東門の方へと連行された。


マコトの話では第二陣が敗れた時点で、教会が参入してくる可能性が高いらしい。大通りの方では多分第二陣とドライアドが暴れている。正確にはドライアドだけが…悲鳴が聞こえてくるし。

フィルリアとプリネラが上手くやってくれているはずだから、私達は次の待ち伏せの位置に向かうとしよう。

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