6ロリ 充実した食生活
私は農作業をしていた。
あの残虐な復讐系幼女がだ。
というのもこの森、野菜がなかった。
当たり前だ。魔物が蔓延ってるもの。
一応リリが神樹なので野菜を作り出すこともできるのだが時間もあるので自分で育てようと思い、リリから種子だけをもらい育てることにした。
結果は成功。
一週間に一度実るため大忙しだ。体も鈍らないのでちょうどいい。
そして肉はというと、ガジーラ先輩を頂くことにした。
先輩だったので一応供養をしてからいただいている。
一番恐ろしかったのはアルテナやリリもその肉を食べたことだ。驚愕だった。
自分用に切り分けていた肉を私が料理をして目を離している最中に二人してつまみ食いをしていたのだ。声が出なかった。
森の王の肉を神樹と守護者が食べていたことに驚いていたのだが、しかもガジーラの肉だと知って食べたことにさらに驚いた。
今までの敵の中で一番恐ろしい。
彼女ら曰く、「弱肉強食」とのことだ。
ちなみに味は最高だったらしい。
まあガジーラの肉は大量にあり数ヶ月は保つだろう。なので肉がなくなったら森を出るのもいいかもしれない。
これで肉と野菜が手に入り充実した食生活を得られた。
私は特訓の日々を送る。
◇◇◇
ある日の満月の夜のこと。
私はリリに許可をもらい、神樹に登っていた。
雲とほぼ同じ高さまで登り、枝に腰掛ける。
そして広大な森と燦然と輝く夜空を見つめる。
この異世界に転生して早二ヶ月。私的には三、四ヶ月だ。
色々なことがあった。
幼女に転生して魔物に喰われて、逃げる日々。
何度も喰われて殺された。あの痛みと恐怖は一生忘れることはないだろう。現に今でも思い出すと怖い。
そして私は堕ちて魔物を喰らった。
それから森の王を殺して、私が森の王となった。
濃厚すぎる二ヶ月だ。
今はスローライフを送ってはいるが復讐を忘れたわけじゃない。
私の目標はただ一つ。私をこんな目に合わせた張本人を殺すこと。
ついでに夢だった異世界を旅して、無双する。
しかし私は女に、しかも幼女になってしまっている。面倒ごとは増えるだろう。冒険者ギルドがあるらしいのだが、私は見た目で断られるかもしれない。まあその時はその時次第だ。
「はぁー」
私は何度目か分からないため息をつく。
「クルシュ……」
「リリ?」
声をかけられ振り向くとリリがいた。
「どうしたんだ?」
「クルシュ、何か辛いことあったの?」
「いや、特には……」
ある。
死に戻りを繰り返した。
私は未だに死に戻りのことを言っていない。
「クルシュ、無理はよくないの。我に言ってみるの」
見た目は幼い女の子だけれども、実際は数千年を生きる神樹だ。いつもの幼げな雰囲気はなく、大人な雰囲気を漂わせていた。
彼女の前ではあまり隠し事はできないのかもしれない。
私は素直に死に戻りのことを言う。
今までに幾度と魔物に殺され喰われたこと。
痛かったこと、苦しかったこと、辛かったこと。
私の苦痛の過去を全て吐き出す。
私はいつのまにか泣いていた。
私は堕ちて魔物を喰らったとはいえ、あの時のことはトラウマになっている。
そのトラウマが今、蘇っていた。
「ごめんね、クルシュ……」
リリが私を抱き寄せ、子供をあやすように頭を撫でる。
「リリは、関係ないだろっ」
「関係ある。クルシュはもう私の家族なんだから」
「リリ……っ」
私はリリの胸で泣きじゃくる。
◯お知らせ、というかお願い
PVは600を突破しました。意外と伸びています。
だから♡押してくれてもいいのよ?
まだ3つしかないのです。
もしかして読者の皆さんはツンデレですか?
あ、あとスキル【月日之写身】を【天照之写身】に変更しました。
「2ロリ 堕ちて復讐する」の初出から変わっています。詳しくはその話をご覧ください。
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