第9話 花

いおりはいつでもそばにいてくれた。下校中も、授業中も、風邪を引いた時も。そんな彼女だったから俺は今でも好きなんだ。


でも…これは手帳の力であって自分の力じゃない。ごめんよ。いおり。


俺は扉を開け、いおりに全てを話した。


「いおりは本当は俺の事が好きじゃない。それにお前にはもっとふさわしい恋人がいた。だは俺はお前らの関係を興味本意でぶち壊した。最低なんだよ俺は。ゴミみたいだろ」


「れい…くん?」


「この手帳を見てみろ」


俺は俺といおりの名前を書き、ハートで囲んだページを見せる。


「どうだ? 所詮俺とお前は結ばれる関係じゃなかった。それだけだ。だから今からお前と元カレの関係を戻してやる」


そう言い俺は二人の名前を書き、ハートで囲んだ。


いおりは帰っていった。


これでいい。これは正解なんだ。でもなんでかな。涙が止まらない。


「さようなら。愛しきいおりよ。愛してる。これからもずっと…」

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