第2話 告白?

俺はこの手帳を信じることにした。


だって沖島さんには彼氏がいる。その彼氏に男とは話すなと言われている。なのに俺に話し掛けてくるんだ。


確かに俺は普通の人よりはかっこいい顔だし、性格もそこそこ良く振る舞ってる。

でも沖島に話し掛けられるほど仲良くない。

これを手帳の力じゃない訳がない。


「沖島さん。彼氏に男と話すなって言われてるんじゃないの?」

「彼氏とは…別れた」


!!!


これは予想以上の展開だ。


「昨日メールで解れようって言ったんだ。だから別れたの」

「何で…別れたの?」


「だって…好きな人ができたから」


まさかその人って…


「私の好きな人は…三月くん。君だよ」

「えっ!?」


えーーーーーーーーーーーーー。


思った以上に展開が速すぎた。

普通はもっと仲良くなって、それから飯とか行って告白かと思ってたけど…


「私、何で好きになったのか分かんないけど…でもさ、それが本物の恋ってやつなんじゃないかなって思ったんだ」


この手帳にこれほどの力があったとは…


「だから…私と付き合ってよ。急かもしれないけどさ…好きなんだ」

「沖島さん。俺も好きだよ。だから……」


ちょっと待て。本当に良いのか?

俺と沖島さんが付き合えたのはこの手帳のおかげなんだ。だからもともと俺に好意など無かった。


「どうしたの? 三月くん」


沖島さんは不思議そうにこちらを見つめてくる。本当なら沖島さんが俺を見るなどあり得なかった。それが今では至近距離で見つめてくれてる。


考え直せ、俺。今何をするのが正しいか。

こんな結果など誰も望んでいないんだ。


どうする。どうする。どうする。


考えても分からない。


「また放課後聞かせてよ。告白の応え」


沖島さんは教室に戻った。


俺は一旦冷静になる。

これは正しい結果じゃない。それは自分が一番分かってる。でも…好きなんだ。


でも…真実を伝えるんだ。だから…


そして放課後を向かえる。


「応え…聞かせて」

「付き合おう……………えっ!?」

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