第12話 ローレンシア歓喜祭 その3 各代表者集まる(歓喜祭まであと89日)

 次の日、ミュウとジアースは爽快な朝を迎えた。

ミュウ:ジアース。おはよう。

 ジアースはミュウより先に目が覚めて、ミュウの部屋で本を読んでいた。

ジアース:ん。おはよう。今朝はなんかすがすがしいよな。

 ミュウは照れていた。

ジアース:では、今日やることはわかっているよな。

ミュウ:うん。各省庁の代表者を呼んで、会議でしょ。

ジアース:そうだ。メンバーはそこの紙に書いてあるから。

 ミュウは:メンバー表を見てうなずいた

ミュウ:この中には私の知らない人もいるけど、役職を見ると、みんなこの歓喜祭に力を注ごうという意欲がすごいでてると思う。

ジアース:みんな、この歓喜祭対し、思うところがあるのは俺も嬉しく思う。

ミュウ:じゃあ、顔を洗って準備をしないとね。

 ジアースとミュウは寝室から出て、顔を洗って食卓で朝食を食べた。

ミュウ:ところでジアース。企画書の方はできたの?

ジアース:うーん。本当は昨日のうちに作りたかったんだが・・・・・・。でも、頭の中では出来上がっているから、大丈夫だと思う。それに、会議で最小限必要なことは、ミュウが寝ているときにまとめたから。

ミュウ:え?私が寝ているときにそんなことしてたの?

ジアース:ん?あきれたかい?

ミュウ:いや、あの後に仕事を行うというのがすごいなあって。

ジアース:まあ、時間がなかってからね。

 二人は朝から快調だった。

 朝食が済んだ二人は、早速、王宮の会議室へ移動した。二人は一番乗りで、その後に来た各代表の企画員に一人一人握手をして、全員そろったところで会議は始まった。

ジアース:各省庁の皆さん。用こそお集まりになった。自家紹介する前に、まず最初は、今回の企画の名前をつけるのが先決だと思う。私と、ミュウは今回の文化祭をローレンシア歓喜祭と名付けたいが、皆はどう思う?

 名前に関しては異論無く満場一致で決まった。

ジアース:では、さっき、脇に置いた自己紹介をまず皆にしてもらおう。

 ここで、皆自己紹介をした。歓喜祭企画構成員をまとめると、以下の通りである。


防衛庁代表 キサン(男)防衛庁大臣次官

治安省代表 ロカン(男)治安省本署署長補佐

外務省代表 スピーク(男)副外務大臣

経済財務省代表 ドルア(男)経済財務省長官

教育省代表 リリィ(女)教育省広報部部長

厚生省代表 クロロ(女)厚生省衛生部副署長

交通省代表 ミール(女)交通省次官補佐

環境省代表 グリス(男)ローレンシア大学理工学部環境学科教授

労働省代表 ウォル(男)労働省企業監督部 部長代理

技術開発省代表 アンプ(男)技術開発省本部 部長

法務省代表 ロウ(男)副法務大臣 補佐

通信省代表 アルス(女)通信省報道部部長代理


団長 ジアース  副団長 ミュウ  臨時団員 サハリン


ジアース:では、今回の歓喜祭について企画書を渡す。企画書にはまだ大雑把な事しか書いていないが、これから皆と検討しようと思う。では、まずは開催地について。私は開催中心地を7箇所挙げてみた。この7箇所を木の幹とし、枝葉としては各場所でさまざまなイベントをやる予定でいる。

 その7つの都市の名前は下の通りである。

 ・シャムルル(首都)

 ・ゴンザル

 ・カラジン

 ・リオパル

 ・パレオザン

 ・カルメア

 ・イルメス

 ここで労働省代表のウォルが発言した。

ウォル:私は開催地はもっと増えてもいいんじゃないかと思います。開催地が増えれば動員人数も増え、参加者が多くなり、さまざまな消費活動がなされると思うが皆さんどう思います。

ドルア:私もウォルさんに賛成です。

メイル:わたしはか数的には妥当だと思いますが、虹の色も7つですし。

グリス:私は今のメイルさんの発言で思いついたのが、7つの色を各都市のイメージカラーにするのも悪くないと思います。

ウォル:なるほど、虹を出されると、私も7つでいいような気が致します。しかも、ラッキー7で縁起もいい。

アンプ:開催主要中心都市については、数はまとまりましたね。

ジアース:そうだな。では場所についての問題点は第1は交通の便と考えたのだが、皆はどう思う?

ミール:そうですね。シャムルルは首都ですから欠かせません。他の都市も地方では大都市です。イベントをするには交通の点から言えば、人の密集地帯ですので、集まりやすいのですが、世界の人々を呼ぶため、非常に考えられないような混雑が私は予想できます。

ミュウ:その辺については、さっきジアースが行ったとおり、今挙がっている都市は幹であって、そこに枝葉をも多作れば人は枝葉の地域に分散されることはできると思いますが・・・

ミール:なるほど。

アルス:私もミュウ様の言うとおりだと思います。

代表者は地方から選ばれているわけではないので、地元びいきがなく、話がまとまりやすいので、ジアースとしてもやりやすかった。

ロカン:では、もう決まりですね。

キサン:なんか、簡単に決まりますねえ。私は少し怖い気がしますが。

リリィ:私たちは似たもの同士なんですかね。

スピーク:いや、これからが大変だと思いますよ。

ジアース:まあ、雑談はこのくらいにして、開催地は先ほどの7つの都市で異論はないか。なければ先に進むが、意見があるのなら、手を上げてくれ。

 ここでは手は挙がらなかった。

ジアース:では、先へ進もう。次に重要なのは、何をするか、どういうイベントをするかが大事だ。ここで、皆様方に、遊び心を発揮してほしい。一応私がやろうと思っていることで、思いついているのが、資料の通りだ。

 歓喜祭イベント案(発案者:ジアース)

 (7大都市の開催地でのイベント)

・ミスローレンシアコンテスト

・コンサート

・展示

・クイズ大会

・名所巡り

・サーカス

キサン:私に一つ意見がありますが。

ジアース:どうぞ。

キサン:私はイベントは、全国各地で行うものと思っているので、程度別、都市別に分けて考えた方が無難だと思います。

サハリン:つまり、先に種類を決めてからイベント内容を決めるということですね。

キサン:そうです。

クロロ:私は、イベントの案は出そうと思えば大量に出ると思いますので、まずは、場所の確保が先決なのではありませんか。

ジアース:私は、イベント内容と開催地を同時に決めたいと思っているのですが、とにかく、イベントの規模によって会場を決めたいというのが、私の考えです。

グリス:ここで、我々の考えだけでなく、市民の声も聞いてはどうですか。この歓喜祭で、あなたのやりたいイベント、見てみたいイベントはないかと。

アンプ:だが、時間の関係上、決めれるところは決めておいた方がいいと思いますが・・・。

ミュウ:ちょっと皆さん。混乱していますね。どこから決めればいいか、わからない状態ですね。そこで、私は、決められるところは決めて、保留するところは保留するという虫食い表という空欄がある表を作成して、一つずつ埋めていけば、いいと思いますが。

アンプ:私はミュウ様に賛成です。

リリィ:私もミュウ様のやり方が、最善だと思います。

ロカン:それなら、早速虫食い表の作成をしなければいけないのでは。

グリス:私はまず地域別に分けてから表を作成した方が合理的ではないかと思います。

スピーク:まあ、それもいい意見ですが、その前に表と一緒に、考えられる企画の一覧表もあったほうが合理的ではないか。

ウォル:なるほど。

 ここで、組織団の者は、考えられる案を出しに出した。

ジアース:よし、もう昼になる。今日は午後は、皆さん別行動になる。私は皆がいったものを、まとめて明日の会議へ書類を作る。まとめる時間が欲しいので、今日のところは早いがこれで終わりにしよう。各自、今の発言した企画を実際に実行することを想定して、各部署のチームを作る準備をしてほしい。私からは以上。今日はこれで解散。メンバーは、会議室を出て、それぞれのところへ散っていった。ジアースとミュウとサハリンは自分の部屋に戻っていた。

ジアース:なあ、ミュウ。今回のメンバーは、みんな頭が切れるなあ。

ミュウ:ジアース。これって本当に一日で書類作れる?ジアース:もちろん、ミュウも手伝ってくれ。サハリンもだ。

 三人は書類作りに没頭して、今日の1日が終わった。


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