第39話 ローレンシア歓喜祭まであと67日(9月24日)

 ジアースは朝起きた。ミュウはすでに起きていた。

ミュウ:ねえ。ジアース。サハリンが言っていたけど、この部屋出るって。

ジアース:そうか。ガイ様の部屋に行くのか?

ミュウ:いきなりは無理よ。サハリン専用の部屋に行くだけよ。

ジアース:それが1番いいかもな。

ミュウ:これで三角関係は終わりね。

ジアース:まあ、そうなるよな。

ミュウ:でも、少し困るよね。サハリンは頭のいい雑用だったのに。

ジアース:雑用はひどいのでは。

ミュウ:で、ジアースは今夜はいないって?

ジアース:ああ、ゴンザルへ行く。そこで明日5時からクイズ大会があるからな。

ミュウ:しかし、ジアースも大変だね。

ジアース:それはお互い様だよ。

 と、2人は朝食を摂った。


その後、ジアースはシンの所へ行った。

ジアース:シンよ。どうだ。進行具合は。

シン:はい。まずは以下のように役割を振り分けました。

 国内宿泊・交通・飲食・観光・イベント部

  シャムルル担当

    コユウジ・ジョージ

  ゴンザル担当

    マッキー・カイショウ

  カラジン担当

    ヒカル・ノブオ

  リオパル担当

    トシ・ヤマト

  パレオザン

    ミミ・カリン

  カルルア担当

    ハル・ルイカ

  イルメス担当

    ラム・ジオレ


 インターネット部

  レイナ・ユージ


 海外部

  キョウコ

  カレン(IC担当)

  マリモ


ジアース:なるほど。だが何か足りないような気がします。

シン:それは私もです。こういう時は総務部を作ったほうがいいのでしょうか。

ジアース:そうだな。一応、総務はシンということになるな。

シン:はい。

ジアース:しかし、組織としては成り立っているな。だが、人数は全然足りないであろう。が、そういう時は、王宮の者を思う存分使っていいぞ。

シン:はい。そのつもりです。

ジアース:ただ、シンの一声で動かない時はミミを使え。ミミはカイザー殿の娘さんだから顔は広いぞ。

シン:そういえばそうですね。ジアース様は何もかもお見通しですな。

ジアース:だが、大臣級の者はシンの事はよくわかっているからな。王宮の者もそのうちわかるだろう。

シン:はい。

ジアース:では、今日はこのぐらいでいいな。

シン:はい。

 と、ジアースはミュウの所へ行った。


ミュウはミス・ローレンシアコンテストの企画室にいた。

ジアース:ミュウ。どうだ。調子は。

ミュウ:まずまずのとこよ。

ジアース:で、ミス・ローレンシアコンテストの司会は一体誰がするんだ?

ミュウ:それを今、考えているのよ。お兄様とサハリンはコンサートでしょ。で、サハリンは審査員の中に必要と思ったけど、コンサートと2股は難しいと思っているのよ。で、ジアースはクイズ大会でしょ。どうしよう。

ジアース:そうか。だが、審査員にミミは仕えるか?

ミュウ:ミミかあ。でも・・・・・・。そうするしかないか。

ジアース:後はシュウ殿は?

ミュウ:それはもちろんよ。後は誰にしようかなあ。

ジアース:女優は?

ミュウ:そうね、マツさんに頼んでみるか。

ジアース:後は写真家は?

ミュウ:そうよ。予選通過は写真取るのよ。だけどカメラマンは誰がいいかを考えているのよ。

ジアース:ジョーさんはどうだ?

ミュウ:ジョーさんかあ。でも写真家は者を見る目があるからそれでいいかなあ。

ジアース:あと、映画監督は?

ミュウ:監督かあ。ジブリさんにしようかあ。ジブリさんにしようかな。

ジアース:じゃあ、5名は決まりだな。だが、司会が問題だよな。

ミュウ:ねえ、ジアース。クイズ大会の本線はシャムルルでやるんでしょ。ジアースはクイズ大会とミス・ローレンシアコンテストの両方は無理かなあ。

ジアース:悪い。それは無茶だあ。だが、俺はミュウが司会やったどうかと思うが。

ミュウ:私?

ジアース:ミュウしかいないじゃん。

ミュウ:そうかなあ。そうよね。でも、主張大会はどうしよう。

ジアース:主張大会なら他の者でもできると思うが。

ミュウ:そうよね。お兄様が頑張っているから、私が司会をしたほうがいいのかなあ。

ジアース:じゃあ、決まりだ。

ミュウ:でも、主張大会の審査員は、ローレンシア王国の大臣にやってもらおうと思ってるよ。

ジアース:でも、司会はカイザー殿がいいのではないか。

ミュウ:私もそう思う。私じゃ難しいよね。で、審査員は、ラバンバ・エコー・コンバット・メディ・サム大臣にしようと思っているの。

ジアース:いや、全大臣が国民の考えていることを知ってもらったほうがいい大臣全員がいいんじゃないか?

ミュウ:じゃあ、そうする。

ジアース:ノルワー殿やシンももちろん入るぞ。

ミュウ:もちろん。

ジアース:じゃあ、今日の昼の大臣級会議で発表だ。

ミュウ:うん。で、ジアースは昼間で何するの?

ジアース:何か見つける。

ミュウ:じゃあ、ここにいて。

ジアース:わかった。一緒に、ミスローレンシアコンテストのことを考えよう。

ミュウ:うん。

ジアース:じゃあ、1回選のファッションショーはどういう風にするつもり?

ミュウ:まだ決めていない。

ジアース:そうか。なら、有名ブランドに声をかけるか?

ミュウ:でも、3時予選通過者が500人は多いかなあ。

ジアース:正直多すぎる。が、500人いれば使い道はいくらでもあるな。だが、500人もいらない。せめて100人で決まりだな。

ミュウ:あとは、コンサートにも司会はいるかなあ。

ジアース:そうだな。でも、それは芸能人に任せよう。

ミュウ:うん。

ジアース:あとは何があるか?

ミュウ:ジアース。たまには少し休んだら。

ジアース:そうだな。だが、やっぱり部屋に帰って論文読むよ。

ミュウ:わかった。

 と、ジアースは自分の部屋へ戻ると、サハリンが引越しの準備をしていた。

ジアース:サハリン。本当に出て行くんだな。

サハリン:なーに?名残惜しい。

ジアース:いや、そんなことはない。

サハリン:ジアース。暇だったら手伝ってくれる?

ジアース:いいよ。

 と、ジアースはサハリンの引越しの手伝った。昼になったミュウも帰ってきた。

ミュウ:ジアース、サハリン。昼飯は3人で食べようよ。

サハリン:いいわよ。

ジアース:O.K.だ。

 と、3人は王宮の食堂に行った。

ミュウ:で、サハリン。コンサートの方法は大丈夫?

サハリン:万事、O.K.

ミュウ:他のミュージシャンも集めた?

サハリン:もちろん。で、歓喜祭は夢が与えられるものだから、オーディションはアマチュアから、やるんでしょ?

ミュウ:うん。

サハリン:で、オーディションへの書類審査はもう始まっているよね。

ミュウ:お兄様がやっているよ。だから、サハリンもやってね。

サハリン:わかった。

ジアース:で、ミュウ。オーディションは公開オーディションにしないか?

サハリン:それいいわね。

ミュウ:でも、司会は誰がやる?

ジアース:ガイ様は?

ミュウ:私はジアースかな。

サハリン:そうよね。ジアースしかいないんじゃない?

ジアース:俺かあ。大丈夫だ。

サハリン:じゃあ、お願い。

ミュウ:サハリン。シンとは会った?

サハリン:私は電話では話したけど、会ってはいないね。

ミュウ:シンは頭いいよね。

サハリン:そう。コンサートのこともネットに載せるから情報ちょうだいってね。あと、コンサートをきっかけにCDを作って売るのもいいと言ってたね。

ジアース:俺と同じことを考えるなあ。ところで、サハリン。ミミとは前回のミス・ローレンシアコンテストで競ったとか。

サハリン:そうか。ジアースは知らないんだね。話してあげる。

 と、サハリンはジアースに前回のミス・ローレンシアコンテストの話をした。


 そうこうしているうちに、昼食が終わり、ジアースとミュウは大臣級の会議へ行った。

カイザー:では、会議を始める。まずは、ミュウ様。お願いします。

ミュウ:みなさん。今回の歓喜祭でお願いしたいことがあります。主張大会の審査員を大臣全員でやってもらいたいです。

ラバンバ:全員ですか。

シン:私もですか?

ミュウ:ええ。シンもノルワーもお願い。

ノルワー:わかりました。大丈夫です。

カイザー:では、皆の者わかったな。で、次はシンの件だが。こんどの世界会議ではシンを連れて行く。異存がある者はいないか?

 誰もいなかった。

カイザー:では、決定だ。で、ザバン様から何かありますか?

ザバン:私の方からはない。

カイザー:では、本日の論点はいろいろある。まずは、ITについてだ。インターネットで、迷惑メールが頻繁にあるという。その対処法を考えたい。

シン:それなら、各個人が迷惑メールが来たところのメールはブロックできるシステムがあればいいのではありませんか?

カイザー:確かにそうですな。

ラバンバ:その件はそれで解決ですな。

カイザー:では、次はコンピュータウイルスについてだ。これについてどう思うか?

シン:これは、コンピュータにウイルス識別プログラムがあれば、個々のコンピュータで処理はできませんか?

メイル:確かに可能です。

カイザー:そんな感じか。メイルよ。他には、問題はあるか?

メイル:あとは出会い掲載と問題があります。最近はサクラが減りましたが、リアルにあって事故にあうケースがあります。それはどうしますか?

シン:私はソーシャルネットワーク系のサイトがあればと思います。そこで自分のページが持てて、あらかじめ自分の情報を載せて、それを見て会ったりするのが危険は少ないと思います。

ノルワー:それは掲示板とは違うのか?

シン:はい。掲示板は少ししか書けません。しかし、ソーシャルネットワーク系のサイトは自分の情報を好きに書けますし、他人と会うときは他人のページを見るわけです。

コンバット:なるほど。

シン:で、私はネットで交流をするなら、安全が第一と思っています。それゆえ、個人情報を載せたい人が載せるというのがいいと思っています。

メイル:なるほど。

シン:また、ソーシャルネットワークの中にコミュニティーというものを作ることができ、それを使っていろいろやるのもいいと思っています。コミュニティーとは、ある目的のためのグループです。これは非常にいいと思います。

メイル:あと、今は、ネットによるフリーゲームがはやっています。これについては皆さんはどう思っていますか?

ジアース:いいとは思うが、他人と共にプレイして、被害があると聞いている。

サム:ですが、人間のやりとり上、多少のトラブルはやむを得ません。

ジアース:だが、ある程度のルールは必要だ。フリーゲームの場合だと、やり始めたらやめるのはもったいなくなるはずである。ゲーム中のトラブル回避をするには、ルールが必要となってくると思います。

メイル:そのルールは誰が作りますか?

ジアース:ネットゲーム会社が作るしかありません。ただ、我々が規制するところは、そのルールを見て、詐欺じゃないか、不条理でないかを判断することです。

カイザー:では、ITに関してはこのぐらいにしておこう。次は再生医療についてだ。メディよ。どうだ?

メディ:はい。再生医療は画期的です。自分の細胞で自分の器官を作れるからです。

カイザー:その再生医療は予算を組む際に組み込んでいるが、研究をさらに活発化させるため、予算が少々高額になる。それついてどう思うか?

エコー:高額はしょうがないのではないかと思っています。

ジアース:だが、再生医療への力を注ぎすぎると、人間の治癒能力の考えが遠くへ行ってしまう。今度の問題はそういうことですか?

メディ:はい。私たちが厚生省が目指している再生医療は外科技術を使わない再生医療です。

ジアース:それをするには薬かバイオチップかバイオ液かという感じになりますな。

メディ:バイオチップは内臓系の病、ウイルスの病にはうってつけと思っています。

コンバット:だが、再生医療については今回の歓喜祭でバイオロ教授が発表するのではありませんか?

カイザー:確かに。で、話は変わるが、その再生技術を動物、植物に応用すると、食事に困らなくなるということも考えられる。

ジアース:ですが、バイオ液で再生するとしても、バイオ液の成分はどんな感じなんでしょう。

シン:私は、ヒントは女性にあると思っています。女性は子供を生みますが、一人の人間が出来上がるプロセスは再生医療と重なる点が数多くあると思っています。

メディ:シン殿は、頭が良過ぎですね。私はそこまで考えていません。

ジアース:しかし、シンの発想力は応用力に近いですね。

シン:そうです。私は、この世にあるものを応用してできるかを考えているだけです。

カイザー:今回の議論のテーマは各大臣らの知恵を政治に応用することだ。他に議論したい話題はないか。

コンバット:私はロボットを市場にどんどん出すべきだと思っております。ロボットは経済を立て直す方法の1つであると思います。

メディ:確かにそうですね。ロボットは病院で使うと、看護師不足の今の世にはもってこいですね。

カイザー:そう。あと、福祉の問題は、高齢者の孤立化にどう対処するか。また、福祉を幅広く行なうには巨大な財がいる。経済を立て直さなければ福祉はできない。

ジアース:その経済の建て直しはシンの大企業計画ではありませんか?

シン:私は経済は他と独立して考えるべきではないと思います。他の物を使って経済が動くからです。経済の大元は製造・需要と思っています。

カイザー:しかし、シンはポイントが整理されていますな。

シン:いえ。めっそうもありません。

ザバン:で、今は雑談形式だが、いろいろポイントがある話ができたと思う。今日の目的は、各大臣・各省庁のやる仕事は他の省庁とも関連があると考えてもらいたい。例えば、医療技術であれば、厚生省、技術開発省、法務省などが関連し、ITに関しては通信省、治安省などが関連する。ぜひ、皆にも自分の中の自分ではなく、全体としての自分を考えてもらいたい。

カイザー:では、今日の会議はここまで。

 と、大臣たちは解散した。


ジアースはミュウと部屋に帰った。

ジアース:しかし、シンは頭がいいなあ。

ミュウ:そう。私も思った。発想が凄い。

ジアース:だが、これでもシンの実力の一部に過ぎないか。

ミュウ:それは、想像を超えているのかもしれないね。

ジアース:だが、それは俺も同じだ。

ミュウ:だけど、シンを助けたかいがあったね。

ジアース:そうだな。で、ミュウ。

ミュウ:何?

ジアース:これから、ゴンザルへ行く。明日は午前5時からテレビは生放送だから、今のうちにグリスと打ち合わせて行くよ。

ミュウ:わかった。頑張ってね。

 と、ジアースはグリスの元へ行った。

グリス:ジアース様。待っていました。

ジアース:打ち合わせは車の中だな。

グリス:で、サハリンとガイ様は?

ジアース:ドミーの車でいくよ。

グリス:では、我々も出発しましょう。

 と、カランの車でゴンザルへ向かった。

カラン:ジアース様。ついにサハリンさんを手放すんですか?

ジアース:ああ。といっても俺はミュウがいるし。

カラン:前のジアース様は苦労していましたよ。ほぼ神業に近かったですよ。

ジアース:ああ、この国がどうやってできたかはわかった気がするよ。

グリス:で、ジアース様。ゴンザルのテレビ出演の準備は大丈夫ですか?

ジアース:気持ちのことか?大丈夫だが。

グリス:いえ、ジアース様は地球へ行く前の記憶がないとミュウ様から聞いています。おそらくゴンザルのことは知らないのではと思っていました。

ジアース:ゴンザルかあ。確かに思い出せない。

グリス:まあ、おいおいとわかると思いますので。

ジアース:しかし、問題100問は見てみたいなあ。

グリス:今ですか?それはまだ気が早いですよ。

ジアース:だが、傾向性は?

グリス:ほとんど理系の問題です。

ジアース:計算問題か。

グリス:そうです。

ジアース:で、サハリンやガイ様は計算問題に強いのか?

グリス:いあ。普通だと思います。

ジアース:なるほど。

グリス:で、ジアース様には、クイズの解説をテレビでしていただく予定です。

ジアース:なるほど。少なくとも、私のペースでできない者では勝ち残れないということだな。

グリス:はい。ただ、ジアース様は、ゆっくり解説して下さい。

ジアース:もちろんだ。

 と、打ち合わせをし、ゴンザルのテレビ局の近くのホテルに泊まった。ホテルでもグリスとの打ち合わせがあり、次の日は朝が早いので、早めに夕食をとって寝た。

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