第32話 父の不器用な気持ち

俺は弥生を何度も説得したが、弥生は協力してくれなかった。仕方なく一人で弥生の父に会いに行った。


「初めまして。実は、ミッションで澤村卯月さんの悩みを解決しろっていうので…」


「そうか。じゃあ部屋に来てくれ」


俺は部屋に案内された。弥生の父とはいっても、芸能人なので緊張する。


「さあ、遠慮なく座ってくれ」


俺はそばにあった椅子に座った。


「では、相談してもいいかな?」


「はい。遠慮なく」


卯月さんは俺に悩み事を打ち明けてきた。


「実はね、娘が一人いるんだよ」


弥生のことか!


「でもな、俺は娘に良いことを何一つしてやれなかった。仕事のストレスを全て娘にぶつけてきた。だけど本当は愛情を注ぎたかった。優しくしてやりたかった」


卯月さんだって苦労しているのか。


「だからさ、許してもらえなくてもいい。だからもう一度だけ会って謝りたいんだ」


卯月さんは後悔しているんだ。でも弥生にはその気持ちが伝わらない。だから父は苦労するんだろうな。


「すまん。今のは忘れてくれ」


「いいえ。私があなたのその悩みを解決します」


そして俺は卯月さんの悩みを解決するため、弥生に相談しに行った。

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