第13話 後悔

俺はいおりからの告白を断った。


多分岡嶋さんと付き合ってなかったら…俺はオッケーしていただろう。だけど…岡嶋さんを裏切るのは…駄目だと思う。


苦しいな。


俺はいつも通り学校に登校していた。


「次は美術だから美術室だぞ」


俺は遅れて一人で美術室に向かった。階段を曲がろうとすると…


「いおり!」


ヤバイ。気まずい。


いおりは走ってその場を立ち去る。


俺は思った。これで俺の青春は終わってしまうのか…。


昔から好きだった岡嶋さんと付き合えたはずなのに…。それなのに…。


俺は複雑の心境で美術の授業を受ける。俺は遅刻したので、君月きみづき先生という女教師にマンツーマンで教わった。


「はい。今日は大切な人にプレゼントを創ってもらいます。れいくんは大切な人、いる?」


ここでこの質問か。


「好きな子が…います」


そういうと君月先生は少し驚いた。が、すぐに話を続けた。


「じゃあその子のことを考えて」


俺は自然といおりのことを考えてしまう。


駄目だ。俺は自分の心を押し殺し、岡嶋さんのことを考える。


「君、何か悩んでる?」


「え!?」


君月先生の唐突な質問に、俺は少し困惑した。


「そりゃ悩みますよ。青春してれば」


俺は苦く笑った。


「そうだね。このくらいの子はよく悩む。ならその悩み、私に相談してみない?」


「いえいえ。大丈夫です」


「こう見えて、私は聞き上手だよ」


「いや知らないですよ!」


「まあ悩み事があったらいつでも相談してきな。どんな相談にものるから。それに大まかな予想はついてるし」


「え!?」


この先生ってなんでこんなに俺に詳しいんだ?


今日はこのまま帰った。


そして次の日の朝、俺は君月先生のいる相談室に向かった。

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