第24話 睦月お嬢様
俺は睦月薫の部屋のドアをノックする。
「あの、睦月さんいますか?」
するとドアが開いた。そこには小学生くらいの女の子が立っていた。
「あの…俺は三月れいと申します」
「で、何の用?」
なかなか生意気な態度だ。
「実は…」
俺はどうせ子供はハイハイして、とかそういう子供らしいワガママをしてくるに違いない、と思い、カードを睦月に見せた。
「なるほど。今日のミッションが私のワガママを聞けってことか。それなら…私の遊び相手になって」
「え!?」
「ちょうど暇してたのよね。だから、いいでしょ?」
意外と楽な命令だった。まあでもそれが子供か。
「ちょっと、速く部屋に入りなさい」
俺は部屋に入った。
「じゃあとりあえず、肩揉んでくれる?」
遊び相手じゃなかったのかよ。
「いいよ」
俺は嫌な感じを全く見せず、睦月の背後に行き、肩を揉んだ。
「それよりあんた、貧乏だったでしょ?」
まあ確かに金持ちではなかったし、それに父は早くに死んで、母子家庭だった。だからあまり贅沢はできなかった。
「何で、分かるの?」
「だってあんた、その服に慣れてないんだもん」
「慣れる?」
「まず肩の部分が妙に膨らんでる。それはその執事服に慣れてない人がよくやるの。それに靴下を常に伸ばしてない。これは習慣が無いから。つまり庶民だから」
「まさか…睦月って…」
「そうよ。睦月財閥のお嬢様です。多分あなたが生きてる時に使ってた物のほとんどは睦月財閥の商品よ」
「えーー!?」
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