地獄編
第18話 死後の世界
俺は死んだ。
いおりとの関係が複雑なまま。
はぁあ。死んじゃったな。でもこれでいいんだ。いおりを救えたんだから。
「ああ。ああ」
声は出る。じゃあ生きてるのか?だが思い通りに動けない。
「そこの少年」
「ん!?」
声が聞こえた。なぜ天国に? ああ。これが神様って奴か。
「君は神様の手帳を勝手に使った。それは許されない行為だ」
「神様の手帳? なんだそれ?」
「人の心を操れる手帳のことだよ」
「は!」
神様のいう"神様の手帳"とは多分、いおりと繋がる原因になったもので、そして俺の青春を苦しませた原因であるものだ。
神様の手帳には悲しい思い出。苦しい思い出。泣かされた思い出。たくさんの思いが積もってる。そんな複雑な手帳だ。
「お前には罰を与える」
「罰?」
「ああ。あの手帳を悪用した罰だ」
神様がそう言うと、自分の体がはっきりとし、気付けば裸で神様らしき者の前で立たされていた。
「君の名は…三月れい。なるほど。高校生ならあの手帳を悪用するのも無理ないな」
「違うんです」
「まあ証言者がいる。来い。
神様が呼ぶと、美しい女性が上から降りてきた。
「誰だ?」
「君が手帳を奪った相手だよ。奪っておいてシラをきるのか?」
まさか…多分この天照とかいう女が嘘をついて手帳を落としてない風にしたんだろう。神様も嘘をつくんだな。
これじゃ逃れることは出来ない。なら認めるしかない。
「俺が…やりました」
俺は認めた。
「檻に入れろ。明日、処刑を開始する」
俺は檻に入れられた。そして処刑が開始する。
「これより、三月れいの地獄巡りを開始する」
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