第4話『じりじりと縮まる点差』
16-23、7点ビハインド
六畳のサーブのターンはまだ終わらない。
当初、強豪高校は精神的に余裕だった。
「ドンマイ、ドンマイ」
「何やってんスか~」
「こらこら、罰走もんだろこれw」
その雰囲気も・・・
一点、また一点と・・・
点を取られていくほどに・・・
沈んでいく。
こんなことあり得るのか?
などという乾いた笑いに変っていった。
タイムアウト!!
強豪校監督はたまらず、タイムアウトを選択する。
$$$
「何だ?あのサーブ」
強豪校の部員がぼそりと呟く。
ジャンフロのなりそこないだ。
あんな中途半端な弾、簡単な弾
落とすはずない・・・そのはずなんだ・・・
「兎に角だ!」
「姿勢を最大限低く、あのサーブを上にあげる、それだけを意識しろ、他のことは考えなくていい」
「「分かりました」」
$$$
脆弱高校ベンチに会話はない。
六畳がサーブを一本ミスっただけで終わる。
口には出さないが、もう負けだろうとほとんどの者があきらめていた所に
これである。戸惑いを隠せない。
案外このまま勝っちゃったりしてな・・・はは
部長のぎろりとした眼光が声を漏らした部員に向く。
「すんません」
雰囲気は依然として暗いままであった。
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