1ロリ 強く強く
私は湖のそばで生き返る。
私はあの怪物になす術もなく殺されたようだ。
私は十分に強いと思っていたがまだまだだった。
あいつを殺さなければ私は前に進めない。
死んだせいで魔物から得たスキルも無くなっている。
だがまたやり直せばいい。
私は今までより強くなればいい。
子熊が現れる。
私は【天照之写身】を使って瞬殺する。
そして後ろに現れた大熊も殺して喰う。
(私はもっともっと、強くなる)
私はあの怪物に抵抗できるだけの力を求めて走り出す。
◇◇◇
私は技術を磨いた。
魔物から得た力を我がものとするために、【天照之写身】がなくてもあいつと戦えるために。
私は広い森を駆ける。
魔物を殺して喰って、力を得る。
魔物と戦って力の使い方を知る。
魔力の効率的な流し方。
スキルの効果の高い使い方。
私は生きるためにどこまでも足掻く。
たとえ大きな壁が私を待ち受けようと、強大な敵が私を殺そうと私は止まらない。
私はどこまでも進む。
――そうして、一ヶ月半が過ぎた。
前回と同じように日没後に奴はまた現れた。
地面が盛り上がり徐々に奴が顔を出す。
(私は前回よりも強くなった)
(私はもう負けない)
(私は――――っ!)
私は奴が私を視認する前に駆け出し、奴の頭に近づく。
「よぉ、初めまして」
「キュァァァァァァ!!」
奴はやっと私を視認し腕を振る――しかしそれよりも私の方が早い。
私は奴の眼球に手を突っ込み爆発を引き起こす。
たとえ体表が硬くても眼球は柔らかかった。
爆発が起きる。
脳も破壊してくれると嬉しかったのだが、目一つしかつぶせなかった。まあ、視界を片方失わせたので十分だ。
私は高速で周囲を走り奴を錯乱する。
(どう対処する?)
奴は口を下に向け火炎を吐き出す。
(やはりお前はゴ◯ラか!!)
私は咄嗟に上に逃げる。
そして顔に近づき再度爆破を起こそうとするも手で払われてしまう。
奴を観察すると先ほどより反応が鈍っている。
おそらくだが火炎放射も無尽蔵に放てるわけではないようだ。
しかも放った直後、一瞬だが体が硬直していた。
その一瞬を狙えば一撃はいける。
私は一度離れ、大きめの魔法を放つ準備を始める。しかし奴はそんな暇を与えようとせず、ドシンドシンと地面を揺らして走ってくる。
私は魔法を作り上げながらも奴の攻撃を回避する。目が片方ないおかげか空振ることもあった。
そして――
「ほらっ、私のとっておきだ!」
「キュア!?」
火・水・風・土の四属性を合わせた魔法を奴にぶつける。
大きな爆発や暴風を起こし奴を吹き飛ばす。
煙が晴れると奴は火傷を負いながらも立っていた。
(化け物めっ)
私は、かなりの高威力の魔法をぶつけたのだが火傷で済まされたことに悪態をつく。
しかしこの距離では奴も攻撃できまい。
叩こうにも手は届かないし、火炎放射は弱点がバレているので早々使うことはないだろう。
私は雷の魔法を――
「ッッ!? くっ」
奴はなんと地面を掴み、そのまま土を投げてきた。
高速で飛んでくる石や土。
私は魔法を中断して、風魔法で攻撃を逸らして守る。
それでも完全には守りきれずに、石が私を直撃しようとする。だが間一髪で避ける。
なんとかかすり傷ですむ。
そして、奴は火炎放射をする。
火炎は私のところまで一直線に突き進む。
油断はしていたがこの程度っ。
私は必死に飛行し炎を躱す。
奴は火炎を放射させたまま私を追う。
私は奴の火炎を躱しながら奴に近づく。
そして――
「死っねええええええぇぇぇっっ!!!」
「キュワァ――ッッ!?」
私は奴の火炎放射を利用して、奴の顎を蹴り上げて奴の体内に炎を留める。
大きな爆音を立ててゴ◯ラが燃える。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……やった、か?」
私は息を切らして奴を見る。
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