第6話 侵入

深夜にて、グレゴスの屋敷。

俺は門番の前に立って、超能力を行使する。


「【催眠ヒプノーシス】」


催眠ヒプノーシス、名の取り相手に催眠をかける超能力の一種。

催眠をかけられた相手は術者の思うがまま……って奴かな。


「ここに俺以外の人が通るが、見なかった事にしろ。それと、お前たちも休憩してろよ?」

「はい。分かりました」


良し、これで潜入できるな。


「行くぞ」


そう言って合図するとギラルが来る。


「本当にやってしまうとはな」

「だが催眠にもタイムリミットがある。油断するな」


門を開け、ギラルが侵入したのを確認したら門を静かに閉める。


「作戦は?」

「お互いに別々のところから侵入する。別に真正面からでも構わないが、できれば素早く済ませたい」

「それはこちらも同じだ」


そりゃそうか。何も抹殺は物理的に殺せやればいいって訳じゃないからな。

しかし、豪華な屋敷だな。それでかつ悪魔教団。どうやってバレずにやっていけたんだよ……。


俺は1階の窓をこじ開け、中に侵入する。それとは別にギラルは屋上まで壁を伝って登る。蛇なだけに高いところから攻める感じか。


まぁ……こっちはこっちでやるだけだ。




数分、ステルスアクションを駆使しながら屋敷内を探索してると、ある部屋に辿り着く。


「何だ此処?」


拷問用の椅子から焼き印とか付ける道具まである……。

しかもこの印、この世界じゃ異教徒として扱われる印じゃないか。


よし、グレゴスの調理法が決まった。

俺はギラルに念話を入れ、調理法を伝える。


『成程、社会的抹殺か。確かにこの世界の貴族は異教徒の印があった場合、地位と名誉を剥奪されるからな。悪くない手だ』

『それはそうとそっちはどうだ?』

『こっちは衛兵の警備を絶賛突破中だ。ザル警備であるのが不明だが』


警備がザル?おかしいな。俺の方は結構いたぞ。

念話をしながら探索を続ける。何か隠し通路がないかと他の能力を行使しながら探す。


「うーん…ん?」

『どうした?』


探してる時、違和感を感じる壁を見つける。

試しに壁を超能力で破壊すると、地下へと続く階段を見つける。


『ほう、こりゃあ驚いた』

『どうしたんだ?何かしたからものすごい音が聞こえたが…?』


ああ、すまん。


『地下へと続く道を見つけた。ちょっとそこも探索してくる』

『気を付けろよ』


階段を降りる。降り終えた先は地下道になっており、かなり暗い。

一応夜目だから暗い場所は大丈夫だからいいが、明かりは付けるか。


「【ライトキネシス】」


辺りが照らされ、照らされた先一本道で奥へと続いている。

奥にある扉には魔法陣らしきものが刻まれているの見えた。

趣味悪!


奥へと進み、扉のドアノブに触れる。特に罠はない。

ガチャガチャと扉を開けようとするが、鍵がかかってる。


「【鍵破りピッキングブレイク】」


この能力はカギを開けるための能力。無論、どんなセキュリティの金庫すらも開ける事すら可能である。これ一つで泥棒ができるわけだ。


ガチャンと音を立てて、扉が開く。


中に突入すると中に十何人か魔法使いらしき人物と牢屋らしきものがあった。

その中に司祭らしき服装をしたおっさんもいる。


「何だお前は!?」

「どうやって地下の入り口を見つけた!?」

「それを言う気はない」


俺は念話を入れ、ギラルに連絡する。


『陸也だ。どうやら何か儀式の最中に邪魔してしまった。それに一人、司祭様らしきおっさんもいるんだが……』

『……!陸也!!そいつだ!そいつがグレゴスだ!』


お!となると丁度標的を見つけたわけだ。

運がいい。さて、社会的抹殺か物理的抹殺か迷うな。


奥にある牢屋を見る。中には幼い少女少年が入っており、表情ではもう目のハイライトが消えてる。かなりの時間放置されてたのかな?


その中で一人だけ怯えてる少女がいた。しかもその姿を見たことある。

……何でラミルが牢の中に居るんだ?


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