第2話
王立魔法学院。それは、魔術師が国中のインフラを担うこの国に置いて、社会制度の維持の為に王が設立した魔術師の育成施設だ。
出生した人間は全て生まれた時から把握され、義務教育である幼年学校時代に魔法の適性が基準以上有るとみなされた人物は強制的に魔法学院への進学となる。
強制と言えどもこの国において魔術師の待遇は高く、魔法学院の学費や寮の居住費は国が負担する為、嫌がる人はほとんどいない。むしろ、そこへの入学に憧れるものも多い。
しかし、魔法は全て生まれ持っての素養で決まると言われている。入りたくて入れる場所ではない。
学院ができて既に1000年近くになる。魔法の素質を持った人間は殆ど学院がある城下町に集中し、それ以外の地方から入学してくる生徒は僅かとなった。
伝統的に優遇され続けた魔術師はやがて貴族となり、今では学院の生徒のほとんどは貴族の生まれ。
それが今の王立魔法学院の現状だ。
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