幼女魔王の護衛兼救出任務
第15話 取りあえず任務へ
「マジかよ……」
「魔王の救出及び護衛?」
「信じられんと思うが、事実なる任務だ」
あれから数日、任務先にある世界へ赴くべく、俺達は準備をしていた。
ファンタジー世界で行われる任務とはいえ、まさかの魔王に関するものだ。
ファンタジー小説やアニメ、ゲームに登場する悪の親玉を守らねばならんという、かなり複雑な任務だ。レクス様の話によると、その魔王はまだ見習いに等しく。歴史の改ざんによる危険性は皆無に等しいが、その魔王が死んでしまうと、こちら側にも危険が伴うという事だ。
相当重要な人物だという事になる。
結衣達も納得しない素振りを見せるが、残念ながら命令であり、任務だ。
失敗は……許されないだろうな。
「兎にも角にも、先ずは向かうぞ」
*
6899の世界にて、到着した俺は念話でレクス様に連絡する。
『こちら陸也。目標の世界に着いた。情報を貰いたい』
『了解、今回の任務は前に言った通り、魔王の救出、護衛が任務だ。ただ、君の言うに複雑な任務となるだろう。まずはその魔王を探せ。その魔王の性別は女だ』
女魔王か……噂では夢魔族の女の子とかか?
『残念ながら、彼女は夢魔族ではない。正真正銘の魔族だ。特に上級のね』
おお……それは恐ろしい奴だ。
だが、何でそんな奴を護衛せねばならないんだ?
『まぁ、言いたいことはわかる。はっきり言うと、彼女が動かないと時空が完全に歪められ、僕達の手間が増えるって訳』
そりゃあ大変だ。失敗は許されないぞ、コレ。
『彼女はここから東にある森、「死竜の森」に隠れてる。合流したまえ』
「了解した」
俺は念話を切り、二人に伝える。
「行くぞ。此処から東に行った森に魔王様が隠れてる」
「了解」
「けど、大丈夫なのか?その魔王ってやつクソ強くねぇのか?」
護衛の必要性を言いたいのか?まぁ、強いとも限らないからな。一応という計算を入れたんだろう。
「今回は俺達の
「御意」
「うーす」
なんだこの元気のない了解は……。まぁ分からなくもないけど。
*
数時間して、俺達は死竜の森へ着く。
この森は魔族の領地となっており、人間が迂闊に入ると一瞬で命を落とす魔の森ともされてるらしい。死の概念がない俺達やゾンビとか大丈夫なのかは聞きたくないな。
「こんな恐ろしい森に魔王様がいるのかよ」
「木を隠すなら森の中、魔王とやらを隠すなら危険な場所という事か」
何か合ってるようで違う気がするなぁ……。
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