第9話 花
いおりはいつでもそばにいてくれた。下校中も、授業中も、風邪を引いた時も。そんな彼女だったから俺は今でも好きなんだ。
でも…これは手帳の力であって自分の力じゃない。ごめんよ。いおり。
俺は扉を開け、いおりに全てを話した。
「いおりは本当は俺の事が好きじゃない。それにお前にはもっとふさわしい恋人がいた。だは俺はお前らの関係を興味本意でぶち壊した。最低なんだよ俺は。ゴミみたいだろ」
「れい…くん?」
「この手帳を見てみろ」
俺は俺といおりの名前を書き、ハートで囲んだページを見せる。
「どうだ? 所詮俺とお前は結ばれる関係じゃなかった。それだけだ。だから今からお前と元カレの関係を戻してやる」
そう言い俺は二人の名前を書き、ハートで囲んだ。
いおりは帰っていった。
これでいい。これは正解なんだ。でもなんでかな。涙が止まらない。
「さようなら。愛しきいおりよ。愛してる。これからもずっと…」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます