第11話 再開

俺は岡嶋さんと遊園地に向かった。


「れーい。楽し?」


「も…もちろん」


忘れろ。


次はジェットコースターに向かった。


「コーヒーカップにしようよ」


「もう…速く速く」


俺は引っ張られ、無理やりジェットコースターに乗せられる。


「きゃああああ」


「超ウける。大丈夫?」


と言われ岡嶋さんはコーヒー缶を渡してきた。


「どう? 優しいっしょ」


「うん…優しいな」


忘れろ。


次はメリーゴーランド。


「待てぇ。れーい」


「捕まえてみろよ」


忘れろ。


最後に観覧車に乗った。


「もう閉園だね…。楽しかったよ」


「ああ。そうだね。岡嶋さん」


しばらくの間、俺らは夜景を静かに眺めていた。綺麗だった。こんな綺麗な夜景を眺めたら、もうどうでもよくなっちゃうよ。


「岡嶋さん。ありがと」


「こちらこそ」


俺達は最後のメリーゴーランドを楽しんだ。


「じゃあ帰るか?」


「じゃあね」


「バイバイ。れーい」


俺達はそれぞれの家に帰った。


遊園地を出ようとした時…女の子が立っていた。この寒い夜の中、一人寂しく…


俺は通りすぎようとした…


「れい」


「いおり…!」

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