第33話 弥生の思い
俺は自分の部屋に行き、睦月と如月となか弥生を見つけた。
「あのさ、弥生…」
「外で話そ」
俺は弥生に案内されるがまま、外に出た。
ここは俺がまだ見たことのない場所だ。周囲が海に囲まれていて、歩くと周りが空気に包まれ、海の中でも呼吸ができる。
「ここ見たことないけどよく知ってたな!」
「そうだね。ここは日替わりで変わるんだ。昨日は動物園。おとといは遊園地だった」
「そうなんだ。でさ…本題に入りたいんだけど…」
「どうせ父と仲直りしろって言うんでしょ。私は嫌だよ。父とは仲直りなんてしたくないんだよ」
そうだろうな。仲直りなんて簡単にできるものじゃない。だけど…卯月さんは反省している。だからやり直させてあげたい。
「弥生。お願いだ。卯月さんは反省している。弥生に謝りたいと思ってる。だから、せめて謝らせてあげてくれ」
「私さ、父はいつも父が嫌いなわけじゃない。だから遊園地とかに行って父のことを思い出したりするんだよ」
弥生は寂しい顔で言った。
「でもさ、いざ会ったら何も話せない。実は昨日会ったんだ。だけど私は逃げたんだ。だからもう無理なんだよ。父と仲直りするのは」
どうすれば…。どうすれば弥生と卯月さんを仲直りさせられるんだ?
俺には分からない。分からないよ。
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