第13話
荷物を持ち教室を出ると、ちょうどリゼとイーシアと鉢合わせた。二人ともどうやら俺達を誘いに来たらしい。
「ちょうどよかった、シロノア!食事に行くわよ!」
「ヘインも皆さんも、ご一緒にどうですか?」
予想通り二人に誘われる。白ネクタイに加えて見目麗しい二人が衆目を集めない訳もなく、朝と同様に周囲のクラスメイト、さらに他属性の人達にも注目されている。
「別に良いけど、俺達今から食堂に行くつもりだったんだ。イーシアが言うのは外だろ?」
「あら、そうなの。じゃあ食堂にしましょう」
「良いですね。実は行ったことがなくて、一度行ってみたかったんです」
リゼは流石に貴族だけあって食堂を利用したことがないのか。確かに一部の貴族の間では食堂なんて安価な施設を利用すると貴族の威厳にケチが付くと言われいるそうだから、そう言った理由で行ってなかったのかもしれない。だとすると、今俺達と一緒に行っても大丈夫なのだろうか。
「大丈夫ですよ、そんなの私は気にしていませんから」
そう思っているとリゼは俺にしか聞こえないように小声でこう言ってきた。
「……しれっとその魔法使うのやめろって」
「ふふふ、考えておきます」
こちらも同様に返す。
彼女のユニークスキルの一つ、マインドリーディング。危険な魔法なのでそれに必要な例外指示は隠匿されており、先天的に使い方を知っているものしか使えない秘術だと師匠に聞いている。彼女も普段はそれを使用せず使える事自体秘匿しているが、昔から俺にだけは躊躇無く使ってくる。なんなんだよもう。まあ、別にいいけど。
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