第25話 エロい戒律
仕切り直して俺は、あいくる椎名を抱き寄せ、あいくる椎名が俺を抱き返した。そのときすかさず俺は大声で言った!
「毎朝、おはようのチュウをすること!」
「はいっ!」
「言った! 言ったわね、 まだまだ微エロだけど、良い調子よ!」
カホウが顔を赤く染めながらも力強く言った。よしっ! 俺は心の中でそう叫んだ。ところが……。
「無効ー!」
見届け君は無情にも俺の野望を打ち砕いた。無効って何だよ。カホウの分析によると、あいくる椎名が俺の戒律を心から受け入れようと思っていないからだとか。だから、2つ目の戒律が受け入れられないんだって。
「どうやら、押しが足りないようね!」
「おっ、押し……。」
「もっと具体的なことをイメージして戒律を述べるのよ!」
俺は、こんなことでめげるような男の子じゃない! 何てったって、勇者だもの。だから、そのあとも勇敢にあいくる椎名と見届け君に立ち向かった。けど、したことのないことをイメージするのって、難しいんだよ。
「頬擦り! 毎日、頬擦り!」
「はいっ!」
「無効」
「ここじゃ常識よ!」
「ほっぺにチュウ!」
「はいっ!」
「無効」
「それも、常識!」
「じゃあ、一緒にお風呂入る!」
「はいっ!」
「無効」
「惜しい!」
「お手手にぎにぎ!」
「はいっ!」
「無効」
「ダメかぁ……。」
「自転車2人乗り!」
「はいっ!」
「無効」
「……でしょうね……。」
はじめのうちは、俺の味方になって一喜一憂していたカホウだったが、次第に飽きてきたみたい。あいくる椎名の返事はいつも快いものだけど、何故か見届け君は一向に認めてくれない。だったら、とっておきのやつをお見舞いしてやる! 俺は強くイメージして言った。
「毎朝ごはんができたら、フライパン叩いて俺を起こす!」
「はいっ!」
「無効」
「あ……ありえ……ない……。」
「食パン咥えてダッシュして俺にぶつかる! んでもって入れ代わる!」
「はいっ!」
「無効」
「……でしょうね……。」
も、もうダメか? いいや。まだまだ……。
「カラオケでデュエット!」
「はいっ!」
「無効」
「良い加減にして! もう飽きたわよ。とっととエッチさせろって言いなさーい!」
カホウが俺を一喝した。
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