3.データも簡単に死ぬ

 紙とかの物理的なものに書き留めて記録をつける、という原始的な方法のほか、電子的な物体へ記録して残すという記録方法が普及して久しい今日このごろ。

 何もなければ半永久的に保存が出来る電子記録媒体は、とても便利ですよね。

 今回はそれについて思っていることというか教訓というか、失敗談を書いていこうと思っております。



 私には五、六年ほど苦楽を共にしたパソコンがおりましたがこのたび他界いたしました。

 HDD一体型の体の大きなひとでした。

 容量も要領も良く、無茶な操作に怒ることもなく、また、理不尽なゴミ箱ひっくり返しにもいやな顔一つせずに付き合ってくれる寛大なひとでした。

 私には勿体ないくらい過ぎたひとだったのです。

 そんな彼だか彼女だか(性別の設定忘れたな……)に全幅の信頼を寄せていたものですから、彼だか彼女だか(以下、彼彼と略)に創作のほとんどを預けていました。


 これが良くなかった。


 たまごは一つのカゴに全部入れるな、という格言があります(なんかちょっと違う気もする)。

 カゴを運ぶとき、それを落としてしまったらたまごは全部割れてしまいますよね?

 でも、何個かずつを違うカゴに入れていたらいくつかは生き残る。

 投資のリスク管理の考え方です。

 投資って怖いですよね。儲かってるー調子がいいぞーどんどんいけーというムードでも、一分後には状況が変わり、一時間後には値が動き、一日後にはお金がただの紙くずになることも無くはありません。

 ですので投資をするときは違う銘柄・種類を複数持って一点買いは避けるといった動きをしたりします。

 他にも一点買いは別のリスクも孕んでおりまして話が逸れました。


 戻します。


 戻すには戻すのですが、リスク管理という面でいえば先の投資話で出たカゴの考え方ってわりと別の場面でも有効だったりします。

 今回私は創作のほとんどを彼彼に保存していました。その彼彼は逝去しました。

 結果、何が起きたのか。


 アンサー、データの逝去です。


 そうです。HDDに保存したデータは彼彼が死んだその瞬間、心中してしまうのです。

 これには私もさすがに放屁しました。

 失礼しました。放心しました。

 創作のほとんどが消し飛びましたからね……。

 それに伴ってカクヨムで連載しようとしていたアレやノベプラで連載していたコレが全部パーになったというわけなのです。

 失ったものは大きい。しかし今回、彼彼の死を経てわたくし学んだ。


 クラウド管理の徹底。記録場所の分散。

 そうです。リスク管理です。

 一つのカゴを落としても、他のカゴにも入れておけば大丈V。クラウドなら別端末でも取り出しができて取り回しもいい。

 学んだ。

 この手法。

 ただ、クラウドを絶対的に信じて依存するのもまた違いますけどね。


 痛みのない教訓には意味がない。

 ハガレンは真理を教えてくれるってはっきり分かんだね。


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