5ロリ 拠点作り

 そうと決まれば家を作りたいが、木で作るか?

 いやでも建築とか知らん。建築は積み木と違ってややこしい。土台とか柱とか屋根とかを考えなけれんばいけない。


(そういえばこいつ木の枝で椅子と机作ってたな)


 私は彼女を見やる。


「なあさっきやった木の枝を操るやつで家作れるか?」

「ええ、できますよ」

「ならそれで家を――」


 ――作ってくれ。

 そう頼もうとしたときそれは突然現れた。


『神樹の身体を構成、構築。人格形成、完了。顕現』


 そんな無機質な声が響いたと思えば――


「――それなら我も混ぜるのぉー!」


 ――私と同じくらいの幼女が現れた。

 うっすらと輝く金髪、深緑の瞳は美しく、そしてなにより可愛い。


「神樹様!?」

「神樹? この子がか?」

「失礼ですよっ! 頭を下げなさい!」


 彼女はそう怒り、私の頭を無理やり下げる。


「……我、アルテナのそう言うところ嫌いなの」

「えっ!?」


 神樹の幼女に嫌いと言われ狼狽る守護者。


「我はアルテナに友達みたいに接して欲しいの」

「ですが神樹様は――」

「それと名前で呼んでほしい。呼ばないならずっと嫌い」

「ッッ!?」


 アルテナは地べたに四つん這いになって見るからに落ち込んでいた。

 愛娘から嫌いと言われたような感じだろうか。


「クルシュも我と友達になろっ」

「あ、ああ。それでお前の名前は?」

「我はリリアルテ・ミル・ナーヴェルサーガなのっ。お母さんからもらった名なの」

「ちなみに神樹様の母上は大地の女神様です」

「アルテナ?」

「ッッ」

「……ならリリと呼ぼう」

「よろしくなのっ、クルシュっ」

「ああ、よろしくなリリ」


 可愛い。

 そしてアルテナは相変わらず落ち込んでいた。


「それで家ってどんなのにするのー?」

「うーん、そうだな――」


 私はリリと家について話し合った。

 リリも一緒に住むだの、それなら私も住みますとアルテナがしれっと話し合いに参加したり、私が風呂は欲しいと懇願したりして各々の要望をまとめて家の設計を行う。


「よしっ! これでいいだろう!」

「完成なの!」

「あとは建てたら完成だな。リリ頼む」

「分かったなの! 行くのー!」


 リリはそう言って、腕を上げる。すると無数の木の枝が地面から生え家を形作る。さすがは神樹だ。

 私は土魔法で石を作成し屋根や風呂部分を作る。

 そして細かいところを整えたり家具を配置して、ようやく家が完成した。


「「おおー!」」


 私とリリは声を出して驚く。

 イメージ通りにできいい感じの家となった。

 見た目は和の雰囲気だ。


 玄関に入る。

 玄関はそれなりに広く玄関床の石と廊下の木が良い感じだ。語彙力が低い。

 玄関を進むと廊下に当たり、右側はトイレと洗面所やお風呂、左側はLDKがあり、前には階段がある。


 まずお風呂を見るとしよう。

 トイレは洋式の水洗トイレだ。よく異世界に行ったらトイレにこだわる奴がいるが私は別にこだわりはない。あったとしても作れない。

 洗面所は木を前面に出した。水道も魔法によって使えることができる。

 風呂場に入る。


「これがお風呂!」

「すごいですね」


 初めて見るお風呂に驚くアルテナとリリ。

 銭湯のような風呂にしてあるため広々としており、異世界らしさは感じない。ここだけ日本のようだ。


 そしてLDKの方に向かう。

 扉を開ける。素晴らしい。語彙力がないためうまく伝えれないが素晴らしい。

 ソファや木の机があり外を眺められるリビング。

 ダイニングテーブルと三人分の椅子があり食事を楽しめそうなダイニング。

 そして料理がしやすそうなキッチン。料理を作るのは私だ。リリはもちろんアルテナも料理をする必要がないためできなかったので、ある程度料理ができる私が作ることになった。今気づいたが野菜とか肉ってあるのか? 魔物肉ならあるが……

 閑話休題。


 三人で暮らすには十分だ。


 そして階段を上り二階に行く。階段はあれだ、貴族の屋敷にあるような上ると右と左で二つに分かれている、あれだ。名前はあるのだろうがあいにくと知らない。

 先に右へ行く。といっても右の部屋も左の部屋も同じだ。


 階段を上り扉を開ける。

 右手にはテラス、左手にはベッドがあり、ベッドのそばにはクローゼットもある。十分に広い。

 階段を左に行った方の部屋も同じだ。


「すごいな、リリは!」

「そう? えへへ」


 リリやアルテナがいなければこんな立派な家はできなかっただろう。


「我は今、最高に楽しいの! 今までずっと暇だったから……クルシュと会えて嬉しいの!」


 眩しい。彼女の笑顔が眩しい。

 満面の笑みを浮かべ私に抱きつく。私も抱き返す。


 考えられなかった。

 男子高校生だった私が異世界に幼女として転生して、地獄を知り魔物を喰らって、まさかこんな美幼女にあえるなんて。私も十分な美幼女だが。

 私は幸せな生活を得た。


「それじゃあ、クルシュ。三人でお風呂に入ろうなの!」

「……え」

「いいですね」

「おい、私は元男なんだが」

「それがどうかした? なの」

「いやお前らは女なわけだし」

「別に気にしませんよ。それに今のあなたは幼女です」

「そうなの! 元なんて気にしないの!」

「それと正直にいうと今のあなた汚いです」

「うぐっ」


 確かに一ヶ月半戦ってばかりで衛生面は特に気にしていなかった。そのせいで髪はボサボサで血だらけ、体も返り血がつき汚い。


「っておい! 離せ!」

「離しません。一緒に入りますよ」


 私はアルテナとリリに腕を引っ張られ無理矢理連れて行かされる。

 なんだこいつら力強っ。


 そして風呂場に連行され、パパッと服を脱がされる。アルテナとリリも特に気にした様子はなくパパッと服を脱ぎ裸となる。

 肌色が目に入る。

 咄嗟に目を逸らす。幼女のリリに欲望を抱いたらいろんな意味でアウトだが、アルテナは反則だ。豊満な胸が強調されて目が釘付けになりそうだった。


 私だって元は性欲真っ盛りの男子高校生なのだ。

 女には興味はある。だがいざ現実となると恥ずかしい。


「大丈夫なの。見た目的には幼女二人と保護者なの。超健全なの。むしろ微笑ましいの」


 悪魔の声が囁かれる。

 私は心の中で葛藤する。

 元男として抵抗するか、女として諦めるか。


 そして――


「もう、好きにしろ」


 私は諦めることにした。

 抵抗したところで無駄だろう。

 だってこいつら力強いし。


「なんでも好きにしてくれ」

「なんでも? 今なんでもって言った?」

「いや、なんでもは……」

「いや絶対に言った。我は神樹。全ての植物の頂点。ここに百合の花を咲かせましょう!」

「え、いや、待っ――――キャッ!」


 二人に無理矢理、女の体を知らされた。例えば、髪の洗い方や体の洗い方、特に髪のケアは大事だから特に気を付けろと言われた。

 そして綺麗に洗われた私は可愛かった。

 白く長い髪が美しくなびき、白い肌があらわになる。


 そして暇すぎて性欲でも溜まっていたのだろうか。

 その後、変態おじさんになったリリとリリの命令で混ざったアルテナに私の体を貪られたのであった。






 女って…………いいな。






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