第18話 復讐編 『俳優王への道』
さて、舞台稽古が始まって、毎日が忙しい僕だったが、しばらくは特別何事もなく、日々が平穏に過ぎていった。
和流石建設はその間にも、孤児院の跡地に着々とショッピングセンタービルの建設を続けていた。
時折、その場所を通っては、悲しみを胸に秘め、ヤツラへの怒りの気持ちを再確認する・・・。
だが、ヒョウリとの誓いも忘れてはいない・・・。俳優王に僕はなるんだ。
俳優王・・・俳優ランキングで世界1位になるには・・・。
俳優として、世に出ることがまずは必須である。
舞台、テレビ、ネット、映画、ゲーム、音楽、政治、経営者などなど、まずは知名度ランキングで上位に来なければ、まず評価されない。
さらに、演技力評価が高くないといけない・・・つまり、マスメディア、ネットでの評価が高くなければならない。
そして、人気も必要である。つまり人気ランキングが高くないといけない。演技力が高くても、人気がなければやはり俳優王にはなれない。
そして、人気にはカリスマ・魅力が高くないといけない。また、観客・視聴者動員力が必要となるため、経営力も必要となる。
つまり、総合的な俳優としての能力が評価されるということになる。
その点、ジャパンエリアは、アメリカエリアについで世界人気が高い。ヨーロッパエリアはジャパネリアのカルチャーが人気だからだ。
現在、世界の俳優ランキングは、こうなっている。
1位:謎の俳優:ドッペルゲンガー・ボーマント
・・・彼が出演する全ての公演、映画、ドラマは100%大ヒットし、ロングランになる。
彼は、どこに所属して、どこの出身で、いつ、何に出演するかなどまったく情報が公開されていない。
謎の鑑定集団アカシックレコーズでも、そこは明らかにされていない。彼の信条・ポリシーなのかもしれない。
2位:世界のカリスマ・カメレオン女優のレオーナ・バッキ・キング
・・・彼女はアメリカエリアのハリフォレスト映画界の女王とも言える。
彼女は千変万化、百花繚乱、あらゆる役をこなす女優王である。
経済・政治・ファッション・流行に多大な影響をもつ・・・。
3位:幻影世界のピエロ:ヒソヒソ・モロイット
・・・彼は世界をまたにかける大サーカス・サーカスオブサーカスの超人気ピエロだ。
彼のパントマイムは幻影を生み出すと言われている。まさにイリュージョン。
そして、彼の素顔は誰にも知られていない・・・。
4位:氷上のプリンス:カミーユ・ビダンシ・アクエリアス
・・・彼はアイススケート界随一のイベンターであり、表現者であり、カリスマスターである。
彼は世界の王子様。氷上のプリンスの異名は彼の人気をすべて表している。
世界中に彼の虜になったファンがいる。そのネットワークで政治にも影響力をもつ・・・。
5位:偉大なる聖母バレリーナ:フェアリー・シー・トウシュー
・・・彼女はバレエ界の女王。彼女の公演は5年先まで予約で埋まっている。
まさにカリスマ的存在。彼女の演技に魅了され、彼女をバックアップしている経済界の重鎮は数しれない・・・。
経済界にも影響力を持つバレエ界におさまらないセレブ中のセレブである。
6位:真の魔法使い・イリュージョニスト:モハヤメイド・アブラカダブラ
・・・彼はマジック・イリュージョン界のニュースター。彼のイリュージョンはまさに魔法・・・誰もが心を奪われる。
魅了されること間違いなし。彼のパフォーマンスに魅了され、世界は熱狂する、そして誰も真似できないそのクウォリティ。
エンターテイメントの世界でとてつもない影響力を持つ超人気パフォーマーである。
7位:グランド劇団俳優・千の顔を持つ男:パンドーラ・ザックテルー
・・・彼の所属するグランド劇団は世界一の劇団。チケットは10年先まで埋まっている。
そしてそんなグランド劇団の常にトップを張ってきた彼の演技は圧倒的迫力で、いつも観客の期待をいい意味で裏切り続けてきた。
エンターテイメントの世界でやはりこの人は外せない影響力を持つ。彼と一緒に演技したいと世界中の女優がラブコールを送っている。
8位:グランド劇団女優・神降ろしの異名:キドウ・サオリナ
・・・彼女の所属するグランド劇団は世界一の劇団。チケットは10年先まで埋まっている。
そしてそんなグランド劇団の常にヒロインを張ってきた彼女はまさに世界の恋人。そのカリスマ・魅力に片思いのセレブが数多く。
彼女の一挙手一同に世界中が注目している。経済・政治・ファッション・流行に多大な影響をもつ・・・。
9位:劇団ムーンシャドウ大女優:チガサ・ツキカ
・・・彼女の所属するムーンシャドウ劇団はなかなか公演されない幻の劇団。チケットは発売されたら秒で即完する。
そしてそんなムーンシャドウ劇団は彼女が立ち上げた個人劇団で、常に主演を張ってきた彼女は世界が注目する幻の大女優。
彼女は演劇審査委員でもあり、常に演劇界に多大なる影響を与え続けてきた。
10位:マエイ劇団の団長:生涯たった一役を演じ続けてきた。ミステリアス・バーン
・・・彼の所属するマエイ劇団は毎年1回だけ公演され続けている。チケットは発売されたら秒で即完する。
そしてそんなマエイ劇団の団長で、経営者も兼ねている常に主演を張ってきた彼は幻影の表現者。
彼独自の視点で展開されるその演劇に、誰もが尊敬の念を送る。常に演劇界の前衛を走り続ける革命的表現者である。
11位以下も世界的実力者、カリスマたちがずらりと名を連ねている。
絶対魅力の持ち主・チョウリュー劇団団長・バラ・アン
冷静と情熱の俳優・ヒョウエマ劇団団長・フレア・レイザード
怪しい魅力のサスペンス劇集団団長・ザ・ボエーラ
個性的俳優劇団119(ヒャクジュウク)劇団団長・クロコダ・イーノ
ワンダーワールド全開の不思議劇団団長・ヒューイ・ケルア
劇団ウンディーネ看板女優・ウタノ・ハマカワ
アメリカン地方ハリフォレスト俳優・ポロフェッサー・レックス
アメリカン地方ハリフォレスト俳優・アンネ・ローグマリー
アメリカン地方ハリフォレスト俳優・ミス・ティーキー
劇団ウンディーネ若手注目女優・アユ・ハマカワ
ヒョウリである僕がこの先、ランキングを駆け上がるためには、実力を磨くことはさることながら、四大演劇を演じなければいけない。
つまり、古典演劇シェックスピアの『ハムカツ&オムレット』『オセロ&チェス』『マクベスウェルの悪魔』『リア充王』の四大演劇である。
そして、それでマスメディアで評価され、人気を博さなければいけないのは言わずもがなで、経済的にも影響力をもたなければいけない。
そう、興行的成功がなければやはり評価に値しない。そこはシビアなのだ。
世界ランキング20位以上の壁は思うより高いということだ。
ジャパンエリアでトップ20ランキングに入っているのは、4人。
アメリカエリアからは、9人。ヨーロッパエリアから3人。ロシアエリアから1人。チャイナエリアから1人。謎なのが2人。
そういった意味で、ジャパンエリアは世界から注目されているのだ。
我が、チョーサ劇団のエルヴィス団長が87位、リーヴァイス班長が110位とジャパンエリアは100位付近にも実力者がいるのだ。
やはり、この劇団で主演を任されるということは、世界に討って出るチャンスということでもあった。
~続く~
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