第27話 生き返れ
俺は急いで澤村弥生が首を吊っていたロープを取ったが、澤村弥生の意識は戻らない。
「人工呼吸」
「え!?」
「私が人工呼吸をする。だから、三月をここで脱落させはしない」
如月は慣れた手つきで澤村弥生の蘇生をやっている。
「ねえ三月お兄ちゃん」
「何だ? 睦月」
「如月はね、昔車に引かれたんだ。その時に人工呼吸などの蘇生術を施してもらった。だから如月は蘇生術について詳しいんだ」
だがもし生き返らなかったら…。
「ゲホッゲホッ」
お…起きた!
俺は澤村弥生のそばに駆け寄り、生きていることを確認した。
「弥生。初めまして。俺は三月れい。そしてこちらが如月。そして睦月だ」
「あれ…。死んだはず…なのに」
弥生は悲しがっていた。きっと死にたかったのだろう。
「弥生。これからは俺らが友達になってやるから。だから死なないでくれ」
弥生は何も言わず部屋を飛び出した。
「追う?」
「もちろん。悩んでる奴がいたら、俺が本気で救ってやりたい。だから弥生は死なせない」
俺も部屋を飛び出し、弥生を探す。
「三月。私らも…探すわよ」
「そうだよ。三月お兄ちゃんのために探すんだよ。だって如月は三月お兄ちゃんのことが…」
「ば、バカ。私は三月のためじゃなく、弥生ちゃんのために探すだけだから。くれぐれも勘違いしないでいただきたい」
やっぱツンデレだな。
「じゃあ俺は2階を探す。お前らは1階を探してくれ。…あと…ありがとな」
「なーに?三月お兄ちゃん」
「べ、別に。それより探すぞ」
「「おーー」」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます