第11話
とは言ったものの、実は基本指示外にある、「自身の魔力を世界の魔力と繋げる指示」及び「自身の基本指示の効率を上げる指示」という例外指示を使えばどんな魔法でも発動できる。
生まれ持った素質自体も現実改変である魔法によって書き換える事はできるからだ。
もっとも、一朝一夕でこの例外指示が出来るようになるわけではない。
例えるなら、基本指示が「自分の2本の腕を動かすこと」だとするとこの例外指示は「自分に生えている観測できない3本目の腕を認識して動かせるようにする」ようなものだ。
魔法適性は個々人の持つ遺伝子に由来するが、肉体が保有するのではなく魂に紐づけられている。目には見えない、自身の魂という実態のない存在を書き換える為には特殊な訓練が必要だ。俺はこの例外指示が使えるようになるまでそれぞれ半年かかった。師匠にこの例外指示に関しては類い稀なる才能があると評されてこれだ。自分で言うのもなんだが、普通の人なら習得する為にそれぞれ30倍はかかるだろう。
この例外指示を基本指示の前に挟む事により、自分の魔力量を実質無限大にしたり、基本指示の効率を極めて上げたりすることが出来るため、どんな魔法でも扱える。実際それができたのが学院に入る前の俺だった。
しかし、これは俺と師匠しか知らない事である。この事を公開してしまうとこの社会のバランスが崩壊してしまうためだ。
師匠は孤児の俺に生きる術としてこの例外指示を教えてくれた。勿論理論だけでは行使出来ないため、その実行のためには血の滲むような努力を有したが。
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