第2話殺し屋、幼女に懐かれる

「おじさん、だぁれ?」

「・・・・・」

えっ?

「おじさん、ムシ、しないで~!」

「・・・・・っ」

おいおいおいおい!聞いてねぇぞ!?

まだ生存者がいたのかよ!依頼だと、生存者も残らず殺れって話だし・・・・・・

しかも、コイツ。酷く感染してやがる。

金塊病は幼い子供に出来る厄介な病気で、そこらに転がったヤツらみたく殺して毟り取るんだよな。

コイツが無事でいられたのは恐らく。

普通のガキよりも金塊が取れるからか・・・・まあ、でも。いつまでも野放しにしてたらまた捕まって酷い目に遭うだけだ。

今すぐ、楽にしてやらねぇと。


そのまま彼は弾丸をがちゃりと溜め込んで、

銃口を少女へ向けた。

いつかは亡くなる命。ならば、少しでも楽にしてやるべきと引き金を引こうとした時である。

「おじさん、それ、なぁに?」

「!?」

な、何だ!?この眩しい光りは!?

そんな純粋そうな瞳で見られたら、引くに引けない━━━━━━

「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!俺はなんて、バカなことをーーー!!?」

そうだ!こんな年端もいかないカワイイ命がなくなってなるものか!

そんな子を簡単に殺めようとした俺は最低だ!自分を殴って、殴ってやりたい!!


「お、おじさん!?そんなになぐったら、お顔、ケガしちゃうよ?」

「は!?」

いかんいかん、自制心を保つんだ、俺!

鼻血が出てようがこの子を悪い子から守らねぇと!

って言っても、俺。口ベタだし。

ちゃんと伝わるかな?

「ええ、と。ああの、その・・・・・」

ダメだーこりゃー!ああもうどうすりゃいいんだ・・・・・

「・・・・・おじさん、もしかして。自己紹介してるの?おじさんは口ベタさんなんだね♪私はリリム!よろしくねっ」

「・・・・・キル。殺すのキル・・・・・」

「んー。なんか、ぶっそうな名前だね?ここにいた優しいおじさん達をやっつけたくらいだし?」

「うん・・・・ここ、危ない。とりあえず逃げる。アジト、匿う」

「うん!おじさんが優しいから、ついてく!」

何だろう。俺は殺し屋のはずなのに、幼女を誘拐した、みたいなこの気分は・・・・・・

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