第38話 ローレンシア歓喜祭まであと68日(9月23日)

 ジアースとミュウは朝起きた。

ミュウ:ジアース。おはよう。

ジアース:ああ。おはよう。さて、今日はどこから攻めるか。

ミュウ:ジアース。時間があるようだったら主張大会の論文を手伝ってよ。

ジアース:そうだな。早いうちに見ておかないと、後はスケジュールで埋まってきてるからな。

 と、午前中はジアースとミュウは論文を読んでいた。

 昼になった。ジアースとミュウは共に食事をした。

ジアース:しかし、同じテーマの中にはいろんな角度があるんだ。

ミュウ:そうよね。

ジアース:だが、結論は大体同じだな。世の中は狭いのかもな

ミュウ:そうね。

ジアース:幸福についてだが、幸福は、自分が自分の道で頑張れることではないのか。

ミュウ:だけど、天の道理は守らなきゃ駄目よね。

ジアース:だが、自分の道とは何か大切なものができてから見つかるものかも知れないな。で、それが目標になる。

ミュウ:そのために、力をつけなきゃね。

ジアース:だが、目標があってもできないと辛いよな。

ミュウ:確かに。

ジアース:シンがそうだった。カソンにあそこまで妨害されて大企業計画ができるわけない。

ミュウ:そうよね。

ジアース:だが、シンを助けたのは正解だった。シンは大企業計画を持っていた。

ミュウ:そうよね。

ジアース:あと、幸福についてだが、キーポイントはこういう社会の中でどう生きたいかというのが、重要で、それは夢ということにもなる。そして、夢は自分に希望を与えてくれる。そう。夢は大事だと思う

ミュウ:そうよね。

ジアース:次に愛についてだが、愛はお互いがお互いを大切にするところから始まると思う。

ミュウ:確かに。

ジアース:だが、力をつけなきゃ愛はやってこないと言うのは、ちょっと辛い現実だよな。

ミュウ:でも、優しさも力の中に入るよ。

ジアース:確かに。

ミュウ:でも、女性って力強さに憧れる人が多いよね。

ジアース:あと、自分を受け入れてくれる人も多いのではないか。

ミュウ:そうよね。あと、愛を手に入れるには勇気も必要よね。

ジアース:だが、愛に憧れる人は多いよな。

ミュウ:うん。

ジアース:だが、愛は美しいものなのかなあ。

ミュウ:今回の主張大会の論文は結構、改めて考えることは多いよね。

ジアース:次は人類問題についてだが、環境問題はリサイクル技術と有害物質の減少によりなんとかなる。食糧問題は食料の増産だ。

ミュウ:森林問題は?

ジアース:森林問題って砂漠の緑地化をやる技術を作るしかない。

ミュウ:病気に関してはバイオテクノロジーよね。

ジアース:あと、貧困問題は仕事を増やすしかない。

ミュウ:人権問題は天の道理に沿って人が生きることで解決かあ。

ジアース:そう。天の道理は生きることが最優先、そのために考える力、つまり知恵が与えられているで、いきることとは、自分だけが生きるのではなく、周りも生かすことで自分も生きるという考えが重要。つまり、全てのことを考えて生きるということなのだ。

ミュウ:あとは、エネルギー問題は?

ジアース:水素エネルギーや、海水の利用、ソーラーパワーといったものがクリーンでいいよな。

ミュウ:けっこう、みんな専門的に書いているよね

ジアース:ああ。で、次は、ローレンシア王国への意見かなあ。

ミュウ:学校でとった単位を資格につなげてはという意見があるね。

ジアース:また、資格を取ったら学校単位が取れるというのもいいなあ。時間の効率化になる。

ミュウ:あと、宗教をやりたい人はいるみたいだけど、これはどうする?

ジアース:それは天の道理で解決させるしかないな。

ミュウ:あとは税金の有効利用についてとか。

ジアース:イベントをやってくれというのもある。

ミュウ:あと、情報が手に入るようにとかもね。

ジアース:いじめとストレスの問題もあるなあ。

ミュウ:いろいろ意見あるよね。

ジアース:次は倫理についてかあ。倫理は正に天の道理が中心だなあ。人は幸せになるのが目的、卑怯な手は使わない、命は最優先。

ミュウ:あと、悟りによって人は成長する。

ジアース:自分で考える力を身につける。

ミュウ:全てのものには原因があり結果がある。

ジアース:正当な理由なしで、人を害してはならない。

ミュウ:ずいぶんでてくるね。

ジアース:そうだよな、人権だけは法の下では平等でなくてはいけないとか。

ミュウ:天の道理はこの世の法則だからね。

ジアース:次は技術についてだが。

ミュウ:海を渡れる車はいいよね。

ジアース:あと、宇宙開発もそうだし。

ミュウ:再生医療もそうよね。

ジアース:ロボットもだ。

ミュウ:あと、プログラミングの技術もどんどん上がっているよね。

ジアース:だが、プログラミングはある最終点についたら、それ以上は発展しまい。

ミュウ:でも、その最終点までが遠いんじゃないの?

ジアース:そうだな。

ミュウ:で次は人間主義についてだけど。

ジアース:人間主義は正にシンのデモクラシーといっても過言ではない。人が人として生きるためのものであるからだ。人間の特徴、性質を踏まえたうえで人間はどう生きるべきかそれが人間主義だ。

ミュウ:そうよね。主張大会ではそういう所がキーポイントになりそうね。

ジアース:まあ、これで昼食は終わりだ。ミュウ。俺はこれから情報企画部門就労希望者の面接を行なってくる。

ミュウ:わかった。

 と、ジアースは面接室まで行った。


今日はけっこうな数である。一人、面接室に入った。

ジアース:あなたの名前は?

カレン:カレンといいます

ジアース:で、特技は?

カレン:営業が自信はあります。

ジアース:営業か。よし。決まりだ。

カレン:もう決まりなのですか?

ジアース:あ、あと、海外には詳しいか。

カレン:はい。

ジアース:どのくらい?

カレン:ICに興味があります。ICの文化と歴史と地理は詳しいです。

ジアース:よし、採用だ。情報企画室へ行ってくれ。

 次の者が面接室に入った。

ジアース:名前は?

カイシュウ:カイシュウといいます。

ジアース:カイシュウは得意なものは何だ?

カイシュウ:はい。営業と企画です。

ジアース:ツアー企画はできそうか?

カイシュウ:やってみないとわかりません。

ジアース:わかった。使ってみよう。情報企画室へ行ってくれ。

カイシュウ:ありがとうございます。

 と、次の面接者は入ってきた。

ジアース:名前は?

ヤマト:ヤマトといいます。

ジアース:ヤマトよ。何が得意か。

ヤマト:はい。趣味は旅行です。

ジアース:それは国内か国外か。

ヤマト:両方です。

ジアース:以前、やっていた会社は?

ヤマト:旅行会社です。

ジアース:ツアー企画はできそうか。

ヤマト:はい。

ジアース:わかった。採用する。すぐに情報企画室部門へ行ってくれ。

 と、次の面接希望者と話した。

ジアース:まずは名前は?

マッキー:名前はマッキーといいます。

ジアース:マッキーよ特技は何?

マッキー:国内の地理に詳しいです。

ジアース:なるほど。どの州も詳しいか?

マッキー:州によっては違いますが、詳しい州はシャムルルとゴンザルの地理には詳しいです。

ジアース:地理でだけでなく、町の飲食店とかは詳しいか?

マッキー:はい。

ジアース:わかった。採用しよう。情報企画室へ行ってくれ。

 次の面接の者が来た。

ジアース:名前は?

ヒカル:ヒカルといます。

ジアース:特技は?

ヒカル:遊びです。

ジアース:どういう遊びなんだ?

ヒカル:飲食店や観光地に行くことです。

ジアース:ゲームはやらないのか?

ヒカル:ゲームはやりません。

ジアース:で、外出はどこの州に主に動いたか?

ヒカル:カルルアです。

ジアース:では、ヒカルはカルルア野情報なら何でも知っているのか?

ヒカル:かなりのことは知っています。

ジアース:わかった。採用する。

ヒカル:ありがとうございます。

 後の者もこんな感じで面接を行い、今日の企画部門の採用者は、残りはトシ、ノブオ、ラム、カリン、ジオレ、ルイカ、マリモという者が加わった。


 ジアースは面接終え、次は展示会の者と打ち合わせが行なわれた。

ジアース:アンプ、ドルア、キサン。今の状況はどうだ?

アンプ:はい。順調です。

ジアース:ただ、何か面白い企画は立てたか?

ドルア:特にありませんが。

ジアース:ローレンシア王国の歴史についてなら、この展示会独自の本を出してみるのもいい案だと思うが。

キサン:確かにそうですね。

アンプ:ただ、歴史を細かくやればやるほど、絞れなくなっています。

ジアース:しかし、歴史マニアを増やすのにはいいきっかけになりそうだがなあ。

ドルア:でも、考えれば考えるほど、時間が足らないと思っています。

ジアース:それなら、時間はなるべく人を使って短縮するすると考えて欲しい。

キサン:なるほど。

ジアース:で、ローレンシア王国の歴史は私はあまり詳しくはないが、どういう感じにするのだ?

キサン:はい。我々はそれぞれ独自に作ったほうが、独自色が出て良いかと思っています。

アンプ:そうです。各自で調べます。

ジアース:なるほど。そうか。で、会場は建物はまずは空のビルを借りて行い、歓喜祭後に新たに展示用の建物を建てるが、その方向でいいか?

ドルア:はい。

アンプ:しかし、ネットに載せたら、展示会への客は減るのではないかと心配しています。

ジアース:それは、その時は新たな企画を考えるべきではないか?

キサン:そうですね。

ジアース:だが、歓喜祭までには間に合うな。

アンプ:はい。

ジアース:では、細かい所は全て皆に任せるので何か案が欲しい場合にはこちらに来てくれ。

キサン:わかりました。

ジアース:例えば、戦争の様子を再現してみるとか。

アンプ:それをやると、相当、手のこんだことになりますね。

キサン:だが、我々は気づきませんでした。

ジアース:あと、歴史に絡んだ本や、ゲームの発売もいいのでは。

ドルア:ジアース様は凄いですね。私たちが思いつかないのを簡単に言いますね。

ジアース:まあな。これぐらいは朝飯前だ。

キサン:では、あとはこれぐらいで自分の持ち場に行きますか。

アンプ:そうですな。

ジアース:では、解散だ。

 と、展示会組みとの話し合いは終わった。


今度はジアースはアンプと博覧会について話した。

ジアース:アンプよ。博覧会はどうだ。バイオロ教授とアシモフ教授に一任しているようだが。

アンプ:はい。で、連携を取りながら、博覧会に必要な従業員を私が集めています。

ジアース:そうか。で、博覧会の建物は急ピッチで作っているが、何か必要なものはないか?

アンプ:今はないです。

ジアース:そうか。では、後は任せる。

アンプ:はい。

 と、ジアースはアンプとの話を終え、王宮へ戻った。


ミュウの部屋にはサハリンがいた。

ジアース:サハリン。どうした。

サハリン:ジアース。私、どうすればいいの?

ジアース:どうした?

サハリン:ガイ様は私のことを好きみたいらしいけど、私は・・・・・・。

ジアース:ガイ様では不足か?

サハリン:だって、前のジアースはサハリンは凄い人とくっつくと言ってたけど、それってガイ様なの?

ジアース:俺にはわからん。だが、どうした?

サハリン:私が王宮に来たのはジアースを追って来たからなのよ。それはわかっているでしょ。

ジアース:だが、俺にはミュウがいる。サハリンもわかっているのではないか?

サハリン:だから、ジアース。思い出は作っちゃ駄目?

ジアース:いまさら無理だよ。

サハリン:なんてね。ジアース。ごめんね。実は私、ガイ様が少しだけ好きになったのよ。

ジアース:そうか。で、ゴンザルのクイズ大会のゲストにサハリンは来れるよな。

サハリン:いけるけど・・・・・・。

ジアース:ガイ様も来るぞ。

サハリン:ジアース。いろいろ苦労しているわね。

ジアース:確かに。公務と私事を一緒に考えなければならないのは、本当に面倒だよな。

サハリン:でも、それがローレンシア王国よね。

ジアース:その通り。で、夕食はガイ様と食べるのか?

サハリン:いえ、一人よ。ジアースは?

ジアース:俺は、ミュウが帰ってくるのを待つよ。

サハリン:・・・・・・。1人というのは嘘。一緒に食べようって言って欲しかったわよね。

ジアース:やっぱ、ガイ様と?

サハリン:ううん。歓喜祭のメンバーの人とよ。

ジアース:それは男?

サハリン:女よ。なんか気になった?

ジアース:いや、そうじゃないんだけど。

サハリン:じゃあ、行ってくる。

 と、サハリンは夕食を食べに行った。


その数分後、ミュウが帰ってきた。

ミュウ:只今。

ジアース:お帰り。

ミュウ:いやー。ミス・ローレンシアコンテストは大変よね。

ジアース:そりゃあねえ。

ミュウ:知力テストのことよ。

ジアース:だけど、ミュウが作るわけじゃないんだろ。

ミュウ:うん。20人で作るってる。1人50問作らせているよ。

ジアース:だが、もし問題が同じのがでたら?

ミュウ:それはそのまま出すよ。

ジアース:なるほど。

ミュウ:何頷いているの?

ジアース:いや、そういう場合、問題を読まないで解答したら損だと思ってな。

ミュウ:でも、時間からいって、最後の方は勘になるんじゃないかな。

ジアース:なるほどね。これからは夕食だけど、一緒に行くか?

ミュウ:うん。

 と、ジアースとミュウは食事をしに食堂へ行った。そこにはシンとミミがいた。

ジアース:シンじゃないか。

シン:ジアース様と、ミュウ様。こんばんは。

ミュウ:シンね。ゆっくり話すのは初めてね。

シン:はい。

ジアース:そうだったな。シンはミュウとはゆっくり話していないんだったな。

シン:よろしくお願いします。

ミュウ:でも、なんか、シンとジアースは同じにおいがするよね。

ジアース:臭いのか?

ミュウ:そうじゃなく、性格が。

ジアース:ミュウはするどいなあ。俺もシンとは共通点がかなりあると思っている。ところでシンよ。私が採用した者はどうなったか?

シン:はい。一応、役割分担を決めて、振り分けました。ですが、まだ人は必要と思います。

ジアース:まあ、明日、登用するよ。

ミミ:ジアース様。役割人事については明日話しましょうか。

ジアース:そうだな。

シン:で、ジアース様。展示会については3つとも独自と聞いていますが、何かそれぞれ方向性はありますか?

ジアース:それはいまいちわからん。だが、それぞれでやることで特徴は出ると思う。宣伝で、ある程度のテーマが欲しいということだな。

シン:はい。博覧会のように。

ジアース:だが、正直言って、私はローレンシア王国の歴史は詳しくない。

ミュウ:シン。ジアースは地球へ行く前の記憶はないのよ。

シン:地球で何があったのですか?

ジアース:まあな。って気がついたら真っ白になっててな。

ミミ:でも、ジアース様は私は地球前と後は別人の気がします。

ミュウ:気のせいじゃないの?

シン:ミミさん。これ以上は深入りしなくていいんじゃない?

ミミ:そうですね。

ジアース:で、シンよ。シンの歓喜祭に対する考えとして何を基本にしているかわかるか?

シン:はい。私は、あるものを有効に使うことと思っています。

ジアース:さすがだなあ。

ミュウ:ジアースと同じこと言うね。

ジアース:で、歓喜祭の目的は何と心得ているか?

シン:はい。経済の向上、雇用の増大、知力のレベルアップ、社会交流、文化の再生と、いろいろあると思っています。

ジアース:さすがだなあ。で、インターナショナルマーケットも進めているのか?

シン:もちろんです。ノルワー様といろいろ検討しています。

ジアース:なるほど。

ミュウ:でも、シンも話を聞いていると頭がいいよね。基本がおさえてある。

ジアース:そうだよ。思った以上だ。

シン:恐れ入ります。

ジアース:ところでコユウジはどうだ?

シン:はい。コユウジはインターナショナルマーケットの件もありますので、対外国部門で頑張ってもらっています。

ジアース:なるほど。

ミュウ:ところで、シンはミミとは私たちが来るまで、何を話していたの?

シン:ミミさんからは、ローレンシア王国のことをたくさん教えてもらっています。ミミさんの頭の良さは凄いです。

ミュウ:こう見えても、ミミは第1回ミス・ローレンシアコンテストでサハリンと争ってたのよ。サハリンがいなければ、ミミがミス・ローレンシアになっていたかもしれなかったのよ。

シン:それは凄い。

ミミ:そして、ハルはミス・ローレンシアコンテストで知り合った友達よ。

ジアース:知らなかった。

 と、夕食は4人とも食べ終わった。

シン:では、ジアース様。ミュウ様。私とミミは戻ります。

ミュウ:シン。ミミ。またね。

 と、ジアースとミュウはシンとミミと分かれた。

ジアース:そうか、ミミがミス・ローレンシア候補だったとは。

ミュウ:ジアース。ちょっとまずいね。今は記憶がないで通っているけど。

ジアース:まあ、とにかく部屋に戻ろう。

 そして、ジアースとミュウは部屋に戻った後、主張大会の論文を読んで寝た。


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