第13話 飛竜狩り

作戦を決めた後、俺は一足先に前線に立つ。


不死殺し用のライフルを構え、狙いを定める。

あまり動いていない奴より、ブレスを吐いてあちこちを焼いている飛竜を狙う。


目標は頭。一発目は外してもいいが、二発目は死だ。狙撃手スナイパーの常識ではあり得る話だが、俺もそれを信じている。


「……そこか!」


頭へと狙いを完全に定め、射線、射程距離も十分。

引き金トリガーを引き、銃声が鳴り響いた。


一体の黒い飛竜の頭部の鱗を貫通し、地面に落とす。

周りの仲間の飛竜は何が起きたかと、銃声がした方を向く。


「グルルル」


一体が俺を見つけたのか、迫ってくる。

一直線で来てくれるおかげか、そんなに狙いを定めずに片手でライフルを構えた。


「ほらよ。お前さんにもくれてやる」


再び発砲する。またしても頭部に被弾し、俺の頭上に来る前に地面に落ちた。

色は黒くて狂暴な飛竜でも、この武器の前では殺虫剤にまかれて落ちるハエみたいなものだ。


そんでもって辺りを見ると。


「おらぁ!墜ちれ!墜ちやがれ!!」


結衣はダラダラとライフルをぶっ放しながら迫る奴を素手でぶっ飛ばしてるし。


「来たな!」


火種はわざと注意を自分に向けて、接近戦やブレスを魔法が付与された刀で薙ぎ払ってるしで、さすがレクス様が選んだ人材だ。これは大事にしないといけないな。


「グアアア!」

「おっと、2匹も来てくれたか。ボーナス追加ってところか」


二体の黒飛竜を全て能力で屠る。サイコキネシスで重力場を作り、浮力を無くす。

これで先ず飛べない。


「【念動鎖サイコチェーン】」


地面から無数の鎖が出現し、二体の黒飛竜を縛る。


念動鎖サイコチェーン。超能力で出来た鎖で、相手を捕縛するために開発された超能力だ。力加減次第で絞殺可能で、汎用性のある超能力だ。


「さよならだ」


手刀に【混沌魔王神の神力】を付与させ、二体同時に両断する。

無論、即死だからな。死の概念がない連中でもこの能力を喰らえば強制的に死ぬからな。まぁ対策法はあるがね。


「これで三匹は始末した。そっちはどうだ?」


火種、結衣に声をかけようとしたところ、結衣が一撃で黒飛竜を殴り、不死殺し用のライフルで脳天を撃ち抜く。


火種は不死殺し用のライフルと刀を用いて首や翼を切断してる。上々に倒せてるようだ。






あれから十時間。飛竜たちを殲滅し、辺りに静けさが漂う。

不気味ではあるが、仕方のない事だ。


被害を確認したところ、民家の一~二軒がやられた程度で済まされた。

そういえばこの時期は爬虫類の生物が活発になる時期。そりゃあ飛竜やドラゴンが来てもおかしくないな。


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