42ロリ 依頼の確認
金色のギルドカードに全ての視線が集中する。
目を限界まで見開いて愕然としている冒険者たち。
私はカウンターに行き受付嬢にカードを渡す。
「新しく街に来た。登録? を頼む」
「……」
受付嬢が固まっている。まるで屍のようだ。
「おい? お〜い? 大丈夫か〜?」
「……」
「おい!」
「はっ!?」
声をかけようやく正気を取り戻したようだ。
受付嬢は私とカードを見て目をパチクリさせる。
「あっ、登録ですね。少々お待ちください」
そう言うと受付嬢はカードを魔道具で何やらかする。
「これで登録が終わりました。メールを受け取ったら確認してください」
「ああ分かった」
受付嬢からカードを受け取る。
さて今日のところは依頼ボードでも見て早速宿に行こう。宿がどんなところか実に楽しみだ。そして明日の予定は、ソルジュのために剣を探す、帝都を散策してみる。そんなところだろう。
私はそんなことを考えている間に依頼ボードの前に行く。
依頼ボードに目を通す。
『農作業の手伝い』、『城壁の建設工事』、『地下道の大鼠の討伐』……etc。
「魔物の討伐関連は少ないんだな」
「そうなんだよ」
「ん?」
「やあ」
隣を見れば先程話しかけてきた爽やかなイケメン、ゾルドがいた。
「さっきは迷子だと勘違いしてた。ごめんなさい」
「あ、ああ別に構わん」
素直に謝るところがなおイケメンだ。
「ところでクルシュさんは今日帝都に来たばっかりなんですか?」
「ああ、そうだ。あと敬語はいらん」
「はい分かりまs……った。今日帝都に来たばかりなら知らないんですね。最近、魔物の数が減っていること」
「何?」
魔物の数が減っている? もしかして私のせいか? いや、でも最近なら私がくる前か。
「あくまで噂ですけど、近々
「
「ええ、その名の通り大量の魔物が街を襲う現象のことです。帝都には百年に一度そう言うことが起こっているらしく、前回が百年前だったて言う話だそうで、信憑性は高いです」
「なるほど、ね。わざわざ教えてくれてありがとな」
「いやいや、帝都に来たばっかりの人に情報を教えるのが、俺のような帝都に長くいる人の使命ですから」
かなりのいい人だ。他の荒くれ冒険者も真似してほしい。
「ところで個人的な話になるけど、もしかしてクルシュさんってあのアルバル盗賊団の頭を倒した人?」
「ああ、そうだ。知ってるのか?」
「もちろんですよ! ここ最近はその話で持ちきりですよ」
私のことはかなり有名になっているらしい。
私があの盗賊団を壊滅させたクルシュだと知ると場がまるで有名人に会ったみたいな感じになり騒がしくなる。
まあともかく依頼ボードの確認はできた。武器屋は明日行く。良い店は明日聞くとしよう。
では早速宿に向かうとしよう。
私はギルドを出てガリアに跨り、団長に教えてもらった宿へと向かう。
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