第46話 ローレンシア歓喜祭まであと61日(9月30日)

 ジアースとミュウは朝起きた。

ジアース:ミュウ。今日はいよいよ知力テストだな。

ミュウ:うん。で、会場に1万人来て、その中から1000人が合格者ね。

ジアース:だが、最下点が同じで1000人ぴったりにならなかったら?

ミュウ:その時はくじ引き。

ジアース:なるほど。で、ミュウの今日の予定は?

ミュウ:でも知力テストの運営は下のものにやらせて、今日は私の仕事はオーディション選考よ。ジアースは?

ジアース:俺は夕方はオーディションの打ち合わせだが、それまでは、いろいろやろうと思っている。

ミュウ:ふーん。

ジアース:で、午前はザバン様のところへ行くことになっている。

ミュウ:なるほど。

ジアース:ミュウ。一緒に朝ごはんを食べよう。

ミュウ:そうね。

と、二人は王宮の食堂へ行った。そこにはリリィとキサンがいた。


ミュウ:リリィにキサンもご苦労様。

ジアース:でも、朝に食堂にいるのは何故だ?

リリィ:コンサートのオーディションのため、今は王宮内に泊りがけです。

ジアース:なるほど。

キサン:で、ジアース様。オーディションの司会の件ですが。

ジアース:それは、夕方にそっちへ行くから、その時にまとめて聞くよ。

キサン:わかりました。

リリィ:でも、ガイ様とサハリンさんは仲がいいですね。

ジアース:そうか。うまくいっているのか。

ミュウ:でも、わからないものね。お兄様とサハリンが本当に結ばれるかもしれないことは。

 と、4人は朝食を食べ終え、それぞれの場所へ行った。ジアースはザバンのところへ行った。



ザバン:おおジアースよ。よく来た。

ジアース:進言したいことがありまして。

ザバン:何だ?

ジアース:王位継承の件ですが、ガイ様とミュウとノルワーと私は次の王が2人でもいいという考えです。

ザバン:そうなのか。それは本当なんだな。

ジアース:はい。

ザバン:それは本当に王が2人だとしても大丈夫かもしれん。しばらく様子を見て、その方向でいくように考えよう。

ジアース:はい。では、私はこれで失礼します。

 と、ジアースは、ザバンの部屋を出た。


ジアースは次はローレンシア大学へ行きバイオロ教授と会った。

ジアース:バイオロ殿。どうですか?

バイオロ:たいへんでしたが、今日中にもまとめます。

ジアース:で、何か工夫はしましたか?

バイオロ:ええ。ジアース殿は言われたとおり、実験器具の販売、実験実技を行なうことにしました。

ジアース:あと、バイトテクノロジーについての本を売るというのはどうですか?

バイオロ:そうですね。そうしましょう。

ジアース:もちろん、生物学、生化学などの分野も含めましょう。

バイオロ:はい。それがいいです。

ジアース:あとは、何か思うことは?

バイオロ:はい。博覧会の場所が、ゴンザルというのは、ちょっと不便です。ローレンシア大学と距離があります。

ジアース:それは我慢して下さい。

バイオロ:それまではしょうがないですな。

ジアース:ですが、ゴンザルは悪くはないですよ。

バイオロ:シャムルルほどの便利さはないのでは?

ジアース:ですが、博覧会ときっかけに町が活性化されます。活性化されれば人は集まり、人が集まれば店もそれをターゲットにして増えます。

バイオロ:しかし、博覧会でそこまで行くのでしょうか?

ジアース:いえ、博覧会は町を活性化させるための因の1つです。他にもいくつかの要因を作る予定ではいます。

バイオロ:例えば?

ジアース:デパートなどです。

バイオロ:なるほど。

ジアース:ですが、今は歓喜祭に集中しようと思います。

バイオロ:それがいいでしょう。

ジアース:ところで、バイオロ教授。ローレンシア大学はどうですか?

バイオロ:いやー。人材がそろっていますね。

ジアース:だが、大学の中に、他国でいう、小学校、中学校、高校があるのにはどう思いますか?

バイオロ:私は、勉強を年齢に合わせるのではなく、能力に合わせることは賛成です。

ジアース:また、学生をやりながら仕事ができるのも非常にいいと思いますが。

バイオロ:本当によくできていますね。

ジアース:学生結婚もあり、恋愛に規制を入れないのは、人として自然な姿でしょう。

バイオロ:そうですな。

ジアース:で、バイオロ殿は医学の世界に対する老いのプロセスはどう思いますか?

バイオロ:老いですか。私はもう60近いですが、体の老いはいやなもんですね。

ジアース:で、老いに対する対抗する手段とはなんだと思いますか?

バイオロ:はい。老いには時間と深く関係しています。また、遺伝子とも深いかかわりがあります。対抗手段があるとすればそこでしょう。

ジアース:なるほど。

バイオロ:また、細胞の寿命とも関係があると思います。

ジアース:なるほど。で、細胞の寿命は物質で変わることはあるのでしょうか。

バイオロ:あります。細胞も化学反応と同じですので。

ジアース:いやー。思わず語ってしまいましたな。

バイオロ:そうですな。

ジアース:また、私は化学反応と感覚についても考えていますが、バイオロ殿はどう思いますか?

バイオロ:正直、感覚は物質によって左右されていますが、根本を変えるのは物質ではなく、ダークマターです。この当たりも研究しています。

ジアース:なるほど。ということは、神経科の薬は処方としては間違っていると思いますが。

バイオロ:私もそう思います。神経科の薬は毒です。ただ、病を抑える方法がないのです。

ジアース:気功では駄目ですか?

バイオロ:確かに副作用はありませんが、気功を一般化させるには、気功師を増やすしかありませんが、気功と同じものがあればと思っています。

ジアース:なるほど。そのヒントは植物にあると思っています。

バイオロ:なるほど。ジアース殿の発想力には感服します。

ジアース:また、バイオの医療機器の発明も考えるのもいいのではと思いますが。

バイオロ:私も、そう思います。

ジアース:いやー。思わず語ってしまいましたな。

バイオロ:はい。

ジアース:では、私はここで切り上げさせていただきます。

バイオロ:わかりました。

 と、ジアースはバイオロと別れ、次はアシモフのところへ行った。


ジアース:アシモフ教授。どうですか?

アシモフ:いやー。ロボットは面白いですよ。

ジアース:そうですか。で、博覧会で売るロボットの生産は決まりましたか?

アシモフ:はい。博覧会の売買関係は部下に任せています。

ジアース:そうですか。

アシモフ:しかし、私は、ロボットが生活の中に入れば、便利な世の中になると思いますが、逆に人間がだめになってしまうという、危惧もあります。

ジアース:ただ、時間がない人にとってはロボットはありがたい存在です。

アシモフ:確かにそうです。

ジアース:ロボットができたら、人はロボットを使って商売を始めるでしょな。

アシモフ:はい。

ジアース:だが、ロボットの世界から見た人間というものは、数多くの矛盾を感じるでしょうな。

アシモフ:そうですな。

ジアース:ロボットの世界に嘘は通じませんからな。

アシモフ:そう。間違いがなければエラーを起しますからな。

ジアース:しかし、私はロボットの脳と人間の脳は同じになることはないと思いますが。

アシモフ:それは、そうでしょう。物質が違うから性質が違うのは当然です。

ジアース:ですがロボットの世界から違うこの世を見たときに新たな発見はあると思います。

アシモフ:私もそうなることはあると思います。

ジアース:ところで、博覧会の進行具合はどうですか?

アシモフ:はい。順調です。

ジアース:では、問題ないようですので、今日はこれぐらいにしますか。

アシモフ:はい。

 と、ジアースは王宮へ戻った。


昼になったので昼食を食べに王宮へ行った。そこにはミュウがいた。

ジアース:ミュウじゃないか。

ミュウ:うん。

ジアース:どうだ。調子は。

ミュウ:まあまあ。

ジアース:ガイ様の様子は?

ミュウ:お兄様が、あそこまで王国の仕事に真剣になっているのは、初めて見た。

ジアース:そうか。で、オーディション出場者は全員決まったか?

ミュウ:あと、もう少し。

ジアース:なるほど。

ミュウ:で、ジアースは、今日はこの後は、どうするの?

ジアース:そうだなあ。シンの所へ行くか。

ミュウ:そう。

 と、ミュウとジアースは昼食を食べ、それぞれのところへ行った。


 ジアースは情報企画部へ行った。

ジアース:シンよ。どうだ。

シン:はい。順調です。

ジアース:で、インターナショナルマーケットレベル1はどんな感じだ?

シン:はい。まずは建物の中にまず、何をどのように配置するかもそうですが、何を仕入れるかが先です。

ジアース:で、結局、レベル1では、何を売るのだ?

シン:はい。食品、電化製品、雑貨、生活用具、家具といったものです。

ジアース:なるほど。で、今は何を仕入れるかを検討中としても、その情報は海外部からか?

シン:はい。そうです。今は何を仕入れるかは、全部といっても、ひどいのはまずいので、一応検討しています。

ジアース:なるほど。

シン:で、ジアース様。歓喜祭情報は、ネットだけでなく、雑誌もいいのではありませんか?

ジアース:それは考えているが。

シン:ですが、その雑誌を作る部門はないと思いますが。

ジアース:その通りだな。もしかして、雑誌もやるのか?

シン:はい。

ジアース:だが、これ以上人をいきなり増やすと混乱するのではないか。

シン:それは大丈夫です。

ジアース:だが、歓喜祭のためだけに出版部を作るのか。

シン:いえ、その後にインターナショナルマーケットがあります。

ジアース:旅行業と出版業と商業の3つをいいなり始めるのか?

シン:はい。そうです。こらは、もともと大企業計画で考えていたものです。

ジアース:そうか。いろいろ狙いがあるのはわかるが・・・・・・。

シン:しかし、できないことではありません。

ジアース:確かに。

シン:ですが、ローレンシア王国の皆様には本当に感謝しています。この程度はまだ私の導入部でしかありません。

ジアース:それはわかっている。

シン:これからが本番です。

ジアース:シンはいろんな学科をかじっているのだな。

シン:それはジアース様も同じではありませんか。

ジアース:確かに。

シン:資金と人材がこの国にはありますので、私もやりがいがあります。

ジアース:そうだな。シンはアローンでは資金も組織もなかったのであったな。

シン:そうです。それを作る元は全部カソンに押さえられていました。

ジアース:辛かったろうな。

シン:はい。

ジアース:で、答えはいろいろ見つかったか?

シン:8割程度は。

ジアース:ただ、具現化しているのはまだ1割にも満たないのだな。

シン:そうです。

ジアース:そうか。だが、私はシンを過大評価はしてないぞ。だが、シンの言っていることは嘘ではない。正確に評価しているつもりだ。

シン:ありがとうございます。

ジアース:しかし、カソンはずいぶんむごいことをしたものだ。これだけ才能があるのに、ひどいのではないか。

シン:ですが、私は正直、大企業計画をさせていただいたローレンシア王国には本当の幸せを感じていただきたいと思っています。

ジアース:本当の幸せか。それはどうやるのだ?

シン:お金と技術とローレンシア王国の天の道理を使います。

ジアース:技術とは。

シン:主に、医療、生活でしょか。

ジアース:なるほど。

シン:しかし、私はこの国に感謝しています。ミミもいるし、これ以上は何も言うことはありません。

ジアース:そうか。シンはミミと付き合っているのか?

シン:まだ、恋人関係ではありません。

ジアース:だが、脈はありそうだな。

シン:そう思います。

ジアース:で、シンはミミのどういう所が好きなのか?

シン:全部です。

ジアース:あはは。なるほど。

シン:で、今日はジアース様は時間はあるのですか?

ジアース:すまんが暇ではない。

シン:そうですか。

ジアース:では、私はこれから他を回るがいいか?

シン:はい。

 と、ジアースは情報企画部を出た。


ミュウから連絡が来たので、ミュウの元へいった。

ジアース:どうした。ミュウ。

ミュウ:明日のオーディション出場者24組が決まったよ。

ジアース:そうか。36組じゃなかったのか?

ミュウ:変更したの

ガイ:どうだ。

ミュウ:で、出場者は以下の通り。

  オーディション出場者

 ・BLACK CATS

 ・Web women

 ・ナナ

 ・Room

 ・Sky

 ・Nows

 ・Qestion

 ・Lines

 ・コムラ

 ・スペル

 ・Sounds

 ・HTML

 ・ジャッケル

 ・ハムソン

 ・キャリアン

 ・ホムズ

 ・クイーンズ

 ・ベリー

 ・ラム

 ・カイン

 ・キングダムズ

 ・ポーン

 ・ジャッカル

 ・サバンナ

ジアース:これで24組か。プロフィールをちょうだい。

 と、ジアースはプロフィールを読んだ。

ガイ:ジアースよ。いけそうか。

ジアース:はい。何とかいけそうです。

サハリン:で、ジアースは曲は聞く?

ジアース:そうだな。

 と、ジアースは24組分の曲を聞いた。夜になった。

ガイ:いよいよ、明日はオーディションだ。皆よ。引き締まっていこうじゃないか。

サハリン:はい。

ミュウ:では、みんな。今日はここでピザの出前を取ってみんなで夕食食べよう。

リリィ:賛成。

 と、オーディションの者は夕食の食事を摂った。その後、それぞれ、分かれて、ミュウとジアースも自分の部屋へ行った。

ジアース:いよいよ明日だな。

ミュウ:うん。ジアースは大丈夫よね。

ジアース:もちろん。

ミュウ:じゃあ、寝ようか。

 と、ジアースとミュウは寝た。


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