幼女魔王の護衛兼救出任務

第15話 取りあえず任務へ

「マジかよ……」

「魔王の救出及び護衛?」

「信じられんと思うが、事実なる任務だ」


あれから数日、任務先にある世界へ赴くべく、俺達は準備をしていた。

ファンタジー世界で行われる任務とはいえ、まさかの魔王に関するものだ。


ファンタジー小説やアニメ、ゲームに登場する悪の親玉を守らねばならんという、かなり複雑な任務だ。レクス様の話によると、その魔王はまだ見習いに等しく。歴史の改ざんによる危険性は皆無に等しいが、その魔王が死んでしまうと、こちら側にも危険が伴うという事だ。


相当重要な人物だという事になる。


結衣達も納得しない素振りを見せるが、残念ながら命令であり、任務だ。

失敗は……許されないだろうな。


「兎にも角にも、先ずは向かうぞ」



6899の世界にて、到着した俺は念話でレクス様に連絡する。


『こちら陸也。目標の世界に着いた。情報を貰いたい』

『了解、今回の任務は前に言った通り、魔王の救出、護衛が任務だ。ただ、君の言うに複雑な任務となるだろう。まずはその魔王を探せ。その魔王の性別は女だ』


女魔王か……噂では夢魔族の女の子とかか?


『残念ながら、彼女は夢魔族ではない。正真正銘の魔族だ。特に上級のね』


おお……それは恐ろしい奴だ。

だが、何でそんな奴を護衛せねばならないんだ?


『まぁ、言いたいことはわかる。はっきり言うと、彼女が動かないと時空が完全に歪められ、僕達の手間が増えるって訳』


そりゃあ大変だ。失敗は許されないぞ、コレ。


『彼女はここから東にある森、「死竜の森」に隠れてる。合流したまえ』


「了解した」


俺は念話を切り、二人に伝える。


「行くぞ。此処から東に行った森に魔王様が隠れてる」

「了解」

「けど、大丈夫なのか?その魔王ってやつクソ強くねぇのか?」


護衛の必要性を言いたいのか?まぁ、強いとも限らないからな。一応という計算を入れたんだろう。


「今回は俺達の小隊チームでこの任務を受けてるからな。連携は必要不可欠だ。回りくどいと思うが、どの戦いにおいて連携は大事にしろ」

「御意」

「うーす」


なんだこの元気のない了解は……。まぁ分からなくもないけど。




数時間して、俺達は死竜の森へ着く。

この森は魔族の領地となっており、人間が迂闊に入ると一瞬で命を落とす魔の森ともされてるらしい。死の概念がない俺達やゾンビとか大丈夫なのかは聞きたくないな。


「こんな恐ろしい森に魔王様がいるのかよ」

「木を隠すなら森の中、魔王とやらを隠すなら危険な場所という事か」


何か合ってるようで違う気がするなぁ……。

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