第4話殺し屋キルとリリムの一日 その二 友達を作ろう
「ったく、一体あたい等は何をしているんだろうね?」
「殺し屋の仕事終わりに、アジトでの。育児募集、準備・・・・・・」
「ハア、そりゃ見れば分かるっての。あんたがあのリリムってガキを連れ込んでから、何故だか都合良くボスが表向きのギルド募集の傍らに育児所を設けたいって言い出すし・・・・・・やっぱ、ボスにはかなわないわ」
「うん、ボスには。未来予知があるから・・・・・外れたためしが、ない」
「はは、言えてる」
とライアが手を動かしつつ、入り口に『育児所始めました』とボスの手書きで書かれた似顔絵と丸文字がチョークで描かれていた。
そして、幾多の任務を終えた血なまぐさい身体を拭うため、バスローブへ向かいつつキルに「血なまぐさいから、後で入りな」と姿を消した。
キルも殺し屋としての仕事の傍ら、ギルド募集や育児所の募集などで身体からはとても芳しくない脂汗と血の混ざった匂いに怪訝を覚えていた。この前までなら、そんなことでは
狼狽えず。気にすることすらなかった。
だが、不思議と今はそんなことでも気にしてしまう。
それは一体━━━━━━━
「パパ~あさごはん、まだ~?」
「!」
ああそうか。そうだったのか。
今まで、沢山の命を奪ってきたキルがこうして小さな命を育む。
何気ないことだけど、きっと。
「ん。パパ、急にだっこしちゃいやあ」
「友達、いっぱい、作ろう・・・・・!」
「うん!」
そうと決まれば、まずはリリムの病気を治してからだな。
その後にいっぱいの幸せを与えてあげよう・・・・・・
「パパくちゃい~よ~」
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