第31話 ローレンシア王国の外交4(歓喜祭まであと75日:9月16日)
ザバン一行は今日はIC5カ国を回る予定であった。ICとは5カ国の連合国である。エメラル星ではラオウ国と対等に進歩してきた。しかし、ICは今、分裂しようとしていた。
IC5カ国の名前は、ベラカン、ドミア、フラリパ、イタラリ、カターンである。
まずは、ベラカンの首相官邸を訪れた。ベラカンの出迎えは3人であった。
ラムロ:ローレンシア王国の皆さん。ようこそベラカンに。私が首相のラムロです。右はライト、左はレフタです。
ライト:私は国務大臣をやっております。よろしくお願いします。
レフタ:私は副首相のレフタです。
ザバン:私が国王のザバンです。右から、ガイ、ジアース、テルルです。
ラムロ:では会議室へどうぞ。
舞台は会議室へ移った。
ザバン:では、さっそくですが、我々への文書通達の件に関し、どうお考えでしょう。
ラムロ:宗教に関しては、貴国は宗教の考え方はあるが宗教団体が無いということですな。
ザバン:いかにも。
ライト:では貴国の宗教の考え方とは何でしょう。
ザバン:一言で言うなら天の道理です。
レフタ:天の道理とは?
ジアース:人が人として生きるために基準です。哲学・倫理と考えていただいても結構です。
ラムロ:なるほど。
ジアース:さらに、宗教というものに対しては、科学的に解き明かせないかとも思っています。
ライト:宗教を科学的にですか。我々は宗教を持っていますが、そういう事は考えませんでした。というより、やろうと思ってもしませんでした。
ジアース:なるほど。宗教の考えと科学の結論が違った場合を恐れたのですね。
レフタ:はい。ですが、科学は真実ですので、受け入れざるを得ません。
ジアース:しかし、「天」の存在はあると思っているのです。我々の言う「天」とは、この世の創造主と考えています。その「天」が決めたルールが天の道理と我が国では考えています。
ラムロ:その考え方は、とても無宗教国家とは思えませんな。
ジアース:いえ、我々が無宗教国家を言っているのは、祈る対象となる人物がいないと言う事です。
ライト:確かに。で、貴国は天の道理についてどうお考えでしょう。
ジアース:一言で言えば、「生きること」です。生きることで魂の革命をしていると考えています。
ラムロ:なるほど。もう少し細かく聞きたいが。
ジアース:いいでしょう。この世の道理が「生きること」であるならば、自分だけでなく、他も「生きる」と言う事にもつながります。すなわち、できるだけ多くの者を生かせることが重要なのです。
ライト:その考えはまるでイムラ教のようですな。
ジアース:イムラ教は精神世界を説いていますし、世の中の基本を行っていますが、物理的な技術の方法が書いてあるわけではありません。しかし、我々は宗教というものは、生命の根本でなければならないと思っています。ですので、宗教者が他人を攻撃することは宗教者ではないと思います。
レフタ:ケダイ殿のことを言っているのですね。
ジアース:貴国に宗教があるならば、この「生きる:ということ、自分も他人も生きるということを考えていただきたい。
ラムロ:それは、IC分裂を回避しようという考えですか?
ザバン:我々はIC分裂に対し、反対というわけではありません。が、国民を納得させるだけのものでなくてはならない。そう思います。仮に分裂してもIC内の5カ国は国交は続けるべきと思います。
ライト:なるほど。
ジアース:これは私の考えですが、IC5カ国を国として分けるのではなく州として分けてはいかがでしょう。
ラムロ:ジアース殿は頭が良すぎますな。確かに、それができれば一番いい。
ジアース:では、その路線で検討してみてはどうですか?
レフタ:考えておきましょう。
ラムロ:あと、貴国が来た理由は他にもあるのでは?
ジアース:はい。我が国で行なうイベントで、歓喜祭とインターナショナルマーケットというものがあります。世界経済の回復を視野に入れておりますので、この資料を読んでください。
ジアースは歓喜祭とインターナショナルマーケットの資料を渡した。
ラムロ:しかし、貴国は結論がすぐに出るというのは少々うらやましいですな。
ライト:この状況で迅速に動けるとは、恐れ入ります。
ジアース:では、貴国はシンを認めますか?
レフタ:我々はローレンシア王国は認めましたがシンはまだです。
ジアース:「生きる」という内容がシンの考えであってもですか?
ラムロ:なるほど。シンはそれほどの者なのですか?
ジアース:その通りです。
ラムロ:わかりました。今の状況は時間が解決させるかもしれません。貴国の武運を祈っています。
ザバン:ラムロ殿。対話ができたことに感謝します。
ライト:貴殿らは時間がなさそうなので、この辺で切り上げますか?
ガイ:なぜ、時間が無いと思われたのですか?
ラムロ:結論をどんどんおっしゃられているからです。しかし、短い時間でしたが有意義でした。また、時間がある時はゆっくり話をしたいものです。
ザバン:では、我々はここで失礼します。
と、ザバン一行はベラカン国を後にした。
次はドミア国である。ドミア国も迎えが3人であった。ザバン一行はドミア国の総理官邸に着いた。
ジャルン:私が総理のジャルンです。
ワンヌ:私は副総理のワンヌです。
ライン:私は元総理のラインです。
ザバンらも挨拶した。
ジャルン:で、今回の貴国の訪問はシンについてと歓喜祭、インターナショナルマーケットについてでしたな。
ザバン:その通りです。
ワンヌ:シンはどういう者なんですか?
ザバン:シンの目的は大企業計画でした。この大企業計画はまさに人類が幸福になる縮図と言っても過言ではありません。しかし、カソンの妨害で、シンはアローンではできませんでしたが、改めて、ローレンシア王国でやらせてみようと思っています。
ライン:しかし、大企業計画は何を狙っていたのですか?
ザバン:まずは、民衆同士の交易による平和の維持、貧乏な人への仕事の提供、あるものを全て生かす、文化と経済の結びつき、教育による人間性の向上、など、数多くの目的があります。
ジャルン:なるほど。しかし、本当に1人の人間が考えたものなのですか?しかも若い。
ザバン:我わらはシンから直接どういうつもりでやるのかというプロセスは聞きました。既存のものをこれほど有効的に使おうとする者は、歴史上でもほとんどいないと思っています。
ライン:なるほど。貴国はシンに直接聞いたから、シンの事がわかっているようですね。そのようなプランが現実化したら、この世から不幸という文字はなくなるでしょう。
ザバン:さすがライン殿。私もそう思っています。
ワンヌ:しかし、それが大企業計画の根本なら、なぜケダイ殿はシンの社会的抹殺を企てたのでしょうか?
ザバン:カソンの存在価値がなくなるとカソンは考えていたのです。
ガイ:そうです。俺はシンがかわいそうでならない。
ライン:なるほど。確かに貴国の言うことが真実であるなら、死なせてはもったいない。
ザバン:ということで、シンを国際的に認めてはもらえないかというのがローレンシア王国の考えです。
ジャルン:貴国のシンを国際的に認めさす狙いは何でしょう。
ザバン:カソンがシンに手を出せなくさせるためです。
ジャルン:なるほど。
ザバン:そういう事を踏まえながらカソンとの和解に踏み込みたいというのが我々の諸外国訪問の狙いです。
ライン:わかりました。私は以前からシンのことは考えていました。シンとはどういう者かと。いいでしょう。私が何とかしてみましょう。
ジャルン:そういうことであれば私共も何とかしてみようと思います。
ザバン:大変感謝します。
ジャルン:あと、貴国からの提案である我々IC5カ国の独立の件はやめ、州にしてはどうかというが、これはよくよく考えたら、非常にいい案でした。ありがたい助言、感謝します。
ザバン:いえ。和平のためです。
ジャルン:いやあ、貴国とはたくさん話したいものですな。
ザバン:今度、時間がありましたら、その時に。
ライン:しかし、今日1日で、IC5カ国を回るというのには恐れ入りました。我々には到底真似できません。
ジアース:あと、歓喜祭とインターナショナルマーケットの件もよろしくお願いします。資料はこれです。
ジアースは資料を渡した。ジャルンらは軽く中味を見た。
ライン:おおっ。これはまた凄い。我々は貴国がうらやましい。また、我が国の利益がどこで手に入るかも書いてある。
ジャルン:どうやら貴国は世界全体のことを考えているような気がします。
ザバン:世の中はGive and Takeということです。
ライン:貴国とはこれもなにかの縁。友好関係を保とうではありませんか。
ザバン:ありがとうございます。
ジャルン:では、本日は貴国は時間が無いようですな。貴国は要点を簡潔に話すのでとても話が面白いです。では他国との交渉の成功をお祈りします。
ザバン:では、失礼します。
と、ザバン一行はドミア国を後にした。
次はフラリパ国である。フラリパとは代表の3人と対談した。
ナポリ:ようこそフラリパへ。私が大統領のナポリです。
レオン:私は副大統領のレオンです。
エッフェ:私は外務大臣のエッフェです。
ザバン一行も自己紹介し、対話が始まった。
ナポリ:貴国らは今日中にIC各国を回ると聞いていますが、対話は少ししかできないのでは。
ザバン:大丈夫です。要点はまとめてあります。
レオン:まずはシンの件ですか?
ザバン:そうです。シンを国際的に認めていただきたい。
エッフェ:シンとは、一国の国王を動かすとは凄い人物ですね。
ナポリ:しかし、シンとはどういう者でしょう。
ザバン:シンの目的は大企業計画というものを成し遂げることです。その大企業計画は人々のためのもので、この世から不幸を消し去るプランなのです。
ナポリ:なるほど。もう少し細かく話していただけますか?
ジアース:はい。不幸を感じるものは、病気、貧乏、人間関係がほとんどです。病気は開発で、貧乏は仕事を与えることで、人間関係は人間性をしっかりすることでできると思います。大企業計画の外向けは景気回復、平和といったもので、その中身は景気回復を行なう細かな事業で社会を活性化し、景気回復を図るものであります。また、景気が上がれば、それだけ心が豊かになり、金銭などによる犯罪が減ります。また、メンタル面などの教育に関しては学校で使う教材を使ったりすることです。教えるものは企業の中で使うノウハウと、そこから広がる応用性の開発により、開発にも力を注いでいく。それがシンの大企業計画というものは全世界の問題が解決できるものであるのです。
ナポリ:確かに貴国が言うことは最もだが、実際シンは大企業計画をすると言って、結果がまだ出てないではありませんか。
ジアース:それはシンにはお金が無い、財源をカソンに奪われていてはとてもできるものではありません。しかし、シンの才能はカソン以上なだけに、シンには大きな力が必要だったわけです。
ザバン:つまり、シンには国を作る力があるということです。また、この世から不幸が無くなるのであれば、カソンのケダイではなく、シンを認めてほしい。
レオン:シンは相当な力の持ち主のようですね。
ザバン:我々は世界会議でシンを連れて行こうと思っています。そこでシンを改めて認めてもらいたいのです。
ナポリ:わかりました。これ以上の詳細は極秘のようですね。
ジアース:で、シンのアイデアも入っているのですが、我が国は歓喜祭とインターナショナルマーケットの準備をしています。我が国がそのようなイベントを行なう目的は経済です。このイベントでの貴国の利益については資料を渡しますのでご覧下さい。
ザバン:あと、ICの独立の件ですが、ICは独立するとその分国外との競争力が落ちると思います。独立ではなく、各5カ国は州という形にしてIC連盟みたいな感じで進めてみてはどうですか?
レオン:確かにその通りです。貴国の知恵は凄いですね。
ナポリ:そういう事であれば、我々はシンを認めざるを得ません。
ジアース:そうです。シンは全人類のために生きているのです。
ザバン:我々はカソンを潰せといっているのではありません。シンを国際的に認めることで、カソンがシンに手が出せなくなる。そういう考えで動いています。
レオン:大統領。我が国はローレンシア王国を支持しましょう。
ナポリ:そうですな。我が国は貴国を支持します。
ザバン:ではこの辺で失礼させていただいて結構ですか?
ナポリ:今度はゆっくり話したいですね。
ザバン:同感です。
と、ザバン一行はフラリパを後にした。
次はイタラリ国である。イタラリ国の首相官邸で会談は行なわれた。
ルハン:私が総理のルハンです。
ゼダン:私が元総理のゼダンです。
ローラン:私が国務大臣のローランです。
ザバンらの自己紹介も終わって、対談が始まった。
ルハン:貴国が我が国へ来た理由は、シンの件と貴国のイベントの件とIC独立の件ですな。
ザバン:そうです。
ゼダン:シンとはどういう者ですか?
ザバン:シンはこの世を幸せに満ちた世界にしようと思っていまして、その方法が大企業計画であったわけです。
ルハン:しかし、貴国は思い切ったことをやりますな。
ザバン:シンは死なせてはならない男なのです。
ローラン:しかし、大企業計画がいまいちわからないのですが。
ジアース:要するに、事業で生計を立て、また、事業を楽しむ事で、みんなが幸福になれればという事です。事業は生活の糧でもあれば目的でもある、そういったものがシンの大企業計画なのです。
ルハン:なるほど。で、具体的には?
ジアース:実はシンは全事業を考えています。IT,出版、教育、セールス、経営、観光、芸術、健康、不動産、技術開発、福祉などといったものです。
ゼダン:本当に全部ですな。
ジアース:シンは国レベルを超えて人類レベルの者なんです。
ルハン:その事業を全部わかっていたとするならば、死なすのはもったいない。
ザバン:シンの大企業計画は我々のしようとする所が共通点が数多くあります。
ローラン:それで貴国はシンを助けたいと。
ザバン:左様です。
ゼダン:難しい問題ですな。カソンとシンが両立できればと思いますが。
ガイ:そこを両立させるべきなんです。
ルハン:しかし、カソンのシンに対する攻撃は考えられませんな。人類の事を考えているシンが何故カソンに攻撃されるのだ?
ジアース:カソンの嫉妬もしくはエゴでしょう。
ルハン:しかし、シンを潰すことを正当化するカソンは宗教とは言えませんな。
ザバン:そうです。宗教が仮に幸せのためだとすれば、シンを不幸にしているカソンは宗教としては失格です。
ゼダン:貴国は宗教が無いのではありませんか?
ジアース:いえ、我々は世界と渡り合うために宗教のことを勉強しました。宗教はいい部分と悪い部分があるとも考えています。さらに、我々の基本となっているのは天の道理です。
ルハン:天の道理とは?
ジアース:天の道理とは、人が人であるために生きる道です。人間として最低限守らなければならないルールを守って生きることです。
ローラン:なるほど。そのルールとは?
ジアース:正統な理由なく相手を攻撃してはならない、また、真実を大事にしなくてはいけない、また、可能性のある者は生かされなければならない、ということだと思います。
ゼダン:なるほど。しかし、貴国の信念は凄いですな。一人の人間のために動くのですから。
ザバン:それは当然のことです。社会は人一人が集まってできているのです。一人が無ければ社会はありません。一人がいかに大事かはその一人を自分に置き換えればわかります。
ローラン:確かに。
ザバン:我々の考えでは、人類が繁栄していくためには、守るべきものを守り、この世の法則を解き明かす、これが大事と考えています。
ルハン:貴国はよく簡単に結論がどんどん出てきますな。
ザバン:我々の思考はそういう風にできています。
ゼダン:わかりました。我々は貴国というものを理解できました。
ザバン:では、シンを助けることには賛成ですね。
ルハン:正直言って、もう少し様子を見させていただきたいのですが。
ザバン:その答えでも充分です。我々が望むのは解決ということを忘れないでいただきたい。
ルハン:それは大丈夫です。
ザバン:次はICの独立ですが、独立ではなく、各5カ国を州にしてみてはどうですか?独立したら国際競争力は低下すると思いますが。
ゼダン:痛いとこ突きますな。しかし、我々の独立と貴国は関係ないのでは?
ジアース:そうはいきません。独立するということはIC内に不和があるということで、平和の維持に影響がでます。独立するのであれば、せめて、国交は断絶しないのが条件です。
ルハン:貴国の信念には感服します。確かに州という形はいい考えですね。
ザバン:では、貴国は「州」の案でよろしいと。
ルハン:他国がそうならば。
ザバン:わかりました。では最後に歓喜祭とインターナショナルマーケットについてだが、ジアース、説明してくれ。
ジアース:はい。歓喜祭は我が国のイベントです。我々は経済不況を越えるにはイベントが最もいい方法だと思っています。まずは歓喜祭では、我が国に来ていただいて、充分楽しんでいただこうと思っています。インターナショナルマーケットは、各国の文化財を集結させます。これを機にもの作りの再生、他文化への理解ができればと思っています。詳細は資料を見て下さい。
イタラリ側は軽く資料を見た。
ゼダン:これは驚きだ。貴国の考えなら世界経済が回復する。
ザバン:では、今日の対談に対し、話すべきことは話しました。また、時間があれば、貴国とはゆっくり話したいものですな。
ゼダン:私もそう思います。
ルハン:貴国は不思議です。人の心を開かせるオーラがある。また、核心を突く。貴国と話すのは非常に心地いい。また、対談しましょう。
ザバン:では、我々はこれで失礼します。
と、ザバン一行はイタラリ国を後にし、次へと行った。
次はカターン国である。カターン国側との対話が始まった。場所はカターン国総理官邸である。
イタラン:ローレンシア王国の皆様。ようこそおいで下さいました。私が総理のイラタンです。
フンセン:私は、元総理のフンセンです。
ブルラ:私は国務長官のブルラです。
ローレンシア王国側も、ザバン、ガイ、ジアース、テルルが自己紹介して、対話が始まった。
イラタン:では、貴国が我が国の訪問の目的は3つでしたな。
ザバン:はい。1つはシンの件。2つ目はIC独立の件、3つ目は我が国のイベント、歓喜祭とインターナショナルマーケットの件です。
フンセン:しかし、貴国は何故シンを擁護するのですか?
ザバン:この星にとって価値のある男だからです。
フンセン:しかし、我が国は貴国が理解できません。ケダイとシンの両方を生かせというのは無理があります。
ザバン:シンはこれからのものです。シンだけは絶対死なすわけにはいきません。シンはこの世の全ての人が幸福になる術を知っています。そういうものを見捨てるのですか?
イラタン:幸福になる術は大企業計画でしたな。
ジアース:はい。いたって現実的な考え方です。貧しい者には仕事を与え、目的の無いものには目的を与え、苦しみに対しては真っ向から解決していくというものです。
ブルラ:ずいぶん大胆な言い方ですね。
ジアース:ですが、我々はプロセスを聞いています。
フンセン:なるほど。企業は国と社会と生活を支えているという点では、非常に現実的ですが、シンは今までできなかったのは?
ジアース:シンにはお金がありませんでした。また、カソンからの妨害があり、また、シンに協力してやる者はいませんでした。
イタラン:で、貴国が代わりに大企業計画をやるということなんですな。
ジアース:そうなります。
フンセン:なるほど。もっと詳しく話せませんか?
ジアース:はい。シンの大企業計画は交易により観光・教育などにより、各国と深い結びつきになることで平和が保てるのが1つ、仕事により自分の目的、居場所、生きがいを見つけることで2つ、3つ目は、企業でイベント事業を行なうことでみんなで楽しむこと、4つ目は収入が安定していること、5つ目は地域が活性化されること、つまり、地域独特の産業の復興です。いかがなものでしょうか。
イタラン:理念は本当にすばらしいです。しかし、シンのプランは本当に大丈夫なのでしょうか。
ジアース:シンのプランは財源があればアローン国でも確実にできていました。しかし、シンの財源をケダイが奪っていてはどうしょうもなかったでしょう。
ブルラ:ただ、貴国はシンには各種の事業のノウハウがあるといいたいのですね。
ザバン:その通りです。話は進みますが、歓喜祭とインターナショナルマーケットという企画と立てています。そこでは、シンの考えが入っています。歓喜祭もインターナショナルマーケットも貴国から来客が来ることを望んでいます。
フンセン:インターナショナルマーケットとは何でしょう。
ジアース:インターナショナルマーケットとは、各国の文化・芸術・技術といったものを集結させます。
ブルラ:なるほど。これは壮大な計画ですな。どうなるか結果を見てみたいです。
ジアース:次はIC独立についてですが、我々はIC5カ国に心配していますのが、独立した後、IC各国の国際競争力が落ちることです。また、今までIC5カ国内で、国交がありましたので、独立しても、国交は続けるべきと思います。また、我々の案では、ICは1つの国として、IC5カ国は州としてやることが一番いいと思いますがどうでしょう。
フンセン:それはいい考えですね。
ブルラ:これが貴国の今回の主張ですね。
ザバン:はい。そうです。
イタラン:わかりました。最高会議を開きますので、我々のいい返事を期待して下さい。
ザバン:ありがとうございます。
ジアース:では、夜も遅いことですし、呂国とも時間がありませんので、ここで対話は終わりということでよろしいですか?
フンセン:はい。しかし、貴国とはもっと話がしたいですな。
イタラン:機会があれば、また話しましょう。
と、ザバン一行は1日でIC5カ国を回った。カターンのホテルで1泊した。
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