第21話 じゃれ合い

俺は如月を探して2時間が経った。


「駄目だ。見つからない。どこへ行ったんだ?」


俺は諦めかけていた。そんな時、


「どうしたんじゃ?」


お爺さんが話しかけてきた。よく見るとそのお爺さんは雪山の洞窟で話しかけてきたお爺さんだ。


「実は…今日のミッションで如月っていう女の子と仲良くならなくちゃいけないんです」


「ほほう」


「それでその子が逃げちゃって…」


「それは災難じゃのう」


「それでどうすればいいか…」


「落ち込むな。少年よ。人生にはこんなピンチな状況などいくらでもある。だから諦めてはいけない」


「ですが…」


「大丈夫。きっと如月という女の子は見つけてほしいんだ。きっとその子は今も寂しがってる。君とあそびたいんだ。だから、速く見つけてやれ」


なぜかこのお爺さんの言葉は勇気をくれる。


「ありがとうございます。じゃあ探してきます」


俺は諦めず如月を探しに行った。


「全く。世話のかかるガキドモだな。わしも、青春をもっと楽しめばよかったな」


そしてお爺さんは今日のミッションをクリアした。


【今日のミッション

・困っている少年に助言をせよ】


俺は6時間ずっと探し続けた。残りは7時間程だ。それまでに見つからなければ、俺はいおりに再会できない。


俺は庭などもずっと探した。でもいない。


「如月。どこだー」


もちろん返事はない。


「君。どうかしたの?」


若いお兄さんが話しかけてきた。20歳といったところだろう。花に水をあげている。


「女の子見ませんでした? 中学生くらいの」


「いや。朝からここにいるけど見てないよ」


ずっと外にいるこのお兄さんさえ見ていないんだ。じゃあどこに…?


俺は考え、思い付いた。


「きっとあそこだ」


お爺さんは言っていた。如月は寂しがってると。

お爺さんは言っていた。如月は俺と遊びたいのだと。


なら…ここだ。


「見つけた。如月」


ミッション成功までの残り時間

<7時間4分32秒>

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