第28話 澤村弥生

俺は2階を隅から隅まで探した。だが見当たらない。確か如月の時も同じようなことが…。


俺は自分の部屋に向かった。そして扉を開ける。


澤村弥生は首を吊ろうとしていた。


俺は急いで澤村弥生を止め、自殺を阻止した。


「何で? 何で私の邪魔をするの?」


「邪魔って言われれも…誰かが目の前で死にかけてるのに、それを止めない奴がどこにいんだ」


「違う。私は死にたいんだよ。生き返りたくないんだよ。学校ではいじめられ、家に帰れば親のストレス発散のため、虐待を受け続け、そしたらいつの間にか死んでたんだよ。だから生き返りたいなんて思わない」


澤村弥生は辛いんだ。なら救ってやりたい。この世界は悲しく、思い通りにいかないことばっかだ。


神に願っても、結果は変わらずただむなしいだけ。だから自殺は無くならない。だから悲しみはなくならない。


「弥生!」


弥生は既にいなかった。


そしてもう3時間が経った。


多分今日見つけられなかったら、あの子は苦しんだまま死ぬことになる。


せめて、たった一瞬でも幸せを味あわせてあげたかったのに。彼女を笑わせたかったのに。こんなんじゃ、彼女は誰にも心を開かない。


だから絶対に死なせない。

俺が弥生を笑わせてみせる。


ミッションクリアまでの残り時間

<10時間>

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